Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
自動運転「ZEN drive」による移動サービスの省人化
福井県永平寺町交通・物流
実施に至る経緯・動機
2016年度の経産省・国交省による自動運転の実証地域公募の採択を受け、2020年度まで5年間の実証を行う。2020年度に、国内初となる自動運転レベル3、車内無人による移動サービスの実用化を達成。
解決する課題の具体的内容
- 1人の遠隔監視者が最大3台の自動運転車両を同時運用することで、ドライバ人件費の抑制が見られた。
- 自動運転技術が国内に定着していくに先立ち、当町での取組みが制度的課題の整理、社会的受容性の調査について一定の役割を果たした。
デジタルを活用した取組による成果
取組のアウトプット
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
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1日当たり利用者数 | 24.6人 | 63.9人 | 14.2人 | 9.9人 |
※2020年度12月から実用化して有償運行。
※2021年度はコロナ感染症の影響あり。
取組のアウトカム
2020年度以前 | 2021年度から | |
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ドライバの省人化(車両3台の同時運行時) | 遠隔監視者(運行管理者)1人、ドライバ3人 | 遠隔監視者(操作者)1人、ドライバ0人 |
自動運転レベル3の達成により、運行に係る人件費を4分の1に抑制。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
- 本取組みで採用している自動運転技術は、電磁誘導線方式である。最先端の技術ではないが環境適応性や堅牢性に優れ、コスト面も含めて社会実装を進めていく上で有為な技術である。
- 遠隔監視により車内のドライバレスを達成している。これにより、1人の監視者が複数台の自動運転車両を運用することが可能となった。
- 運行ルートは、自転車・歩行者との共同空間を走行する公道であり、センサーによる人の検知およびすれ違い時の車両制御をシステムにより行っている。
- 天候、路面状況、緊急車両の接近等、自動運転の運行条件をシステムが判断し、自動的に運行を中止できるようにしている。
成果をあげるためのポイント
住民ニーズの把握と、首長のリーダーシップが大きいと考える。デジタル化を目的とせず、必要に応じてアナログとの共存も視野に取組を行った。DX推進自体を目的とするのではなく、住民の方々の課題が先にあるということを意識し、課題の解決策としてデジタル化が効果的な場合はデジタルを利用する、という点がポイントである。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
地域が導入できるコスト、維持できるコストの中でデジタル技術を選択していく必要があり、コストと利便性のバランスを取ることは苦慮した。国の支援やメーカーの協力は必要であり、最終的にはデジタル技術を必要とする住民の声がないと導入は難しいのではないかと考える。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
まずは課題ありきだと考える。課題の解決に対しDXの導入が有為であれば、スムーズに進展すると思われる。
- 連携団体
- 産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、三菱電機、ソリトンシステムズ、まちづくり株式会社ZENコネクト
- 問い合わせ
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- 部署
- 総合政策課
- 電話
- 0776-61-3942
- メールアドレス
- seisaku@town.eiheiji.fukui.jp