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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

新たな日常におけるデジタル市役所推進事業

熊本県熊本市誰一人

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

窓口改革、RPA、住民負担軽減、職員負担軽減、転入・転出・転居

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

窓口改革の取組として「早い」「やさしい」「均一で正確な」を柱として、市民が利用しやすく、職員も働きやすい窓口を目指した取組

実施に至る経緯・動機

  • 市民目線
    • 申請書、届出書の書き方が難しくて、分からない。
    • どこの窓口に行けばいいか分からない。
    • 申請書の種類が多く、何度も同じ情報を申請書毎に書かなければならない
      例:熊本市に転入時、「住民票の写し」と「印鑑登録証明書」が欲しい場合、住民異動届、住民票関係交付申請書、印鑑登録申請書、印鑑登録証明書交付申請書の4枚に氏名、住所、生年月日等の記入が必要。
  • 職員目線
    • 妊娠や障がい等に関して、窓口で市民に直接聞きづらい点があり、案内漏れのリスクがある。
    • 職員が届出情報をシステムに手入力する場合、入力ミスのリスクがあり、業務負荷となっている。

    中央区民課では約100件/月間の入力ミスが発生。

解決する課題の具体的内容

  • 窓口に「タブレット端末」、「暗号化機能付QRコード」、「RPA」等のICTソリューションを活用し、「届出ナビシステム」を開発した。
  • 手続きや案内の分かりやすさ・正確性の向上、各種証明証書取得までの待ち時間短縮等の市民サービス向上。
  • 機械にできる仕事は機械に転換し、省力化により生まれた時間を本来注力すべき業務に充てた。

デジタルを活用した取組による成果

市民のWin
  • 申請書の記入負荷軽減
    • 届出ナビ(市民利用)のタブレットで、転入、転居、区間異動の届出書作成時、6割以上の方が住民票交付申請書を同時に印刷。また、転入時、2割弱の方が印鑑登録申請書を同時に印刷。
    • 市民が申請書毎に何度も氏名、住所、生年月日等を記入しなければならなかった負荷を軽減。
市民と職員のWin(時間削減の効果)

窓口での受付開始から住記システムへの登録完了までの時間に関して

市民の待ち時間(効果算出より) 平均4分30秒/件 短縮
職員の業務時間(効果算出より) 平均7分00秒/件 削減

職員の業務時間削減の内訳

入力業務の省力化 平均4分30秒/件
窓口~最終審査までの各フェーズにおける三連番・学校区の紙台帳確認の効率化 平均2分30秒/件

当初は中央区と東区の2区役所でのみシステムの利用があったが、令和4年9月1日から西区、南区、北区役所にもシステムを展開し、熊本市全区での利用を開始した。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 窓口に「タブレット端末」、「暗号化機能付QRコード」、「RPA」等のICTソリューションを活用し、「届出ナビシステム」を開発した。
  • マイナンバーカードの券面4情報を読み取って、市民が入力する項目を削減し、暗号化機能付QRコードから申請書を印刷する。
  • また、印刷された申請内容を審査した後、基幹システムへの登録をRPAを利用した、自動入力を行うことで、職員の入力ミスのリスクをなくし、業務負荷を軽減している。

成果をあげるためのポイント

システム導入が目的ではなく、本市では「繁忙期等の窓口における混雑緩和」という課題を取り上げ、窓口改革に力を入れることになった。その中で、市民目線としての「課題1」と職員目線としての「課題2」が浮き彫りになった。

  • 「申請書、届出書の書き方が難しくて、分からない。」「どの窓口に行けばよいか分からない。」「申請書の種類が多く、何度も同じ情報を申請書毎に書かなければならない。」
  • 「妊娠や障がい等に関して、窓口で市民に直接聞きづらい点があり、案内漏れのリスクがある。」「職員が届出情報をシステムに手入力する場合、入力ミスのリスクがあり、業務負荷となっている。」

プロジェクトでは、市民目線と職員目線の課題を解決するために要件定義を行い、アジャイル開発の手法を用いてシステムを開発した。アジャイル開発では、開発チームと利用者が連携し、進捗状況を確認しながら段階的にシステムを開発していくことで、利用者のニーズを反映したシステムを開発することができた。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

新規システムの導入については、財政当局との調整が難しいことが多いと考えられるが、届出ナビシステムの導入に関しては、実際の運用を担う部署と各窓口の予算管理を行う部署の両者が協力して予算要求に臨んだため、対立等が生じることはなかった。問題意識を共有し、合意形成を行い、現実的な目標を設定することが重要であると考える。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

  • ビジョンの明確化
    具体的な目標を設定し、それに向けての戦略やアクションプランを策定することが重要。本市では、窓口改革の取組として「早い」「やさしい」「均一で正確な」を柱として定めた。
  • 市民及び職員中心のアプローチ
    市民及び職員の利便性や満足度を向上させることを主眼に取組んだ。市民目線だけでなく職員の負担解消にも目を向けていただきたい。
  • セキュリティ対策の徹底
    DX化に伴い、セキュリティリスクが高まることがある。セキュリティ対策を徹底し、情報漏洩や不正アクセスなどの被害を未然に防止することが必要である。
  • データの活用
    DX化においては、現時点でのデータを活用することができる。また、実現したい目標に対して新たにデータ収集する必要があるが、手間と時間がかかる。既存のデータをフル活用しよう。
問い合わせ
部署
熊本市文化市民局市民生活部地域政策課
電話
096-328-2031
メールアドレス
chiikiseisaku@city.kumamoto.lg.jp
関連サイト
https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=29078&e_id=14