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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

子どもたちが住みつづけるまち創造事業(電子書籍を活用した子育て支援拠点の構築)

京都府 福知山市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

電子図書館、来館不要、子育て支援

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

子育て世代が安心して子育てができ、人と人がつながりを持てるようなまちづくりを目指して、福知山市が「ふくちやま電子図書館」を開設して電子書籍による学びを提供するとともに、子どもたちが様々な「学び」「遊び」「体験」をする施設を複合的に配置している三段池公園において、電子書籍を利用した、子どもたちが住みつづけるまちの核となる交流拠点化を進める(子育て世代の交流、子どもたちの学びのサポートなど)。

実施に至る経緯・動機

  • 福知山市は、全国的にも高い合計特殊出生率(2.02)を維持し、子育て世代も多いことから、地域で安心して子育てができる環境を確保するため、妊娠・出産期から子どもの自立期までを切れ目なくサポートする「子育て総合相談窓口」において、時間を気にせず気軽に相談できる「子育てLINE相談」など、子育て世代のニーズに合った相談支援を行うとともに、子育て世代の交流・相談の機会を充実させる取組を進めている。
  • 市郊外にある三段池公園においては、動物園、児童科学館、植物園、体育館、武道館など、子どもの「学び」「遊び」「体験」に必要な施設を公園内に整備し、交流拠点としても市民に親しまれている。
  • 一方で、市立図書館と距離が離れており、動物園、植物園を楽しんだり、児童科学館における実験、天体観測等の体験や学習をする児童や親子などから「今見たこと、学んだことを書籍等で調べたい」とのニーズに応え切れていなかった
  • 幼児・児童・中学生向けの書籍を多数所蔵している市立図書館において、新型コロナウイルス感染対策として利用制限をする必要があり、子どもたちが読書をする機会が少なくなることが懸念されていた。

解決する課題の具体的内容

  • 児童科学館における実験教室、天体観測等などで「体験した」、動物園、植物園で「見た」新しい知識について、公園内で図書等により「学ぶ」機会を拡大した。
  • 令和4年1月に「ふくちやま電子図書館」を開設し、児童書や絵本約4,600冊の「電子書籍」を配架するとともに、初回利用登録後は、個人が所有するスマートフォン、パソコン、タブレット等の端末でシステムにログインすることで、電子書籍の貸出、閲覧及び返却といった全ての手続きを、図書館に来館することなく行うことがでる仕組みを構築した。
  • 合わせて、三段池公園内の児童科学館内にOPAC(蔵書検索端末)やタブレット型端末を導入し、今まで公園内に不足していた「図書館的機能」を提供し、子どもの「学び」「遊び」「体験」が複合的に可能な子育て支援の拠点としての機能が強化された。

デジタルを活用した取組による成果

取組のアウトプット:令和4年度
電子書籍コンテンツ導入 25,925冊
電子書籍ログイン数(利用者が子ども) 229,642回(延べ)
取組のアウトカム:令和4年度
電子書籍貸出冊数(利用者が子ども) 175,577冊(延べ)
児童書・絵本の貸出冊数 134,645冊(延べ)

いずれも、福知山市全体の成果を記載

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • タブレット型端末を活用することで、公園内の動物園、児童科学館、植物園等のフィールドワークにおけるリアルな自然体験活動と、電子書籍に登場する動植物や科学などが結び付くというハイブリッドな体験により、子どもたちの興味や知識をより深め、さらなる学びや交流へつなげる仕掛けづくりを心がけた。
  • 令和4年秋に三段池公園の総合体育館内に整備を予定している子育て支援拠点においても、紙の書籍を設置して子育て世代が気軽に読書に親しむとともに、子どもたちと一緒に楽しむことのできる電子書籍、例えば、音や動きのある絵本等を優先して取り揃え、「子どもの育ち・交流」を重点においた。

成果をあげるためのポイント

取組の中心地となった三段池公園の特徴(学習・スポーツ推進の場)を生かしつつ、市民のニーズに応えきれていなかった課題(図書館と距離が離れており、公園内で体験・学習したことを書籍等で学ぶ機会が少ないこと)を、デジタルを活用して解決するという視点で取り組んだ。
子育て世代の交流や子どもたちの学びのサポートを強化するため、子育て支援担当部署だけでなく、公園・スポーツ・図書などに関係する部署が一体となって子育て環境の整備に取り組めた。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

電子書籍、紙の書籍それぞれの良さを生かすことができ、子育て世代の満足度向上につながる仕掛けづくり。市民のニーズに応えることを念頭に、公園内の自然環境に触れながら電子書籍を活用することによって子どもたちの興味・関心を深め、学びや交流につなげる工夫を行った。また、新たに整備した公園内の子育て支援拠点において、紙の書籍に親しむとともに、親子で楽しめる電子書籍(音や動きのある絵本等)を優先して取り揃えるなどの工夫を行った。応募にあたっては、職員による推薦調書・PR動画の作成にかなりの日時を要した。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

  • 市民のニーズに合った取組であること(本事業の場合、利便性向上はもちろん、それによって子育て世代の交流や子どもたちの学びを深めることにもつながる取組であること)
  • 既存の施設や環境を十分生かしつつ、デジタルを活用することによって、課題の解決や改善、さらなる魅力向上につなげられる取組を進めること
  • 広域的な視点での取組(本事業の場合、自治体内の多部署での横断的な取組、自治体だけでなくNPO団体や企業等と一体となった取組など)
  • 継続性のある取組であること
連携団体
児童科学館、動物園、植物園、図書館、市内各小・中学校、NPO法人
問い合わせ
部署
福知山市 子ども政策室
電話
0773-24-7055
メールアドレス
kosodate@city.fukuchiyama.lg.jp