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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

利用者と地域と行政をつなぐデジタルコミュニケーションの実現

千葉県市原市教育・子育て

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

都市OS、プッシュ型通知サービス、地域コミュニティ機能強化、子育て支援

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

  • 市民と地域、行政をデジタルでつなぐ、ホームページを中核としたコミュニケーションツールを整備。
  • 個々人の興味、関心といった属性に応じて、ホームページの更新情報をプッシュ型で届けるサービスのほか、学校と保護者、行政と町会の連絡、親子手帳をデジタル化したサービスの提供を開始。

実施に至る経緯・動機

  • 本市が実施した市民意識調査では、2人中1人が必要な情報を入手できていない、4人中3人が市ホームページを利用しないとの結果。
  • どんなに良いサービスでも、その人にとって重要な情報でも、利用してもらえない、知ってもらえないものでは意味がなく、このような状況に強い危機感を持ったのがきっかけである。

解決する課題の具体的内容

  • 日々、市は大量の情報を発信しているが、その中から自分が必要としている情報を探す、見つけるのは大変である。これが必要な情報を入手できていない原因だと考えた。
  • そこで、市の情報発信の中核を担うホームページを刷新する中で、利用者の方の興味、関心などといった、いわゆる属性情報を添えてID(ユーザ)登録いただくことで、利用者の方に必要な情報をプッシュ型で配信できる仕組み(デジタルコミュニケーション基盤:DCP)を整備。
  • また、市が提供する様々なサービスをこのDCPと連携させ、ひとつのIDでどのサービスも利用できるようにすることで、利便性の向上を図るとともに、ユーザの獲得を図った。

※1:ID登録がなくてもホームページは利用いただける
※2:利用者の方の同意により、はじめてサービス連携される

デジタルを活用した取組による成果

  • DCP及び連携する各種サービスでは順調にID登録数が伸びており、令和5年1月末時点で35,900名の方が登録。
    図書館システム連携 令和5年3月稼働、 学童コミュニティ 令和5年3月稼働、地域ポイントサービス 令和5年4月稼働
  • また、連携するサービスの利用状況は以下のとおりとなっている。
    • 学校コミュニティサービス(登録者数:18,000)
      学校と保護者間の欠席やクラスの連絡をデジタル化
    • 地域コミュニティサービス【試験運用中】(登録者数:600)
      市から町会への連絡、町会活動や町会内の連絡をデジタル化
    • 電子親子手帳サービス (登録者数:1,000)
      子どもの成長記録や定期予防接種に係る予診票・接種記録をデジタル化
    なお、学校コミュニティサービスの開始後、教育・子育てに関する興味関心が上昇しており、子育て世代への情報発信力が強化できたと考える。
興味関心の動向イメージ 令和3年7月 令和4年4月
防災・安全 17% 15%
年金・税金 11% -
急病・医療 11% 11%
イベント・地域活動 10% -
教育 6% 11%
観光 6% -
子育て 5% 10%

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • このDCP及び連携サービスは、「いつも使い」するサービスをコンセプトとし、子どもの成長にあわせて利用ができるよう、電子親子手帳、保育所等との連絡サービス(予定)、学校コミュニティサービスを展開し、子育てに関して一貫したサービスが提供できるよう工夫。
  • 地域コミュニティ活性化の視点としては、町会回覧の電子化など、町会向けのサービスを展開。
  • また、新しい取組として、ホームページに利用者が自由に投稿できるつぶやき機能となる「VOICE」を導入し、リアルタイムで「まちの声」を発信している。行政の施策への率直な意見や要望も寄せられ、迅速なサービス改善等にも活かしている。
  • なお、このDCPはいわゆる「都市OS」で、市原市に限定されることなく、連携サービスを含めて他団体でも利活用可能であり、全国の行政サービスの向上に資するものと考えている。
  • 将来的には、団体間でのサービス連携や観光情報の連携など、自治体を跨いだ情報サービスの提供により、様々な団体がそれぞれの魅力でデジタルサービスを提供するといった全国的にオープンな取組として展開されることを期待している。

成果をあげるためのポイント

市民の「いつも使い」するサービスをコンセプトとし、子どもの成長にあわせた利用が可能となっていることから、利用者のニーズにマッチしたことで、利用促進につながったと推測できる。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

押印廃止や帳票類の統合などBPRに基づくデジタル化はシステム担当部署のみでは実施することは困難である。そのため、庁内関係各課で組織する業務改革に関する部会を設置し、課題解決を行った。

今後DX化に取り組む自治体等へのアドバイス

DXはデジタル技術を導入することが目的ではなく、結果として生産性の向上や市民サービスの向上を図るための手段の一つである。AsIs ToBeをしっかりと見極めることが大切である。

連携団体
アクセンチュア株式会社
問い合わせ
部署
市原市 総務部 情報政策課
電話
0436-23-9806
メールアドレス
jousei@city.ichiahara.lg.jp
関連サイト
https://www.city.ichihara.chiba.jp/