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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

マイカーを活用した共助型公共交通 ノッカルあさひまち

富山県朝日町交通・物流

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

共助型公共交通、公共交通ネットワーク整備、スマホアプリ活用、マイカー乗り合い

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 住民同士の助け合いの気持ちをデジタルによって可視化し、ドライバーの外出予定と利用者の移動ニーズをマッチングする。住民のマイカー移動を活用し、外出促進/くらしの質向上を図る朝日町の新しい公共交通サービス。

実施に至る経緯・動機

  • 高齢化の進展とそれに伴う運転免許返納者数の増加により、公共交通ニーズは一層高まる中、民間バス路線は深刻な人口減少と運転手不足によって相次いで廃止。既存のコミュニティバスとタクシーのみでは十分な移動需要に応えられず、利用ニーズに適した移動手段確保は長らく地域の重要課題として位置付けられていた。
  • 最小限の財政コスト・既存資源の活用を前提に新たな移動サービスを模索する中、全国トップレベルの自家用車依存度を逆手に取った〈マイカー乗り合い〉という発想に辿り着く。

解決する課題の具体的内容

  • 住民には古くから地方特有の互助精神が根付き、“ついで送迎”の原型は形成されていたが、乗る側には「無償送迎への気兼ね」、乗せる側には「事故への懸念」と、双方に心理的ハードルを抱えているのが実情だった。
  • この根底にある助け合いの気持ちをデジタルによって具現化。令和元年度にドライバーの外出予定(マイカーの余白)と移動ニーズをマッチングさせる仕組み〈ノッカルあさひまち〉を構築し、住民同士の共助で成り立つ新しいモビリティサービスとして始動した。
  • 14ヶ月の実証実験を経て、令和3年10月にはコミュニティバスと並ぶ朝日町の正式な公共交通サービスに移行。移動の選択肢が充足したことで町内の移動総量が増加し、既存交通+αとして令和3年度に828人(10月以降)が本サービスを利用。外出機会創出に起因する町の賑わいづくり、コミュニティ活性化にも寄与している。

デジタルを活用した取組による成果

取組のアウトプット
  • コミュニティバス運行本数:令3年度10,492回(43回×244日)
  • ノッカルあさひまち設定本数:令3年度(10月以降)10,893回 21,385回
取組のアウトカム
令元年度 令2年度 令3年度
公共交通利用者数 27,841人 19,929人 20,999人

3年度末で町内唯一の高校が廃校→マイナス要素がある中で利用増を実現

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 住民がドライバーとなり、車両は住民のマイカーを使用することで、人的リソースと物的コストを最小限に抑えた仕組み。
  • (株)博報堂の参画によってプロフェッショナルなIT人材活用が可能となり、デジタルに不慣れな町民も使いやすいUI/UX設計を実現した。また、保守管理業務を同事業者へ委託し、サービスの安定性を確保している。
  • 地元交通事業者である(有)黒東自動車商会へ運行管理/予約管理を委託することで、民業との共栄を図りながら安全・安心な事業運営を実現している。
  • 本取組におけるデジタル活用では、ステークホルダー別に最適なアプローチ手法を採用。交通事業者向けの運行管理システム(WEBブラウザ)、ドライバー向けのスマートフォン専用アプリ、ユーザー向けにはLINE予約と、各者に馴染みやすいよう創意工夫している。LINE活用の背景には、コミュニケーションツールとしての浸透性と開発コストの低減を図る狙いがある。
  • “誰一人取り残さない”視点から、バックエンドはシステムによって効率化/最適化を図りつつ、対ユーザーにおいては電話予約も採用するなど、あえて完全デジタル化を強要していない。
  • ドライバー負荷軽減を図るために事前予約制を採用。定期的な外出予定を基本シフトとし、予約があった場合のみ運行が発生する。専用アプリ上で便単位の運行可否も申告できる仕組みで、都合が悪い場合は別のドライバーへ代理運行を依頼できる機能も備えており、負担なく参画できるよう工夫している。
連携団体
富山県朝日町、(株)博報堂、(有)黒東自動車商会
問い合わせ
部署
朝日町 商工観光課
電話
0765-83-1100
メールアドレス
syouko@int.town.asahi.toyama.jp
関連サイト
https://town.asahi.toyama.jp