Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
実施に至る経緯・動機
本市は平成16年の市町村合併により市域が増加し、令和2年4月時点の市道延長は約1,700km、鳥取県内の総延長の約25%を占めている。 市道の危険個所の把握や除雪の実施を判断する情報は主に職員のパトロールによるものであり、道路状況の把握から実施までに多くの時間と費用を要しており、特に本市は豪雪地帯であり、冬季の積雪は市民生活への影響が大きく、より迅速な除雪の実施や、実施状況等の情報を市民に速やかに提供することが求められている。
解決する課題の具体的内容
市道の危険個所の把握・管理の効率化
- パトロール車にタブレットを搭載し、危険個所・修繕個所の写真・位置情報等をその場でシステム登録し、修繕着手までの時間を大幅に短縮するとともに、市道の安全度が向上。(平成30年度から運用開始)
- 市民が発見した危険個所を自らスマホで撮影し通報することができるシステムを構築し、より効率的でより迅速な把握と市民と行政が協働で地域を守る体制の確立。(令和3年度から運用開始)
- 豪雨時に冠水の危険性があるアンダーパスなどへのライブカメラ設置によるリアルタイム監視の実施。(令和3年度から運用開始)
より迅速な除雪の実施や、実施状況等の情報の市民への速やかな提供
- GPSを除雪車両に搭載し地図上に車両の位置をリアルタイムで表示するクラウド型のシステムを導入し、除雪の実施場所の把握や業者への次の指示を迅速に実施するとともに、除雪業者の稼働時間をシステムで管理し、報告書の作成や職員による作業の確認などの事務を軽減。
- 除雪状況をHPに公開し冬期の安全な走行ルートの確保。
- 山間部で積雪状況の把握が困難な個所についてはライブカメラを設置。
※平成29年度から運用開始
デジタルを活用した取組による成果
市道の危険個所の把握・管理の効率化
平成29年 | 平成30年 | 令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
把握件数 | 1,043 | 1,900 | 1,722 | 1,894 | 2,695 (81)※ |
2,591 (96)※ |
修繕件数 | 844 | 1,038 | 1,088 | 1,176 | 2,532 (75)※ |
2,233 (69)※ |
※( )は市民投稿分で、全体の内数
除雪判断に要する時間
平成28年 | 平成29年以降 | |
---|---|---|
時間 | 40分 | 3分 |
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 市道の危険個所の把握・管理の効率化にあたっては、位置情報の活用による時間短縮に加え、市民が自ら危険個所を登録することができるシステムとし、市民と行政が協働で地域を守る体制を確立
- 除雪の迅速化にあたっては、ライブカメラや積雪深計によるリアルタイムでの道路状況の把握により、除雪の判断から実施までの時間が短縮され、市民の暮らしの利便性が向上
成果をあげるためのポイント
道路の状況(危険個所・修繕個所や積雪状況等)を迅速かつ正確に把握したいという市民ニーズと、道路状態の把握からパトロールの実施に係る多くの時間と費用を効率化したいという主体側のニーズの双方にwinwinとなる取組であること。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
- 主体側としては業務の効率化の取組ではあるが、財政部局との調整が必要となる。→有利な補助事業を活用して整備。
- 新たな取り組みであるため、システム面で試行錯誤して作成した。→運用後もPDCAサイクルで改良を重ねている。
- 市民を巻き込んだ取り組みとなるため、周知方法に苦慮している。→現在も苦慮している。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
様々な地域でニーズにあった課題を選別して取りくむ。
- 連携団体
- (株)バイタルリード
- 問い合わせ
-
- 部署
- 鳥取市都市整備部道路課保全係
- 電話
- 0857-30-8354
- メールアドレス
- douro@city.tottori.lg.jp