デジ田 メニューブック DIGIDEN MENUBOOK デジ田 メニューブック DIGIDEN MENUBOOK

Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

福井市地域コミュニティDX推進事業

福井県福井市誰一人

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

スマホ教室、デジタルデバイド対策、高齢者に向けたデジタル活用支援、地域コミュニティ機能強化

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 地区住民の誰もがデジタル技術の活用に不都合を感じない環境を整える。また、デジタル技術等を活用し、地域コミュニティにおける担い手の確保や日常生活上の課題解決を図る。 (具体的な取組)
  • 市内48地区(小学校区)の中で、高齢化率が最も高い「殿下地区」をモデル地区に設定。以下の取組を通じ、環境づくりに取り組む。また、得られたノウハウについては他地区に横展開を図る。
    • デジタル機器に関する講習会の実施
      殿下地域住民を対象としたスマートフォン活用についての講習会を実施
    • 地区内デジタルサポーターの養成
      デジタル機器の利活用について、地区内で相談できる体制の検討
    • 自治会業務のデジタル化
      自治会における連絡体制等にLINEなどを活用し、業務の効率化を図る。
    • 日常生活のデジタル化
      自治会業務にとどまらない、日常生活上のデジタルサービスの活用を検討
      (例)コミュニティバスと各種施設のサービス連携、オンライン診療、オンライン見守り等
    • その他
      地区住民が自発的にデジタルサービスの活用について自発的に学ぶ勉強会などの開催

実施に至る経緯・動機

  • 新型コロナウイルスのワクチン接種が高齢者を対象として優先的に始まった際、オンライン予約の方法がわからない高齢者が福井市役所の窓口に殺到し、約5時間待ちの行列ができた。
  • 上記の出来事を直接の契機として、行政としてデジタルデバイド対策が急務であるという認識を持った。

解決する課題の具体的内容

  • 地区住民がスマートフォンなどのデジタル機器の使用に不安を感じないような環境づくり
  • デジタル技術等を活用した、自治会活動やその他日常生活上の課題解決(医療、交通、買い物、コミュニケーション等)

デジタルを活用した取組による成果

  • 具体的な取組は本年度からであるため、数値的な成果はなし。
    (参考・R3年度の活動実績)
  • ハッカソンイベントの開催(11/27,11/28)
  • 地域プロジェクトマネージャーの任用(12/15)
  • 地区住民に対するアンケート調査の実施(1月)
  • 殿下地区でのスマートフォン講座の試験的実施(3/20)
    令和4年度の主な実績
  • 殿下地区でのスマホ教室の開催(計14回、152名参加)
  • 地区住民による自主勉強会の開催(5回、48名参加)
  • 殿下地区自治会連絡網LINE公式アカウント運用(113人)※人口約380人

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 住民主体のまちづくり活動に取り組む小学校区・自治会連合会区単位の地域コミュニティをフィールドとしており、住民との連携が比較的取りやすい。
  • 総務省の地域プロジェクトマネージャー制度を活用し、全体統括としてプロジェクトマネージャーを1名配置しており、地区、行政、企業などとの円滑な連携に寄与している。
  • 具体的なデジタル技術の活用については、既存の技術を単に導入するのではなく、福井県と連携して実施したハッカソンイベントでのアイデアなども参考に、地区が求める技術、解決したい課題を深堀しながら活用を検討している。

成果をあげるためのポイント

本事業は、令和4年度に市内モデル地区で行った活動を基に、令和5年度に活動範囲を市内全域に拡大し、市内全域の地域住民のデジタルリテラシー向上、デジタルデバイド解消に取り組むものであるため、現時点で明確な成果を挙げているとは言い難いものであると考える。ただ、「デジタル化」を目的ではなく手段としてとらえ、「スマホ等のデジタル機器の活用について自分たちの生活に落とし込んで必要性を考え、関心のあるサービスについては自分たちで学びあい支えあいながら活用できるようにするという考え方を浸透させる」という、新たな価値観を地域に根付かせようという考え方は、デジタルを無理なく地域に取り入れるにあたって効果的な発想であると考えている。また、モデル地区に住んでいる地域おこし協力隊OBを「地域プロジェクトマネージャー」として配置することで、地域と行政との円滑なコミュニケーションが可能となっている点も効果的な事業の実施に寄与している。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

こちらについても、施策としてデジタル化を展開している部分は多くはないが、ハッカソンのような様々な関係者を交え地域課題の洗い出しを行い、官民連携プラットフォーム等を通じて当該課題解決に向けた解決策についてご提案をいただいたり、意見交換を重ねたりする中で、本当に必要なデジタルサービスについて検討をしている段階である。適切なサービスを見つけるため、また、地域の課題を適切に言語化するため、様々な形で情報を発信し、より多くの方と意見を交わすことが重要であると感じている。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

繰り返しにはなってしまうが、「デジタル化」を目的ではなく手段としてとらえ、地域の中にどのような価値(DXのXの部分)をもたらしたいのかを明確にしていくことが重要なのだと思う。「デジタル化」ありきなのではなく、地域にとってどのようなことが望まれているのか、現場に入りながら行政や企業、地域住民といった関係者を交えて議論し、考えていくことが本当に効果の見込める施策展開につながっていくのではないだろうか。

連携団体
福井県、殿下地区自治会連合会、出前講座実施団体(入札にて契約予定)
問い合わせ
部署
福井市総務部未来づくり推進局まち未来創造課
電話
0776-20-5230
メールアドレス
machi-m@city.fukui.lg.jp