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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

電子地域ポイントシステムを活用した鏡川清流保全

高知県高知市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

環境保全、地域ポイント、関係人口創出、担い手不足、SDGs、地域循環共生圏

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

鏡川流域の「自然と人」、「人と人」をつなぐ関係人口の創出・拡大を促進するため,流域の自然を生かした多様な関わり方を実行できる人材を育成する鏡川流域関係人口講座を実施。併せて、流域への関わりを可視化し、市民等が気軽に関わるためのコミュニティツールとなる電子地域ポイントシステムを導入。電子地域ポイントシステム「まちのコイン」(スマホアプリ)では、講座の受講生や地域の団体(店舗、施設、地域団体、事業等)が「スポット」となり、「お手伝いごと」や「体験できること」を電子地域ポイントの「チケット」として作成し、相互に地域ポイント「ぼっちり」を貯めたり使ったりしながら関係人口を広げる。

実施に至る経緯・動機

鏡川上流域では、様々な分野での担い手不足から、人による自然への適切な関わりが薄れ、流域の美しい景観や自然環境が失われつつある。こうした課題に対応するため、鏡川流域の自然と人、人と人をつなぐ「関係人口」の創出・拡大を図る施策を講じることとした。

解決する課題の具体的内容

鏡川流域での「不足していること」や「提供できること」を可視化することで,多様な人材の参加と関わりを促進する。このことにより,鏡川流域の自然と人,人と人をつなぐ「関係人口」の活動が促進され,流域の美しい景観や自然環境の保全につながる。

デジタルを活用した取組による成果

令和4年4月より、広く市民に対してまちのコイン「ぼっちり」の利用を呼びかけ、高知市内外の学生、社会人等、多様な主体に利用されている。

取組のアウトプット成果
令和4年9月20日現在 令和5年5月15日現在
ユーザ登録者数 531人 1,021人
スポット数 56スポット 150スポット
累計チケット数 200件 385件
取組のアウトカム成果
令和4年9月20日現在 令和5年5月15日現在
累計チケット使用回数 549回 3,000回

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 本取組は、鏡川を軸に、上流域と下流域,流域内と流域外の人材をつなぎ、関わりを生む場(鏡川流域関係人口講座)の設置と関わりを可視化するツール(電子地域ポイントシステム)の整備を一体的に行うことで、地域資源の相互連携・相互作用を促進し、鏡川流域における地域循環共生圏の実現を目指すものである。
  • 電子地域ポイントシステムを活用し、流域への関わり方を具体的に可視化することで、環境問題やSDGsへの市民の関心の高まり、新たな「チケット」の提案などの循環を生み出すことを意識した。
  • 電子地域通貨等においては、換金性のあるものが多いが、本取組では、誰もが気軽に使うことが出来るようにするため、換金性がなく、値引きや支払いとしての利用は行わない電子地域ポイントシステムを活用している。
  • チケットの内容は楽しい体験を無償提供できる範囲とし、商業的な利用ではなく多様な主体の参加と関わりによる関係人口の創出に主眼を置いている。
  • 電子地域ポイントシステムの導入と併せて実施した鏡川流域関係人口講座の受講生に対し、受講生が「スポット」となり、企画したプロジェクトを具現化するためのツールとして電子地域ポイントシステムを活用するよう促すことで、プロジェクトの促進や効果的な電子地域ポイントシステムの活用につなげている。また、試験運用期間中に受講生がシステムの活用事例を作ることで、本格導入後に他の団体等が「スポット」となり、「チケット」を生み出しやすい環境を整えた。

成果をあげるためのポイント

  • 当該事業(鏡川流域関係事業創出事業)によって、これまで地域課題に自分ごととして関わることができなかった人が、自分にできることで地域課題に関わることができるようになった(一部の人だけでなく、多様な人が多様に関われるようになった)。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

  • 「既存のサービスやシステムを新しいデジタルソリューションに代替すること」がDXではなく、「既存のサービスやシステムが解決しようとした課題にフォーカスし、より効率よく解決するための手段としてデジタルソリューションを活用していくよう、既存のサービスやシステムそのものを見直すこと」が必要である。
  • 一方、これらの新しいアプローチは分かりにくいことが多く、庁内・議会・市民の皆さまに分かりやすく説明するとともに、「小さくても良いので、なるべく早く具体的な事例つくり可視化すること」が大事である。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

  • 「既存のサービスやシステムを新しいデジタルソリューションに代替すること」がDXではなく、「既存のサービスやシステムが解決しようとした課題にフォーカスし、より効率よく解決するための手段としてデジタルソリューションを活用していくよう、既存のサービスやシステムそのものを見直すこと」が必要である。
  • 当該事業(鏡川流域関係人口創出事業)も、従来の「自然保護」や「地域や分野ごとに区分したアプローチ」を見直し、「河川流域における自然資本や社会資本を可視化して、自然と人、人と人をつなぎ、上流と下流の相互連携・相互補完のシステムを構築する」ための手段としてデジタルソリューションを活用した。
連携団体
株式会社カヤック
問い合わせ
部署
高知市環境部新エネルギー・環境政策課
電話
088-823-9209
メールアドレス
kc-180500@city.kochi.lg.jp
関連サイト
https://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/186/machinocoin.html