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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

もりもり筋(きん)活(かつ)&こつこつ骨(ほね)活(かつ)「骨折予防プロジェクト!」

愛知県東浦町医療・介護

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

健康づくり、安心・安全確保、介護予防

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

東浦町においては、高齢者の入院別レセプト総点のトップが骨折であることから、「転倒・骨折」の予防を医療介護分野における最優先の社会的課題に位置付け、以下に示すようなDX(Digital transformation)を駆使した「骨折予防プロジェクト」を名古屋大学、イオンモール東浦、健康体操教室ハローフレンズイノア、株式会社インターネットイニシアティブ等が協働した産学官民連携体制で展開している。

  • KDB(国保データベース)を活用した医療費の把握
    • 町全体での把握にとどまらず、小学校区別住民の骨折リスクの評価並びに分析を行っている。

    特定健診・保健指導、医療、介護保険の情報を活用し、統計情報や個人の健康に関する情報から効果的な保健事業のサポートを行うためのシステム

  • 「電子@連絡帳」(在宅医療介護連携システム)の活用
    • 愛知県内48自治体で医療・介護情報を共有できるICTネットワークを活用して主に介護対象者の医療・福祉・生活情報を共有して転倒・骨折予防への助言や指導を発信している。
    • 骨折が介護区分の重度化にも強く関与していることを、「電子@連絡帳」等で収集されたデータを用いた名古屋大学のAI分析で見出し、個人を対象とした骨折予防方針(運動、食事、睡眠等に対するリテラシーの向上)を発信している。
  • 「骨折予防プロジェクト」の広報と普及
    • コロナ禍、集まることや施設ないし自宅から出ることが難しくなっている高齢者やその他の住民を対象に広報紙・ホームページ・Twitter等による事業紹介を行っている。
    • コロナ禍、住民の「転ばないカラダづくり&丈夫な骨づくり」のために、自宅でもできる「東うらうら体操」のPR動画による普及やWeb選手権の開催、さらにはYouTube配信を行い、広く住民に周知されるようになってきている。

実施に至る経緯・動機

東浦町では、65歳以上の入院費用総額の第1位が「骨折」で、要介護となる原因疾患としても常に上位になっている。そのため転倒予防のための運動、骨を強くする食生活の改善、元気力向上大作戦等の事業を令和2年度から実施し、全住民の「転ばないカラダづくり&丈夫な骨づくり」を支援している。

解決する課題の具体的内容

  • 解決すべき医療介護分野における社会的課題を「転倒・骨折」とし、その予防に向け、以下のような取組を実施している。
    • 住民の現状評価・分析などを名古屋大学に依頼し、関連企業とも連携して骨折予防プロジェクトを実施している。
    • 「筋活・骨活」をキャッチフレーズに、子どもから高齢者までを対象に「食」「運動」「睡眠」「美容」の4つをテーマに既存の保健事業を紐づけて新たな取組につなげている。例えば、「食」では骨折予防レシピコンテストの実施。選ばれたレシピを保育園給食で提供し、園児を通じて保護者に骨折予防メニューを周知することで、家庭でも取り入れてもらうように働きかけている。「運動」では、世代を超えて一緒に楽しめる運動として「東うらうら体操」の普及をYouTube配信、Twitter等のデジタルツールを活用して進めている。
    • 電子@連絡帳の情報を広域で共有し、町内外かかりつけ医等との連携が可能となっており、適宜助言をいただいている。

デジタルを活用した取組による成果

電子@連絡帳の活用(R5.3末現在)
電子@連絡帳の患者登録数 294人
電子@連絡帳の登録施設数 130
電子@連絡帳の利用者数(支援者数) 275人
電子@連絡帳の累計記事数 11,754件

特に、介護事業所においては利用が定着し、順調に記事数が増えている状況。

町広報等の活用
東うらうら体操PR動画YouTube再生回数 6,862回(令和4年6月7日現在)
Twitter等年間配信数 随時配信

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 電子@連絡帳を活用して、町内の医療機関・福祉関係者・行政担当者らの連携を推進するとともに、患者やサービス利用者等の情報共有を通して研修等にも役立てている。
  • 東うらうら体操PR動画作成の際には、地域に出向き、地域の人々でつなぐ体操動画を作成した。YouTubeにアップすることで、若い世代にも気軽に見ていただくことができ、住民に対する認知度を上げることができた。

成果をあげるためのポイント

特別なシステムを使わず、近隣市町と情報共有しながら進められるようにした点と、産学官民の多様な立場の方と協力した点である。もともと公民連携協定を行っており、ご協力いただける地盤があった。ご賛同いただいた町内事業者の方から、イベント時の場所の提供や啓発物品の提供を行っていただいたり、名古屋大学の教授の方から事業にご助言いただいた。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

電子@連絡帳導入時、医療機関や介護事業所に中々受け入れていただけなかったが、諦めず、丁寧な説明を続けることで、徐々に受け入れていただくことができた。また、近隣市町でも同様のシステムを導入していたことで、身近に感じていただけたのではないかと思う。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

最初はご理解いただけなくても、根気強く説明を続けることが大切だと思う。

連携団体
名古屋大学、イオンモール東浦、健康体操教室ハローフレンズイノア、株式会社インターネットイニシアティブ
問い合わせ
部署
健康福祉部ふくし課
電話
0562-83-3111(代表) (内線126)
メールアドレス
fukushi@town.aichi-higashiura.lg.jp
関連サイト
https://www.town.aichi-higashiura.lg.jp/soshiki/fukushi/hokatsucare/gyomu/zaitakuiryou_kaigo/tasyokusyu/1496052106889.html#h_idx_iw_flex_1_3