Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
LINE公式アカウントを市のもう一つの窓口に
富山県魚津市誰一人
デジタルを活用した取組の全体概要
- 魚津市では令和3年4月に、市民に最もなじみのあるアプリの一つであるLINEに公式アカウントを開設し、新型コロナワクチン接種予約や居住地区別のごみ収集日の通知、各種行政手続や証明書のオンライン申請など生活に便利な多くの行政サービスを提供している。
- このうち、証明書のオンライン申請は、住民票の写しや税証明などの証明書について、窓口への来庁を必要とせず、JPKIを用いてマイナンバーカードで本人確認を行い(LINEをプラットフォームに実装したものでは全国初の取組)、手数料の支払いまでもLINE上で完結できるもので、コンビニ交付と合わせて、市民のライフスタイルに合わせた行政サービスの提供を実現している(マイナンバーカードの普及とオンライン手続の推進のため、令和5年3月まで証明書の交付に係る郵送料を無料としている)。
- また、令和3年6月から毎月「初心者・高齢者向けスマホ教室」を2回開催している。その中で魚津市LINE公式アカウントの取組を紹介することにより市のデジタル化の取組及び生活に便利なサービスをより多くの方に知っていただくきっかけとしている。
- 上記の一連の取組により、「マイナンバーカードの普及促進」及び「行政手続きのオンライン化」を推進するとともに、「誰一人取り残されない」社会の実現に寄与している。
- なお、令和3年4月の本格運用開始後、わずか1年で市民の四分の一を超える1万人以上が魚津市LINE公式アカウントに友だち登録している。
実施に至る経緯・動機
総務省から2020年12月に示された自治体DX推進計画の重点取組事項である、「マイナンバーカードの普及促進」、「行政手続のオンライン化」に対して、すべての年代で幅広く活用されているLINEに着目し、LINEを通して各種行政サービスを提供することが最も効果的な方法の一つであると考えたため実施に至った。
解決する課題の具体的内容
- デジタル化による行政サービスの向上という課題を解決するためには、「行政手続きのオンライン化」は重要な取組の一つである。各種行政手続や証明書のオンライン申請については、JPKIを用いてマイナンバーカードで本人確認を行う。さらに手数料決済もオンラインで完結する仕組みを採用することにより、「行かない・書かない・待たない」オンライン行政サービスの提供を実現している。
- また、マイナンバーカード利用用途を拡充することで「マイナンバーカードの普及促進」という課題解決にも寄与するものと考えている。
デジタルを活用した取組による成果
証明書のオンライン申請等件数
計89件(令和3年12月21日~令和4年4月5日)
住民票の請求 | 税証明の請求 | 転出届の申請 | 戸籍の附票・印鑑登録証明・独身証明・身分証明の請求 |
16件 | 20件 | 30件 | 23件 |
証明書のオンライン申請等の利用年齢層
10代~70代(最高75歳)
LINEを利用したオンライン申請の満足度調査
98%(51人中50人)が便利だと感じたと回答
初心者・高齢者向けスマホ教室参加人数
延べ250人以上(計20回教室開催)
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
あらゆる人がデジタル化の恩恵を享受できる、誰一人取り残されない社会の実現に重要なのは、誰が見ても迷わないUI・UXだと考える。この点、市民に最もなじみのあるアプリの一つであるLINEを使用することにより、あらゆる人が迷うことなくデジタル化の恩恵を享受することができると考える。また、初心者・高齢者向けスマホ教室の中で、魚津市LINE公式アカウントの取組も紹介することにより、市のデジタル化の取組を多くの方に知っていただくきっかけとしている。
成果をあげるためのポイント
魚津市では、デジタルを用いてより便利な行政サービスを提供するため、常に住民目線で考えることを心掛けている。それはDX推進計画の策定から、システムの選定、サービスの提供方法や利用案内に至るまで常に意識していることである。
また、デジタル化によって収集したデータ等を活用して、サービスの改善や新しいサービスの提供に繋げている。実際にサービスを開始してから気付くことが多々あるかと思うが、それらは住民サービスの向上にとても役立つと考えている。
デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法
デジタル化の実施に当たっては、複数の部署が横断的に関係するケースが多く、全体の調整や意思決定に多くの労力がかかる。この点、当市ではDXの施策の方針決定や進行管理を行うため、庁内横断的な組織であるDX推進本部を設置しており、DX施策のスムーズな進行に寄与していると考えている。
また、通常業務で多忙な部署に新しい技術を導入することは当然負担もかかる。担当部署に対して「住民の利便性を向上させたい」という熱意を伝え了解を得るとともに、できるだけ担当部署に負担のかからないようサポートすることが重要だと考える。
今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス
サービス利用者から直接「便利になった」というお言葉を頂戴したことがあるが、それまでの努力が報われ、とても感慨深かったことを覚えている。DXの推進に当たっては本当に多くの苦労があると思うが、実際にサービスを利用する方のことを思いながら取り組めば必ずいい結果に繋がると信じている。DXの考え方が職員に浸透するには時間がかかる上、全ての取組が成果をあげられるわけではないかもしれないが、必ず前に進んでいるはずであるので、できることから取り組んでいこう。
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