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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

Society5.0実装化エリア創出事業(東みよし町いちご・いい知恵事業)

徳島県東みよし町農林水産

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

スマート農業、見守りサービス、担い手確保、安心して稼げる農業の実現・継承

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

農業実装化(イチゴ栽培)

イチゴ生産のノウハウと生産環境のセンシングをデータ集積し、ビックデータによる分析・解析を行い、初心者でも安定して稼げる「いちご栽培のスターティングパッケージ」として新規就農者に提供することを目指す。

人材育成

地域で活躍できる先進情報技術者を養成します。農業実装化事業の事業者とも連携し、実際の分析データを教材として活用するセミナーを開催するなど、より実践的な技術習得ができる仕組みをつくる。

繋がり実装化(まごチャンネル)

身体障碍者や独居などの要支援高齢者に対し、画像伝送システムとAIによる環境センサーによる見守りで、家族とのつながりや熱中症対策などの生活安全支援を提供する。

実施に至る経緯・動機

  • 東みよし町においては、近隣の市町より緩やかではあるが人口減少、少子高齢化が進行しており、人口の将来推計においても減少継続が予測されている。就職や進学を機に東みよし町から流出する若者も多く、労働力、人材の確保は町内の事業者にとって今後の継続に関わる重要な課題である。
  • 本町は住みやすさ、環境の良さが強みであり、産業面も特色ある企業が多数事業活動を行っている。今後、この地域の特色、強みを積極的に打ち出すことにより、就業の機会の創出や雇用の増加を図り、町内で生まれ育った若者や田舎暮らしを憧れる移住者の定着と活躍を推進し、事業者の成長と能力開発に積極的に取り組めるよう、人材育成支援を強化することが必要である。
  • 本町は、小学校での先端的なICT教育など次世代育成のための活動が注目を集ており、中学生、高校生の地元へ意識好影響も見られる。若者が地元に残って働くことへの魅力、意味を訴求する取り組みを事業者だけではなく地域の各主体が、連携して長期的な視点で実行することが重要である。
  • そのような中、農業分野においては、70代~80代が主力で事業活動を行っており、今の代で廃業する意向を示している方が多い状況である。地域の基幹産業である農業を次の世代に継承するために、習熟の必要な経験則をデータ化(見える化)し、さらに先進技術を組み合わせることで「安定して稼げる農業」を実現し、職業として選択される農業への進化をめざす。また、そのための担い手づくりを地域で取り組み、より実践的な先進情報技術が習得できる教育機会を提供する。地域課題の解決ができる人材を地域で育て、地域で働ける仕組みづくりを行う。

解決する課題の具体的内容

  • 農業実装化(イチゴ栽培)事業では、町内特産品である夏秋イチゴの生産者の高齢化に伴い、生産に必要なノウハウの継承が課題になっている。また、新規就農希望者がいても、教育できる生産者不足により技術の伝承ができていない状況
  • 人材育成事業では、ITに精通した人材の確保に課題がある。ICT教育などの普及により教育現場でもダブレットが普及していたが、まだまだ多世代が活用できている状況ではない。
  • 繋がり実装化(まごチャンネル)事業では、過疎・高齢化の進行に伴い、高齢者のみの世帯が増加している。さらにコロナウイルス感染拡大により、日常生活の中でコミュニケーションの機会が失われ、特に身体的な障害を持つ方が引きこもりに近い状態になっている例も多くなっている。また近年の異常な高温による室内での熱中症も多発しており、高齢者の見守りが重要になっている。

デジタルを活用した取組による成果

成果品としては「いちご栽培のスターティングパッケージ」を令和5年度に完成予定従来型農業(第一次産業)から出てくるアナログ情報と製造業(第二次産業)が培ってきた“ものづくり”のノウハウをIOTを駆使して収集した環境データや画像データなどのデジタル情報を介して繋ぎ、いちご栽培スターティングパッケージを作成し、関係機関と連携の上、運用したいと思っている。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 地域の基幹産業である農業を次の世代に継承するために、習熟の必要な経験則データをデータ化(見える化)し、さらに先進技術を組み合わせることで安定して稼げる農業を実現し、職業として選択される農業への進化を目指す
  • 農業実装化(イチゴ栽培)で採取したデータを人材育成のプログラミング教室で活用
  • 繋がり実装化(まごチャンネル)では、既存装置に設置家庭の生の声を反映させるアプリ等の開発を実施し当町ならではの見守りシステムを構築

成果をあげるためのポイント

事業途中の段階であるため、成果・効果の評価はこれからだと考えている。現在までで言えることは、イチゴのデータ採取を実施し、新規就農者向けのパッケージがほぼ出来上がった。最終年度は、パッケージをどう活用し、どう継続していくかを構築することに重点をおいている。官民一体となって知恵を絞っていくことが大切だと思っている。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

現在、実証実験を実施している取り組みを、今後も継続し実施していける体制づくりが重要であり、実装に向けて取り組んでいる。継続して実施するためには、取り組みで収益を得なければ継続が困難であり、いかに収益をあげ取り組みを継続できるかの部分に苦慮している。乗り越えるためには、民間との連携が不可欠で、最終年度で実施する予定である。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

その地域にある「課題を解決する取り組み」に、「賛同する仲間を増やしていく」ことが大切だと実感している。

連携団体
有限会社ミカモフレテック、社会福祉法人東みよし町社会福祉協議会、セコム株式会社、株式会社チカク、DataOASIS株式会社
問い合わせ
部署
東みよし町産業課
電話
0883-79-5339
メールアドレス
sangyou01@higashimiyoshi.i-tokushima.jp