Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
デジタルを活用した取組の全体概要
- 出雲市在宅医療・介護連携支援センター(愛称:ルピナスセンター)が、医療・介護関係者(個人)が登録するLINE公式アカウント“チームルピナス”を開設し、在宅医療・介護を担う多職種からなるチームのつながりの強化に向け、他の分野への理解を深めたり、「人」や「考え」と出会う機会の情報を提供している。
掲載情報
- 多職種に参加してほしい研修や講演会の案内
- 多職種に知ってほしい取組等の情報発信
- 連携に必要な情報サイト等の紹介(訪問看護ステーションの受入状況等)
- “チームルピナス”LINEでは、来庁や電話による相談が難しい医療・介護関係者でも、時間や場所を気にすることなく、ルピナスセンターにLINEで相談できる機能を準備した。
実施に至る経緯・動機
- 医療・介護関係者の連携により、各職種の専門知識を活かしたケアプランを作成し、その人に合った在宅医療・介護を提供していくことが求められている。中でも不安の大きい入退院時に、在宅時に関わっていた専門職と病院が円滑に連携できることは、退院後を自宅で過ごせるかにも関わる重要課題である。
- 各専門職が集まる場においては、他職種の取組が分かりにくいとか、自分たちの職種内においても、情報伝達に時間がかかり、職種ごとの団体等に所属しないと情報が受け取れないなど、情報連携手段を求める意見が多く聴かれた。
- 「第1次出雲市在宅医療・介護連携推進計画(ルピナスプラン)」(令和3年3月策定)において、市に設置する「ルピナスセンター」を結節点として、情報連携を進めることを掲げ、LINEを開設することとした。
解決する課題の具体的内容
- これまで十分でなかった医療・介護連携のベースとなる多職種の人と人とのつながりづくりに向け、一緒に参加できる研修会や他職種の取組等の情報共有を図る。市がLINEを開設し、情報発信していることが、こうした場への参加の後押しとなり、多くの参加者のつながりを生むことにも期待している。
- ケアマネジャーと医療・介護関係の多職種とのつながりを強め、ケアプランがより充実したものになれば、市民の在宅介護の不安を軽減できる。
- さらには、他の職場や職種とのつながりが少なかった若手の医療・介護関係者が、地域の中で交流し、スキルアップが図られることで、自信につながり、離職防止も期待できる。
デジタルを活用した取組による成果
チームルピナスの人数 | 484人(令和5年3月末現在) |
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チームルピナスの発信数 | 117件(令和3年11月(本格運用)~令和5年3月末) |
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 現在多くの人が活用しているアプリ「LINE」を利用することで、誰もが気軽に登録し利用できるシステムとした。
- 既存のアプリを活用しているので、多額の導入経費やメンテナンスに手間がかからない。
- 情報を投稿したい職能団体の負担軽減と情報チェックを兼ねて、市の在宅医療・介護連携支援センターが情報を受付・発信している。
- チャット機能により、時間や場所を気にせず問合せができるよう準備した。(個人情報は掲載しない。)
成果をあげるためのポイント
- チームルピナスが成果を上げることができたポイントは、現在多くの人が活用しているアプリ「LINE」を利用したことだと思う。日頃から誰もが利用しているアプリなので、気兼ねなく友達登録したり、友達を紹介したりすることができる。
- これまでは、団体に所属していないと得られなかったり、同じ業種の研修や講演等の情報しか入ってこなかったりという状況だったが、個人で友達登録をしているため、多職種の情報がダイレクトに受け取ることができるようになった。参加できる研修の幅も広がり、それぞれの専門職のスキルアップにも繋がっていると思う。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
- 市役所内でLINEを利用した「チームルピナス」のような実施経験がなかったことと、他自治体において同様の利用が少なかったことから、どのようなプロセスで進めていいのか分からなかった。市の情報政策課に相談したり、LINE連携ツールの利用方法等を確認したりしながら進めていった。
- どう登録者を増やすかというのも大きな課題であり、これまで医療介護関連団体に広く周知し、現在も機会を捉えてPRをしているが、裾野を広げるためには更に登録数を増やす必要があると思っている。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
- DX化で何をしたいかという目的やニーズを明確にすることが必要だと考える。目的がはっきりしていなかったり、一度にあらゆるニーズに応えようとすると、逆に達成が難しくなったりするので、目的や課題をDX化することで、具体的にどんなことが実現できるかを一つずつ考えていくことが大切だと思う。
- DX化を進めたときに、使いづらいシステムにならないよう、実際に使用する人達の意見を充分に聞き、誰もができるだけ簡単に利用できることも考えておく必要がある。
- 連携団体
- 出雲市内の医療・介護関係専門職団体等
- 問い合わせ
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- 部署
- 出雲市健康福祉部医療介護連携課
- 電話
- 0853-21-6906