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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

美祢市公設塾「mineto(みねと)」、デジタルで「フミダス!」

山口県美祢市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

公設塾、オンラインイベント、関係人口創出

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

美祢市が設置する中学生対象の公設塾minetoのプログラムとして、以下のようなデジタルを活用した取組を実施。

フミダス!プレコン2022
  • 「フミダス!」は、美祢市公設塾minetoを運営する株式会社FoundingBaseが運営する日本各地の公営塾の中高生たちが拠点を横断して繋がり、一つのプロジェクトを作り上げる取組。プレコンはプレゼンコンテストの略称。生徒が自分の実現したいことを大人の前でプレゼンして共感してもらい、ヒト、情報、お金といった支援をいただくオンラインイベントとして開催。
観光マッププロジェクト成果発表会
  • JAL、観光協会にサポートいただき、美祢市の魅力を中学生の目線で発信する新しい観光マップを作成し、その成果発表会を会場・オンライン両方のハイブリッドで開催。美祢市と連携協定を締結している慶應義塾大学SFC長谷部葉子研究会の学生約30人がオンラインで参加し、発表した中学生へフィードバックを行うなど、オンラインを活用して学びを深める取組を実施。

実施に至る経緯・動機

美祢市公設塾minetoは自ら考え未来を生き抜く力を育むため、「子供たちの好奇心を引き出し、挑戦する力を育てる」ことをコンセプトに令和3年9月から運営を開始。市内全中学校が小規模校で人間関係が固定化する中、新たな人間関係構築の場、第三の居場所としての機能を果たしているが、他自治体の類似の公営塾の中高生との交流や普段出会うことのない大学生との交流により、新しい刺激や好奇心を引き出すきっかけにつながっている。

解決する課題の具体的内容

美祢市公設塾minetoは、子供たちの社会的自立を目指し、子供たちの好奇心を引き出し、挑戦する力を育むため、「挑戦のトビラ」「好奇心のトビラ」「知のトビラ」の3つの授業を実施。「フミダス!プレコン2022」、「観光マッププロジェクト成果報告会」は「挑戦のトビラ」の一環として実施するなど、デジタルの力も大いに活用しながら柔軟に取組を実施。

デジタルを活用した取組による成果

関係人口の増加、子供たちの多様な学びの場の確保、など

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

フミダス!プレコン2022
  • 公設塾minetoからは、1名は登壇者として「ユーチューバーになる」という自分の夢の第一歩として、「プレコン」に参加。2名は「企画チーム」として、他地域の生徒・メンターとオンラインでミーティングを行い、レク企画や大人への営業を行った。minetoスタッフ及び他拠点の公営塾スタッフなどのフミダス!のスタッフがそれぞれ子供たちに伴走し、適時サポートを行った。
観光マッププロジェクト成果報告会
  • 会場とオンラインのハイブリッドでの開催としたことで、東京や北海道など遠隔地からも参加いただくことが可能となり、地元の中学生を応援したい方々はもちろん、美祢市を知らない方々から「発表を聞いて美祢に行きたくなりました!」「中学生のオススメでツアーを作ってほしい」などのフィードバックをもらい、子供たちにとっても学びが深まった。

成果をあげるためのポイント

常に生徒との信頼関係を作ることと、地域の方々との関係性構築をしてきたことがポイントだと思う。デジタル化に関係なく、中学生にとって新しい取り組みや挑戦をすることは難しいことが予想される。その挑戦ができるように常にスタッフや伴走者が挑戦する姿を見せ、面白さを伝えていくことで、「自分でもやってみたい」という気持ちを醸成させることができたと思っている。
また、スタッフだけではなく、地域の大人が応援者として子供の挑戦を後押しすることがとても重要だと思っており、地域の大人の方々には常にスタッフからコミュニケーションをとって、 応援者になってもらうように関係を築いてきた。結果、今回のような全国を越境したプロジェクトや地域の大人を巻き込んだハイブリッドの成果発表会という新しい取り組みを成功させることができたと思う。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

「フミダス!プレコン2022」においては、オンラインでプレゼンコンテストを全国の中高生だけで作り上げていくこと自体が苦労した点である。
解決するために、「slack」というコミュニケーションツールを生徒一人一人のタブレットや携帯にダウンロードし、常に見てもらうように毎日細かく伴走を工夫した。
「観光マッププロジェクト成果発表会」では、オンラインオフラインのハイブリッドで開催することが初の試みだったため苦労した。
解決するために、事前にハイブリッドで実施することを丁寧に参加者に伝えたこととカメラを3台用意し、オンラインとオフラインの断絶がないように工夫した。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

DX化は、あくまでも「手段」だと思う。そのため、まず目的思考を徹底し、その目的を達成する・加速するためには、どんなDXが必要なのかという計画を立てることが必要だと思う。
成果をあげるためのポイントでも記載したが、対象になる子供や地域の大人が、新しいことにも積極的に取り組んでもらうためには、トップダウンで押しつけるのではなく、常に同じ目線に立って、プロセスや背景を共有することが必要だと思う。
この事前準備となる信頼関係の構築が、遠回りに見えて一番の近道だと信じてコトに向かっていくことに時間をさくことをお勧めする。

連携団体
福島県国見町、高知県四万十町、高知県北川村、大分県豊後高田市、株式会社Founding Base、日本航空株式会社、一般社団法人美祢市観光協会、慶應義塾大学SFC
問い合わせ
部署
美祢市教育委員会事務局学校教育課
電話
0837-52-5260
メールアドレス
gakkou@city.mine.lg.jp
関連サイト
https://www2.city.mine.lg.jp/kosodate_kyoiku/mineto/8166.html