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Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。

浸水センサー等を活用した安全・安心のまちづくり

秋田県秋田市防災

実施年度

Digi田甲子園 2022夏

取り組み事例キーワード

河川管理、冠水・氾濫状況の見える化、安心・安全確保

関連タグ

デジタルを活用した取組の全体概要

秋田市が、大雨による冠水の発生が頻繁な地区に対して、浸水センサーやカメラ、メール通信設備を含めた監視装置を活用して安全・安心なまちづくりを実施している取組。

実施に至る経緯・動機

平成29年7月・8月、平成30年5月に起きた豪雨では、市内の多くの箇所で浸水被害が起き、特に、南部地域の古川流域の住宅街では、数百件もの床上・床下浸水が発生した。治水のための整備拡充はもとより、地域住民に対して、浸水状況や避難行動など適時適切な情報提供を行うとともに、通行止めの措置など職員の迅速な対応に繋げる施策を構築することとした。

解決する課題の具体的内容

  • 令和3年度に事業を実施した大住地区は、大雨による浸水被害が多発している古川流域の中でも特に対策が急がれる地区。
  • 地区住民の安全・安心な生活を確保するためにも、道路冠水と河川氾濫状況の見える化を図り、住民に対して、注意喚起や現況を的確に伝達するとともに、通行止めなど市の迅速な現地対応に繋げる有効な手段を構築する必要があった。
  • 工事概要
    • 道路:センサー等設置工事
         警報ランプ・サイレン、ネットワークカメラ、冠水警報ユニット等
    • 河川:河川カメラ設置工事
         河川カメラ、量水標設置、通信ユニット等
  • 冠水・氾濫状況の見える化
    • 光による警報 → 警報ランプ点灯
    • 音による警報 → 警報サイレン吹鳴
    • 映像による警報 → ネットワークカメラによるライブ映像配信
    • メール自動配信による警報 → 配信先:市関係課所室、配信希望者(町内会長等)

デジタルを活用した取組による成果

取組のアウトプット
  • 監視装置の整備地区数(冠水常襲地区):令和3年度~令和7年度(1地区/年、計5地区)
  • 監視装置の整備地区数(地下道):令和4年度(5カ所)、令和5年度(予定:6カ所)、令和6年度(9カ所)
  • 工事竣工は令和4年3月のため、令和4年4月末日までに稼働実績なし。
  • 今後、見える化による映像やメールの配信にあたり、沿線住民の受信環境が整っているか、また、どのような情報が必要なのかなど、市民ニーズを踏まえたうえで、地区住民との合意形成を図っていく予定。
  • 平成29年7月の豪雨では、大住地区において129戸の浸水被害が発生しており、町内会長等をはじめ浸水被害にあった居住者などを対象に映像やメールの配信登録者数を増やしていく。
  • 令和3年度に浸水センサー等を整備した地区では、工事竣工後、道路冠水には至っていないものの、浸水センサーがこれまで3回の水位上昇を検知し、警報ランプ・サイレンによる注意喚起と併せて、配信登録者へのメール自動発報がなされている。

本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点

  • 冠水・氾濫状況の見える化にあたり、警報の種類を光、音、映像、メールの4種類とし、多様なニーズに対応可能なシステムを構築した。
  • 整備には多額の事業費を要するため、特定財源として緊急自然災害防止対策事業債(充当率:100%、交付税措置:元利償還金の70%)を活用した。

成果をあげるためのポイント

近年、大雨による浸水被害が多発化するなか、国・県・市が連携しハード整備を進めているが、完成まで長い期間と多額の予算が必要となっている。
浸水センサー等を設置した地域では、浸水被害や道路冠水に対して地域住民の防災意識の醸成がなされていたこともあり、道路冠水状況等の見える化を図った本事業について周知を図ったことにより、多くの地域住民から道路冠水情報に係るメールの自動配信の申込みがあった。

デジタル化を実施するにあたり、苦労した点と対応方法

デジタル化全般の話として、デジタル化を進めるに当たり、インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できない者に不利益とならないよう配慮する必要がある。
こうしたことから、本市では、デジタル化を市民の選択肢を増やす手段として位置づけ、旧来の手続等も残しながら、デジタル化による手続等を進めることとしている。

問い合わせ
部署
秋田市デジタル化推進本部
電話
018-888-5491
メールアドレス
ro-hqdx@city.akita.lg.jp