Digi田甲子園の事例を中心に、
デジタルを活用した地域の
課題解決や魅力向上の優れた
取組をご紹介します。
愛と誇りに満ちた住民の安心・安全を守る
「AI(愛)サイ(佐井)ボード」ネットワーク構築事業
青森県佐井村誰一人
実施年度
Digi田甲子園 2022夏
取り組み事例キーワード
デジタルインフラ整備、高齢者に向けたデジタル活用支援、デジタルデバイド対策
デジタルを活用した取組の全体概要
村内全域に敷設済みの光ファイバーケーブルを活用し、簡単な操作で多くの情報を配信・受信できるタブレット情報端末機(AIサイボード)を全世帯に配備し、役場から配信する新型コロナウイルス感染症などを含む災害情報や地域情報を住民がリアルタイムで受信できることとなった。また、令和4年3月からは、家庭と家庭を繫ぐサービス(テレビ電話機能)の提供も可能となり、外出を控えなければならない状況下においても孤独感の解消に役立てている。今年度は「Saiチャンネル」と称し、更なる安全・安心、快適なむらづくりを進めるために、ライブ配信機能の充実を図っていく。具体的な機能としては、村議会のライブ中継や村長から住民に向けた生配信など、リアルタイムで行政や議会の情報を住民と共有できる環境づくりに取り組んでいく。また今後は、本システムを活用し、学校休校時における家庭でのデマンド(リモート)授業やテレビ電話による遠隔診療の他、高齢者の見守り事業、保健師による健康相談など、Face to Faceで行政サービス対応が可能となることから、これらソフト面での機能を充実させ、地区・世帯間の格差なく住民の安全・安心を守る情報提供システムの構築を進めている。
実施に至る経緯・動機
村が整備した光通信網が既にあり、役場と家庭をつなぐ域内ネットワークが構築されていたが、今回の新型コロナウイルス感染症拡大による国の緊急事態宣言下において、様々な情報をリアルタイムで住民に伝える手段や学校休校時における児童・生徒の学力の維持など、多くの課題が浮き彫りになった。このことから、域内ネットワークを活用して役場と村内の全ての家庭や学校と家庭を繫ぐ手段として、タブレット端末の全世帯配備に至った。
解決する課題の具体的内容
- タブレット端末を利用し、以下の機能を実現することで、地域情報の共有という課題を解決することができた。
- また、遠方の親族からのメッセージも動画等で受け取ることもできるようになった。
- 各種地域情報の配信
- 社会福祉協議会による高齢者の見守り
- 村のホームページの閲覧
- 「広報さい」「議会だより」の閲覧
- 動画ライブラリ
- メッセージ機能
- フォトアルバム
- テレビ電話機能
- 交通情報
デジタルを活用した取組による成果
- タブレット利用率による情報共有の成果
常時利用と1か月以内の利用率は82.7%(2022年5月2日現在)と高利用率を維持しており地域情報の共有を実現できた。 - メッセージ機能による遠方の親族との情報共有の成果
毎月6人から10人の利用がある(のべメッセージ数は30から50件)。親族とのコミュニケーションも特段の操作なしで行える機能により、今後さらに増えることが期待できる。 - 見守り機能による成果
日々の見守りにより、数件、重症に至る前に発見することができた。 - テレビ電話による成果
社会福祉協議会のサポートにより、コロナ化で面会に親族に会えない、施設の入居者と親族がテレビ電話で話をすることができた。
本取組の特徴的な点やデジタルの活用において工夫した点
AIサイボードの配備にあたっては、高齢者が多いこともあり、タブレット端末を操作することに苦手意識を持っている住民が多かったことから、住民に寄り添ったサポート体制が必要不可欠であった。このことから、配付前には地域住民に対する説明会を複数回開催した。また、以前の端末ではメンテナンスや問合せは役場やメーカーが対応しており、時間的にも経済的にも非効率的なサポート体制であった。今回は、この反省点を生かし地元の業者を育成し、村が開催する住民説明会への参加や保守業務を担ってもらっている。このことから、地域住民に寄り添った対応が、ネットワーク社会への順応を着実に進めている。
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