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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

IoT/ICTを活用した子供の見守り事業

和歌山県和歌山市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

見守りサービス、見守りネットワーク、安心・安全確保

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 和歌山市が事業主体となり、事業の受託者である和歌山電力株式会社とともに、希望する小学生(和歌山市立の全小学生が対象)に無料で見守り端末(位置情報を発信する笛型の発信機)を配布することで、地域の方々の見守りに加え、IoT/ICTを活用した子供の所在が把握できる環境を整備
  • 見守り端末を身に付けた小学生が、見守り基地局(市内の店舗や事業所等の固定スポットに設置)付近を通過、もしくは指定のアプリをインストールした市民(移動スポット)とすれ違うことで位置情報を記録するなど、見守りネットワークを構築。
  • 緊急時には学校、教育委員会等の関係機関へ位置情報を提供するなど、子供にとってより安心で安全な環境づくりを推進するもの。
  • 市や教育委員会のみならず、地域の事業者や市民を含めた、市全体が一体となって子供の見守りを行う事業である。

実施に至る経緯・動機

近年、子供が犯罪に巻き込まれる事件が後を絶たず、地域において子供の安全確保が急務となっている。和歌山市においても年間かなり多くの不審者情報や、未帰宅児童の捜索依頼があるなど、子供が犯罪に巻き込まれる(可能性のある)事案の件数は増加傾向にある。また、登下校時は地域の方々による見守り活動をほとんどの地域で実施してくれているが、見守りの直接的な声掛けと先端技術等を活用した見守り事業も併せて実施することで、更に子供の安心・安全につながると考え、導入に至ったもの。

解決する課題の具体的内容

  • 【実施に至る経緯・動機】にも記載のとおり、世間では、子供が犯罪に巻き込まれる事件が後を絶たず、不審者情報が年々増加し、子供たちが声をかけられるなどの課題を抱えている。また、アンケート調査によると子供の安心・安全に対するデジタル機器を活用した対策について、「あれば利用したい」「サービス内容や料金等の条件によって利用を考える」との回答率が98%に上っている。
  • こうした中で、令和3年度よりIoT/ICTを活用した子供の見守り事業を開始するなど、市全体での子供の見守りを強化することで、抑止力にもつながるとともに、地域の事業者等が自分事として捉える意識を醸成することにつながることから、安心安全な子育て環境を整備する。

デジタルを活用した取組による成果

取組のアウトプット
令和3年度 令和4年度
見守り事業の参加者数 22校
1045人
30校
1775人
取組のアウトカム
令和3年度 令和4年度
見守り事業による通報件数 0件 0件
総合的なアウトカム
令和2年度 令和3年度 令和4年度
市内で発生した不審者情報件数(参考値) 159件 123件 16件

令和4年度中に全小学区に「子ども見守り事業」の環境整備が行き届き、全ての和歌山市立小学校でサービスが開始された。少しずつではあるが、サービス内容が広がり始め、加入率も上がってきてはいるものの、まだ多いとはいえない状況である。今後も広報・啓発を行い、本サービスへの加入を促していきたいと考えている。
令和5年3月時点で51校、加入者3,753人、通報件数0件、市内で発生した不審者情報(参考値)83件

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 本事業では和歌山電力株式会社と連携し、株式会社ottaの技術協力のもと、見守りシステムが導入されたもの。
  • 本事業の見守り基地局は市内の店舗や事業所等に設置するとともに、指定のアプリをインストールした市民(移動スポット)によって見守りネットワークを構築するものであり、市全体の方々の協力によって成り立つ事業であるため、地元金融機関や交通事業者、公共機関等に協力を仰ぎ、基地局の設置やアプリの一括導入を依頼。
  • 市長による記者会見で発表するなど、広く市民の方々にPRすることで、見守り事業の周知、指定のアプリを多くの方にインストールしていただくよう促した。
  • 本事業に要する経費は市の予算が発生しておらず、民間事業者による支出と、見守り事業のオプションによる収益で賄われており、継続的な実施体制を確保している。

成果をあげるためのポイント

今回の事業を含め、多様なセクターと連携しながら事業を進めることができたため、成果を上げることができたと感じている。技術や熱意を持った事業者とともに、市民の課題やニーズを起点としながら、小さくてもいいので、より良い和歌山市、よりウェルビーイングな和歌山市を目指して取り組んできた。例えば、オンライン申請について、場所や時間を選ばないことによる市民サービス向上と内部事務作業の効率化を両立させ、DX推進の成功事例と捉えている。特に、全庁的に活用可能なノーコード・ローコードツールは、導入担当部署の想定を超えるスピードで普及している。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

これまで取り組んだ経験が少なく、どう進めていいのか、次は何をすればいいのかなど手探りで進めて来たが、デジタルツールの導入という手段を目的化することに気を付けながら、有識者や先進的な取組を行っている自治体、企業等の声を幅広く取り入れながら進めてきた。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

DXというワードは難しく遠いものに感じてしまいがちであるが、今回の事業を通して身近に実践できるものだと本当に実感した。和歌山市も少しずつ歩み始めた段階であるが、これからもDXを進めていければと考えている。

連携団体
和歌山電力株式会社/株式会社otta
問い合わせ
部署
和歌山市 学校支援課
電話
073-435-1139
メールアドレス
gakkoshien@city.wakayama.lg.jp
関連サイト
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/kurashi/bousai_bouhan_koutsu/1001076/1043586.html