Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
SNS事業者・大学と連携したデジタル活用支援教材の共同開発
山口県山口市誰一人
実施年度
Digi田甲子園 2022夏
取り組み事例キーワード
高齢者に向けたデジタル活用支援、デジタルデバイド対策、SNS、スマートフォン講座
実施に至る経緯・動機
山口市では、市民の生活向上のため、スマートフォンなどで行政手続き、暮らしに役立つ情報の受け取りなど様々な取組を進めている。同時に、デジタル化の取組の効果は使っていただいて初めて効果を発揮することから、地域におけるデジタルデバイド(情報格差)を解消し、広く市民が自治体のSNS等を有効活用できるようサポートする必要があると考えているため。
解決する課題の具体的内容
- 令和4年4月15日(金)に山口市阿東地域交流センターで実施した「スマートフォン・SNS 活用講座」の参加者23名のうち、回答不備のあった3名を除いた20名の集計結果を分析。
- 基本編については、「わかりやすい内容だと思いましたか」、「役に立つ内容と思いましたか」、「初めて知る内容が含まれていましたか」、「満足する内容でしたか」の4項目の全てにおいて、参加者の60%以上からが肯定的な回答を得られた。
- 活用編については、「わかりやすい内容だと思いましたか」、「役に立つ内容と思いましたか」、「初めて知る内容が含まれていましたか」、「満足する内容でしたか」の4項目の全てにおいて、参加者の80%以上から肯定的な回答を得られた。
- 講座参加による参加者の意識の変容を調査するため、①講座実施前、②基本編講座後、③活用編講座後の計3回の回答結果を集計したところ「スマートフォンやSNS は自治体の情報を得るために役立つと思いますか」についても、②基本編講座後から③活用編講座後にかけて「とてもそう思う」「少しそう思う」の回答割合が増加していた。
デジタルを活用した取組による成果
- 一般的なスマホ講座では、「利用意欲の低い層」「スマホを持っていない方」へのアプローチが少ないことや、スマホの「使い方や機能を教える」だけになる傾向にあることが課題である。
- 本教材では、「基本編」では実生活と関連させながら便利にスマートフォンを活用できる場面を受講者自身で考えながら学ぶことができる内容としている。また、「活用編」では休日当番医の検索や防災情報の受信などの目的に沿ったスマートフォンの操作方法を体験的に学ぶことができる内容としている。
- スマートフォンを使ってみたいという「動機付け」、どう便利に使えるのかという「便利さの体験」を経て、意欲的にデジタル活用に取り組んでもらうことを目的とする。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 本取組の特徴的な点として、以下の2点が挙げられる。
- 持ち帰り資料を作成し、継続的な学びを促す。
スマホの活用は、1度の受講で習熟できるものではなく、継続的な学びが必要である。講座受講後に、持ち帰り資料を使い、自宅で繰り返し復習をしてもらうことで、習熟度を高めることができる。 - 実施者用ガイドブックを作成することで、市民のどなたでも講師になれる。
- 持ち帰り資料を作成し、継続的な学びを促す。
- 実施者用ガイドブックでは、講座を実施する際の進行やポイントを記載している。市民の方が講師になって頂くことで、地域の中での教え合いを促進する。
成果をあげるためのポイント
教材開発の段階で、適宜実証試験を繰り返し、高齢者の方の日常生活と絡めながら、教材を作成するなど、利用者のニーズを踏まえながら、教材の練り込みを行ったことである。また、受講者の方が、自宅でも学習できるようにし、継続的に学ぶことができるようにした。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
デジタル化を行うにあたり、従来の業務フローの見直しや修正が必要になること。この点について、情報システムの担当だけでなく、業務担当課も巻き込んで、デジタル化を進めていくことが重要になる。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
他の自治体の皆様の取組も参考にさせて頂き、よりよいサービス構築ができると幸いである。
- 連携団体
- LINE株式会社、東洋英和女学院大学
- 問い合わせ
-
- 部署
- 山口市総務部デジタル推進課
- 電話
- 083-934-2991