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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

電子地域通貨「さるぼぼコイン」を活用した、行政サービスの向上及び地元企業の支援

岐阜県飛騨市中小企業

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

地域通貨、キャッシュレス決済、職員負担軽減、新型コロナウイルス感染症対策

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

飛騨市が、電子地域通貨「さるぼぼコイン」を活用して、行政サービスの向上及び消費喚起策を実施。

実施に至る経緯・動機

地域金融機関である飛騨信用組合が2017年12月に電子地域通貨「さるぼぼコイン」のサービスを開始。域内経済の循環を目的とした当サービスに対し、飛騨市はスタート段階から積極的に応援し、さまざまな分野で活用をすすめる。

解決する課題の具体的内容

  • 窓口手数料や施設使用料等へのさるぼぼコイン決済の対応による行政サービスの向上。
  • 国実施の特別定額給付金や子育て世帯臨時特別給付金を、域外で消費させることなく地元での消費を促すよう、給付金の支給に併せてさるぼぼコインのポイントを上乗せ付与するプレミアム電子地域通貨事業を実施。
  • 新型コロナウイルスの拡大により打撃を受けた、観光業や飲食店、タクシー事業者への消費を喚起するため、さるぼぼコインを使ったポイント還元販促キャンペーンを実施。
  • さるぼぼコインアプリのプッシュ配信機能の活用による情報発信力強化。

デジタルを活用した取組による成果

取組のアウトプット
飛騨市プレミアム電子地域通貨事業
(プレミアムポイントの引換券を飛騨市民全員に配布)
大人20% 子供34%
飛騨市まるごと応援セール
(売り先を失った観光土産品の販売セール)
20%ポイント還元 参加店舗数
31店舗/3回延べ
飛騨市まるごと大売出し
(地域消費喚起セール)
20%ポイント還元 対象店舗数
399店舗/3回延べ
飛騨市子育て応援キャンペーン
(プレミアム電子地域通貨の発行)
15%プレミアムポイントの引換券 子育て世帯3,038件に配布
取組のアウトカム
飛騨市プレミアム電子地域通貨の販売実績 販売額
181,984,000円
付与ポイント
47,303,360ポイント
飛騨市まるごと応援セールの実績 決済額
6,231,796円/3回計
還元ポイント
637,020ポイント/3回計
飛騨市まるごと大売出しの販売実績 決済額
180,556,828円/3回計
還元ポイント
34,511,683ポイント/3回計
飛騨市子育て世帯応援キャンペーンの販売実績 販売額
78,850,000円
付与ポイント
11,827,500ポイント
総合的なアウトカム

飛騨市民の約4人に1人がさるぼぼコインユ―ザーとなっており、地域に浸透したアプリとなっている。(ユーザー数は飛騨信用組合推定)

令和2年4月30日 令和4年4月30日現在
飛騨市内の加盟店舗数 210店舗 364店舗

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 行政側(飛騨市)は開発コスト、運用コストは0で利用でき、一方金融機関側(飛騨信用組合)では流通額の増加、新規顧客の獲得につながるため、地域に根付く組織同士でWIN-WINの関係が築けている。また、加盟店の開拓やユーザーの獲得は普段から取引がある飛騨信用組合が実施するため、利用者が広がりやすく、また、お年寄りに対しても丁寧に説明するため、高齢者の利用も多い
  • プレミアムポイント事業は、紙のプレミアム商品券と比べ発行コストが段違いに低く、かつ、商品券の枚数を数える等の必要がなく事務手間の省力化が図られる。
  • 計画から実行までがデジタル上で完結するためスピードが速い。
  • データ収集が容易であるため、利用データの分析や活用がしやすい。
  • 買い回り促進のために、買い物した店舗数に応じてボーナスポイントを付与する特典も実施している。
  • さるぼぼコインアプリのプッシュ配信は、無料で使用でき、ユーザーに幅広く届くため宣伝効果が高い。
  • さるぼぼコインアプリのプラットフォームは、岐阜県が実施している「ぎふ旅コイン」に利用され、県全体の取組にも波及している。

成果をあげるためのポイント

地元企業が開発・運営をしている社会貢献度が高いサービス、システムを行政サービスとして活用したところにある。企業としては自社のサービスをビジネスとして成功させる必要があるため、行政主導で行う事業や行政や関連企業と合同で行う事業と異なり責任があり主体的に動いてくれる。また、行政が活用することで、企業としては信頼を得ることができるし、地域内でのサービス普及を図ることができる。一企業の取り組みだからというだけで行政として活用しないのでなく、市民が恩恵を受けられるものは積極的に活用したことがポイントにある。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

さるぼぼコインは地域金融機関(飛騨信用組合)が運営しているサービスのため、行政がやりたいことに対し、飛騨信用組合が協力してくれるかの調整が必要であった。ただ、基礎自治体と地域の金融機関(信用組合)は共に「地域のために働く組織」であり、さるぼぼコインの目指すビジョンも共有できたため、一部開発費用のことやさるぼぼコインの仕様などで折り合いがつかないことがあるが、概ねスムーズに各種事業を実施することができた。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

DX化に限った話ではないが、各地で人口減少により地域の活力が少なくなっていく状況を、地域の企業がなんとかしようとその企業の強みを生かして、社会貢献性の高いが事業が行われていると考える。一企業の取り組みだから、失敗するかもしれない先のみえない取り組みだからという理由で行政として活用をストップするのでなく、一度行政で使えるものでないか考え、投資に近いものもあるかもしれないが早い段階で活用することでよい施策が生まれるかもしれない。

連携団体
飛騨信用組合
問い合わせ
部署
飛騨市企画部総合政策課
電話
0577-73-6558
メールアドレス
sougouseisaku@city.hida.lg.jp
関連サイト
https://www.city.hida.gifu.jp