Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
実施に至る経緯・動機
- 平成28年11月シェアリングシティ宣言を行い、シェアリングエコノミー(共有経済)を活用し、在宅ワークの育成や体験型観光などのシェアリングビジネスを実施することで、地域課題の解決に取り組んできた。
- 令和2年、上空シェアリングを行う株式会社トルビズオンの存在を知り、多久市のまちづくりにつながる事業として、まちづくり協議会で検討し、ドローン物流実験に取り組むことになった。
- 令和2年7月、株式会社トルビズオンと多久市は、地域課題の解決に取り組むため、地方創生連携協定を締結した。
解決する課題の具体的内容
- 多久市まちづくり協議会かつやく隊では、ドローンの活用で地域の課題につながるものを協議し、12本の「空の道」を開通させた。
- 多久市の特徴として、山間地域が多く、高低差のある地形である。高齢化も進み、今後は、運転免許返納などで、車での移動が困難になる住民が増えることが予想される。また、近年では災害も増え、山間部の道路の寸断や土砂災害など現地確認が増えていくと考えられる。
デジタルを活用した取組による成果
空の道 12本
公共交通サービスにおいて、島内中心部から遠隔地への移動、高齢者の外出困難、路線バスへの財政支出の増加、高齢者の免許返納のキャンプ場の道、日用品配送の道、薬の道、フードデリバリーの道、新聞配達の道、そばの道、イチゴの道、防災の道、観光の道、NEXCO西日本パーキングエリアへの道、みかんの道、まんじゅうの道(LTE・自動操縦)
メディア
ガイアの夜明け | 【日用品配送の道、薬の道】2021年1月取材 |
---|---|
がっちりマンデー | 【新聞配達の道】2021年5月取材 |
毎日フォーラム | 2021年8月号 |
財界九州 | 2022年4月号 102頁 |
佐賀新聞 | - |
内閣官房シェア・ニッポン100 | - |
国土交通省「空のまちづくり」で始める社会変化の事例 | - |
修学旅行受け入れ(JTB学びのプラン採用)
「ドローンをつかったまちづくり」 | 佐賀県基山町高校1年生、大分県大分中学3年(2021年12月) |
---|
企業誘致実現3社
株式会社トルビズオン、株式会社DPCA、株式会社イノベーションパートナーズ
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- これまでの実証事業は、自治体主導ではなく、多久市の中心市街地活性化や地域課題解決策等を協議する「多久市まちづくり協議会かつやく隊」が中心となり、ドローン・自動操縦・無線技術など先進技術を学び、実施をしてきた。
- まちづくり協議会かつやく隊のメンバーが、ルートの選定を行い、空の道を策定し、配送オペレーション等もまちづくりのメンバーが行った。
- また、多久市は大手旅行会社や観光協会等と連携することで「まちづくりとドローン物流、起業家精神」を学ぶこれらの取り組みを知った旅行会社が、まちづくりとドロ-ン物流から起業家精神を学ぶ修学旅行プランを企画、広告し、実際に2校の教育機関が多久市に訪れ、観光分野にも効果が広がっている。
成果をあげるためのポイント
自治体主導ではなく、取り組みをまちづくり団体(民間)から始めた点が大きなポイントと思う。自治体主導だと地域の協力が得られたとしても、「市が言ったことだから仕方なく…」というようにどこか他人事で、地域の人の協力を得ることが難しいことも多い中で、まちづくり団体が取り組みを始めたことで、賛同される方も多く、また自治体も協力という形で理想的な取り組みとなったと思う。
また、これまでまちづくり団体が取り組むことと言えば、イベント開催のような一過性のイベントが多かったところを、新たな技術であるドローンを活用して、地域の課題(買い物弱者対策、防災)を解決しようという取り組みであった点が成果をあげた秘訣だと思う。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
ドローン自体が新たな技術であるということから、大手民間企業もこれから参入を検討するような段階の中で、自治体が率先してまちづくり団体やスタートアップ企業と連携協定を締結し、取り組みを進めることに対して、庁内の理解を得ることが苦労した点として挙げられる。この点に関しては、首長の理解やまちづくり団体の方々の思いや行動で理解が進んでいったと考える。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
新たな技術を取り入れてDXに取り組むとしても、進めるのはやはり「人」だということ。どんなに先進的な技術でも、地域の人の協力がなければ進まないし、地域の人が抱える課題に沿ったDXでないと意味がないと思う。課題を把握するのは当事者であり、自治体職員であるので、仮に当事者である地域から声があがれば、自治体が協力を惜しまず、一緒に取り組みを進めるべきと考える。
- 連携団体
- 株式会社トルビズオン、多久市まちづくり協議会かつやく隊
- 問い合わせ
-
- 部署
- 多久市商工観光課
- 電話
- 0952-75-2117
- メールアドレス
- shokokanko@city.taku.lg.jp