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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

「スマート・スクール・SASEBO」VISIONの推進

長崎県佐世保市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

ICT教育、職員負担軽減、授業でのタブレット活用、LTE、ポータルサイト

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

「スマート・スクール・SASEBO」VISIONを推進するための代表的な取り組み
 ① どこでも使えるLTE対応端末の導入
 ② 教員情報共有ポータルサイト『羅針盤』の創設
 ③ 安心安全を実現する学校通信システムの強靭化

LTE端末の導入

Wi-Fi通信ではつながらないグラウンドや体育館、家庭や地域での活動を可能とするため、LTE通信が可能な端末を導入した。端末をどこでも使える環境を整備したことで、子どもたちのICTリテラシーの向上も期待される。

  • 【活動例】
    • 屋外にある菜園で、育てている植物を観察。育成の方法を調べるほか、育成の様子を記録し、児童みんなで共有することができる。
    • 地域での活動でも端末を持っていくことができ、端末を使って学校の様子を紹介したり、地域の方の話を児童同士で共有することができる。
教員ポータルサイト「羅針盤」の創設

1人1台端末を中心としたICTの活用を、先進的に実践する研究指定校を設置、そこで得られた知見を教員みんなで共有するためのインターネットサイトを構築した。また、先進的な取り組みだけではなく、日々の学校生活での悩み事やその解決策も共有することで、ICTスキルの底上げを実現することもできる。

学校通信システムの強靭化

学校通信の安全性を向上させるために、フィルタリングソフトの導入を実施したほか、主に校務執行に関するネットワークに関しては、コンピュータウィルスを含め悪意のある侵入者に対応するため、外部ネットワークとの論理的分離を行うための仮想化基盤サーバーの導入を検討したほか、セキュリティポリシーを見直し、学校監査制度等を導入した。

実施に至る経緯・動機

令和2年10月に「スマート・スクール・SASEBO構想図」を策定。教育委員会事務局、教育委員、市長、市議会、教員、保護者等の認識の共有、共通理解を図り、大きな社会変容(変革)を想定し、既存の価値観、方法にとらわれずゼロベース、全方位、多角的視点をもって、1人1台端末を最大限活用するためのICT環境の整備、推進体制の構築を図ることとしたもの。

解決する課題の具体的内容

  • すべての子どもが、学校や家庭で存分に1人1台端末を活用できる環境をつくる。
  • すべての子どもが、学びにおける制約から解放される。
  • 個別最適化された学びを実現することができる。
  • 新しい時代を生き抜く創造性や社会性を育成することができる。

デジタルを活用した取組による成果

毎日授業でICTを活用している教師の割合 92%

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 「スマート・スクール・SASEBO構想図(VISION)」を作成し、関係者の認識の共有、共通理解の推進を図った。
  • 関係する職員全員を、本来業務と兼務させる形で「スマート・スクール・SASEBO推進室」の一員とし、迅速な意思決定と、関係部署との連携強化を実現した。
  • 学校における情報関係政策のマスタープラン「教育の情報化推進計画」を策定することで、設備投資や体制の構築などを迅速に行うことができた。

成果をあげるためのポイント

家庭や学校の環境に影響されず持ち帰り学習や校外学習を行うため、LTE通信を採用したことが、当市の教育の情報化の成果をあげる事ができたポイントと考えている。また離島がある当市は、LTE通信の効果が特に高かったと思う。具体的には①平和学習など本土での校外学習終了後のフェリーの待ち時間や乗船時間で、端末を活用し学習のまとめをドキュメントなどで共同編集することで、移動時間を有効活用できた。②校外行事(公共交通機関がないため、移動に時間がかかる)について、端末を活用することで、時間短縮を図ることができた。例えばスケッチ大会は、今まで写生場所でスケッチ全てを完結するため時間がかかっていた。端末を活用し、校外活動を、必要な風景を複数枚撮影するのみとし、学校でスケッチを行うことで、滞在時間を軽減できた。③美術科の教員がいなくても、スケッチの対象を撮影し、児童生徒全員と共有し構図を話し合ったり、撮影した写真をトレースしてスケッチすることで、より良い作品を制作することができた。また、専門的な知見が必要な場面においては、本土の美術科の教員と作品を共有し、助言・指導を受ける事ができた。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

全国一斉に実施されたGIGAスクール構想において、我々教育委員会も苦労したが、現場の先生方の苦労はそれ以上だったと思う。教育委員会として、「スマート・スクール・SASEBO構想」を策定し、構想に基づき、現場のサポートをしてきた。具体的には、本取り組みにも掲載しているが、他の先生方の知見を共有し活用するための「教員情報共有ポータルサイト『スマート・スクール・SASEBO羅針盤』の創設」や、児童生徒や教職員が安心安全にICTを活用するため、「学校通信システムの強靭化」を実施した。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

当市は児童生徒端末に、LTE通信を採用することで、①他の自治体よりも早い時期から持ち帰りを開始できた。②他の自治体より校外学習で積極的に端末活用ができた。

問い合わせ
部署
佐世保市 教育委員会総務課
電話
0956-24-1111
メールアドレス
kyouik@city.sasebo.lg.jp