Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
デジタルを活用した取組の全体概要
- 小菅村は、地域の物流にドローンを活用。物流倉庫「ドローンデポ」に地域の荷物を集約して地域物流を最適化。すべての荷物をドローンで運ぶのではなく、多量・重い荷物は車が運び、少量・軽量の荷物はドローンが運び、物流を効率化。
- 小菅村は村内に商店(小売り店)が2店舗しかなく住民は日々の買い物に不便を感じている。この地域物流の仕組みに、買物代行サービスを加え、地域の買物課題の解決を進めている。
実施に至る経緯・動機
- 小菅村は、ピーク時の人口から1/3に減少し、人口減少対策として、小菅村地方創生総合戦略では、高齢者や子育て世代の買い物の支援・強化が急務としている。
- そこで、令和2年11月12日に、エアロネクストと連携協定を締結。 協定では、ドローン配送導入による農業・観光・産業・経済の振興や地域雇用等を位置付け、協定に基づき、令和3年4月にドローン定期配送を開始し、買物代行サービスを開始した。高齢者のみならず、忙しい子育て世代の利用も増えている。
デジタルを活用した取組による成果
- ドローン配送件数 298件
- お買い物代行件数 933件
※2023年5月16日時点
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 陸送とドローンを組み合わせて地域の物流を最適化しているため、ドローンが飛べない強風時は陸送し、配送の信頼性を確保。
- 物流各社の荷物を「ドローンデポ」に集めた共同配送も実施し、地域の物流全体を効率化。ドローン配送単体では、法規制等により採算制実現まで時間がかかるが、効率化した地域物流の一部をドローンが担うことで、トラック運転手不足を解消し、地域で採算を確保する。
- 買物代行のデータを蓄積し、「ドローンデポ」にあらかじめ在庫をストックすることで、注文から最速30分で配送するドローンによるオンデマンド配送を実現。
成果をあげるためのポイント
企業と自治体の協力によるスピード感のある事業展開ができたことがポイントだと考えている。エアロネクストと小菅村の連携協定は両者が出会ってから約2ヶ月で実現した。エアロネクストが実現したい事業と、小菅村が解決したい地域課題のすり合わせを行い、住民へドローン配送の説明会を重ね、協定後約半年でドローン配送とお買い物代行のサービスを開始している。
また住民に合わせて注文の取り方を、スマホ注文と電話注文を用意することで、住民に使いやすいサービスにしたこともポイントである。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
住民へのドローン配送の理解や、ドローンの離着陸場所付近の住民への協力を得るのに力を入れた。物流用のドローンは住民が想像する一般的なドローンより遥かに大型なので、実物を何度かテスト飛行させて住民に見てもらう機会を設けた。
また住民の不安となる墜落のリスクや騒音などに対しても丁寧に説明を重ね、理解を得られるよう進めていった。
ドローンの離着陸地点の選定は、ドローンの離着陸に関わる制約と土地の所有者の理解の両方を解決する必要があり特に大変であったが、こちらも丁寧に説明することで進めることができた。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
企業と自治体がいかに協業できるかが重要になってくると考える。自治体の住民からの信頼を活かしつつ、企業のスピード感のある事業を後押しすることで、素早く地域の課題解決に取り組んでいけると考えている。
また企業も現場となる地域に深く入り込み、住民との対話をしていく中で、住民の信頼を得ながら、事業展開をしていくとよいと考えている。地域住民は環境が変化することに対する理解に時間がかかることもあるが、それでも丁寧に説明し理解を得ながら事業を進めて欲しい。
- 連携団体
- セイノーホールディングス株式会社、株式会社エアロネクスト、株式会社NEXT DELIVERY
- 問い合わせ
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- 部署
- 小菅村役場 源流振興課
- 電話
- 0428-87-0111