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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

デジタル(テレマティクス)技術を活用した新たな交通安全対策

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社防災、安心・安全の確保

実施年度

Digi田甲子園 2022冬

主な実施地域

福井県福井市

取組開始年度

2021年度

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 弊社のテレマティクス技術によりドライバーの運転データを取得し、危険運転エリアを示す「交通安全マップ」を作成。取得したデータを活用し、事故実績に基づく事後対応ではなく、危険運転エリアに対する先手先手の対策を行うことで、事故の未然防止を志向。
  • 2021年10月~2022年1月にかけて、福井市明新地区周辺において、弊社と福井県、福井県警察が連携し、福井県内のドライバー454名(地元企業33社、教育機関3機関、一般県民)にテレマティクス技術を搭載した専用車載器を配布し、自動車走行データ(運転挙動)を収集。
    • 取得したデータから急ブレーキや速度超過、スマホ使用等の危険運転発生地点を抽出。
  • 2022年3月、抽出した危険運転発生地点と警察庁の交通事故オープンデータ(2019〜2020年度)を地図上に可視化した「福井県交通安全マップ」を作成し、福井県ホームページで一般公開。
  • 2022年8月、本マップ及び弊社テレマティクス自動車保険の契約から得られたデータ(以下、テレマデータ)をもとに、福井県内でゾーン30(※)エリアが新たに指定。その後、福井県警察と連携しながら、テレマデータを用いて、ゾーン30エリア指定前後2か月間の車速の比較分析を実施。
※ゾーン30とは、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とした交通安全対策の一つ。区域(ゾーン)を定めて時速30キロの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内におけるクルマの走行速度や通り抜けを抑制するもの。

デジタルを活用した取組による成果

アウトプットベース
  • 弊社のテレマティクス技術により、急ブレーキや速度超過、スマホ使用等の危険運転発生地点をあぶり出すことができた。また、当該危険運転発生地点と警察庁の交通事故オープンデータ(2019~2020年度)を用いて作成された「福井県交通安全マップ」が活用され、福井市明新地区(17.4ha)が新たにゾーン30エリアに指定。
  • 本マップデータを用いたデータ分析学習が実施され、明新地区にある灯明寺中学校の1年生(213名)、明新小学校の5年生(136名)が通学路の隠れた交通危険個所を調べ、対策を検討・発表。灯明寺中学校では、生徒自身が考えた地域の交通安全対策を、県警や市道路課等の関係機関に提案。
アウトカムベース
  • テレマデータを活用し、ゾーン30エリア指定前後での車速の変化を分析した結果、明新小学校周辺での速度の低減を定量的に可視化することができ、交通安全対策のEBPMに貢献。
  • 小中学校におけるデータ分析学習の結果、児童生徒からは「通学路で危険運転がたくさんあることだけでなく、一番多く発生している時間帯などを詳しく知ることができた」、「データと実体験をもとに交通安全について考えるきっかけになった」、「データ分析への関心が沸いた」といった意見が得られ、学習を通じて児童生徒の交通安全意識やデータ分析への関心を高めることができ、地域のデジタル人材の育成に寄与。

取組の成果をあげることが出来たポイント・工夫

  • 当社テレマティクス自動車保険の技術・データを社会・地域課題解決に活用。
  • 単なるデータ提供ではなく、福井県の課題に合わせたデータ分析・加工(「福井県交通安全マップ」作成)を実施。
  • データの特性を生かし、ゾーン30の設置前後の車速を分析し、定量的な効果検証を実施。
  • データを交通安全だけでなく、デジタル人材育成にも活用。

取組を進めるうえで苦労した点

福井県が抱える課題(交通事故の未然防止)の解決に資するデータ分析・加工方法の検討に苦労した。結果的に、交通安全対策の検討に利用しやすくなることをめざし、テレマティクス技術により抽出された潜在的な危険箇所や実際の交通事故発生個所を可視化した「福井県交通安全マップ」の作成に至った。

今後、デジタルの活用に取り組もうとしている企業や自治体へのアドバイス

ビッグデータは様々な課題解決につながる可能性がある一方、データ単体では活用が難しい側面がある。今回の当社の取組では、福井県の課題(交通事故の未然防止)に合わせてデータを分析・加工し、「福井県交通安全マップ」として活用しやすくしたことが成功の要因であったと考えている。データ活用を検討する際、当社の取組を参考にしていただければ幸いである。
連携団体
福井県、福井県警察
問い合わせ
部署
福井市 マーケット開発部 地方創生戦略室
電話
050-3461-6414
メールアドレス
masanobu-morimoto@aioinissaydowa.co.jp