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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

粟島遠隔テレビ電話診療事業及び救急現場iPad活用推進事業

新潟県粟島浦村医療・介護

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

遠隔医療、離島振興、安心・安全確保

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 平成12年に、新潟県岩船郡粟島浦村にある粟島へき地出張診療所は、対岸の新潟県村上市にある村上総合病院とテレビ電話回線で結ばれ、村上総合病院の医師による粟島島民への遠隔テレビ電話診療が開始になった。
  • 遠隔テレビ電話診療は、粟島浦村に発生した救急患者に対しては24時間態勢で行われ、慢性疾患に対する定期的なテレビ電話診療は恒常的に週に2,3回のペースで行われており、多くの島民に利用され、喜ばれている。
  • また、無医村で、島内ではすぐに医師が現場に駆けつけることが不可能なため、救急現場(例えば、患者宅等)にiPadを持ち込み、当村診療所と村上総合病院、あるいは村上市消防本部を結び、画面を通して患者の状況等を各ユニットが把握することで、共通認識のもと情報共有が図れるよう取組を推進している。

実施に至る経緯・動機

  • 昭和34年に医師の辞任によって無医村となって以来、粟島浦村の医療過疎は極めて深刻なものとなった。体調を崩し、医師の診療を望んでも、荒天で汽船が欠航すると本土の医療機関への受診は不可能となり、疾患の発見や治療がおくれ、生命に関わる事態に発展することも稀ならず見られた。
  • こうした医療事情を改善しようと、平成12年、粟島浦村が村上総合病院に要望し、粟島へき地出張診療所と村上総合病院をテレビ電話回線で結び、村上総合病院の医師による粟島島民のテレビ電話診療が開始になった。
  • テレビ電話診療は、気象条件に左右されず、汽船の欠航時にも随時行うことが可能で、これまで多くの島民がその恩恵に浴し、多くの命と健康が守られてきた。
  • さらに、社会のデジタル化により、当村でもiPadの使用が可能となったことで、画面を通した救急救命士としての判断や言葉では伝わりにくい現場での活用を推進している。

解決する課題の具体的内容

  • 村民が安心して住み続けられる医療体制の持続的な構築が必要である。
  • 患者の状況等を伝えるには言葉だけでは限界があり、伝え方によっては三者三様の取り方をしてしまう恐れがある。また、スタッフ側の意思統一が図れず、的確な情報が伝わりにくく、対応や処置の遅れが心配された。

デジタルを活用した取組による成果

  • 本取組を行うことで粟島浦村の島民は、緊急時に24時間体制で村上総合病院の医師の診察を受けることができ、緊急度が高い場合は村上総合病院などの医療機関にヘリコプター等で搬送されるなど、早い段階で適切な診療を受けることができるようになった。
  • また、悪天候で汽船が欠航するなどの悪条件下でも、慢性疾患の管理が受けられ、島にいながらにして健康を維持し、管理することが可能になった。
  • なお、iPadの活用については、統一的な意思疎通が図られ、迅速な対応や処置が可能となった。
平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度 令和3年度
遠隔テレビ電話診療による診療延べ人数 1,031件 939件 852件 784件 807件 857件

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 24時間体制の緊急テレビ電話診療と、週に2~3回恒常的に行われる定期テレビ電話診療によって、粟島島民の命と健康は不断に守られるようになった。
  • また粟島へき地出張診療所で採血を行うが検査は行えないため、村上総合病院へ検体を送付している。粟島へき地出張診療所に血液検査検体の処理を行うための遠心分離装置を置き、処理したうえで検体を村上総合病院の検査室に送ることによって、島民は島に居ながらにして慢性疾患の管理を受けることも可能となった。直近では電子カルテも導入し、書類の確認や保存などが効率的になったため、テレビ電話資料の際に、医師が患者さんの状態をより把握しやすくなった。
  • さらに最近は粟島へき地出張診療所の看護師が患者の超音波検査を行い、画像を病院の医師に転送して疾患の診断につなげるなどの試みも行われている。
  • 村上市消防本部には、当村から積極的に出向き、活用を訴えるなどし、現在に至っている。

成果をあげるためのポイント

一昨年、海底光回線が敷設し、離島の本村で公衆無線LANとWi-Fiが使えるようになった。アナログから光への変換により飛躍的に速度が早くなった事で、デジタル活用の気運が高まった。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

本村は、昨年度のデジタル田園都市国家構想交付金でマイナンバ-カード連携機能の採択を受けて、本年度事業を行う。採択に際して【横展開】が必須であるので、各自治体やNPO等からの24時間365日で対応する体制を取っている。

連携団体
粟島浦村、新潟県厚生農業協同組合連合会村上総合病院、村上市消防本部
問い合わせ
部署
粟島浦村 総合政策室
電話
0254-55-2111
メールアドレス
machida@vill.awashimaura.lg.jp
関連サイト
http://www.vill.awashimaura.lg.jp/