国家公務員 CAREER GUIDE

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防衛装備庁
栗原 一樹
Kazuki Kurihara
所属:防衛装備庁艦艇装備研究所水中対処技術研究部無人航走体連携研究室
略歴:理工学部電子工学科 博士後期課程修了。平成28年4月に防衛装備庁へ入庁後、艦艇装備研究所システム研究部水上艦艇システム研究室へ配属。その後、同研究所研究部の水中対処システム研究室を経て、現在に至る。大学時代では数値解析を主としていたが、フィールド試験ができる環境で研究したいという想いから自身の専門と違う分野へチャレンジ。現在は国防のための最先端技術の開発に従事している。
気象庁
堀口 桂香
Keika Horiguchi
所属:気象庁気象研究所 火山研究部第三研究室 研究官
略歴:理学研究科・宇宙地球科学専攻 博士後期課程修了。大学院修了後、産業技術総合研究所 地質情報研究部門/活断層・火山研究部門深部流体研究グループ 特別研究員、京都大学大学院理学研究科付属 地球熱学研究施設の研究員を経て、平成30年4月より現職。「防災の面で今生きている人たちの為になるような研究」を軸に研究に従事しており、大学院・研究員時代に培った専門性を活かし、選考採用により気象庁へ入庁。
農林水産省
助川 洋平
Yohei Sukegawa
所属:農林水産省大臣官房政策課技術政策室技術調査班 課長補佐
略歴:理工学部・応用生物科学 卒業 公共政策学教育部修了。平成21年4月に農林水産省に入省後、環境省水・大気環境局土壌環境課土壌モニタリング係、農林水産省大臣官房国際部国際経済課TPP/WTO交渉チームを経て米国ミネソタ大学大学院へ留学し技術経営学を学ぶ。留学後に同省同部の国際機構グループ国際専門官を務め、現職に至る。
文化庁
伊藤 久美
Kumi Itou
所属:文化庁文化財第一課文部科学技官
略歴:文学部東洋・日本美術史専攻 博士後期課程単位取得満期退学。大学院修了後、奈良国立博物館学芸部アソシエイトフェロー(学芸員)を経て、平成30年4月より現職。大学院・学芸員時代は仏教美術史の研究に従事し、その専門性を活かして選考採用により文化庁へ入庁。現在は国宝・重要文化財に指定されている絵画に対して保存・活用事業を支援、また未指定の絵画に対して調査研究を重ね、新たに重要文化財に指定する業務にも従事している。

携わった技術が国防に繋がる
スケールの大きな研究開発

国家公務員を志望したきっかけや理由を教えてください
栗原

学生時代は研究室に籠って数値解析を行ってきたこともあり、フィールド試験を伴うような、社会に与える影響力も含め、自分が今まで見たことの無いような大きなスケールの研究に漠然と魅力を感じていました。防衛装備庁の事を知ったのは博士後期課程の1年目の時です。偶然、防衛装備庁のパンフレットを目にする機会がありまして、輸送機、先進技術実証機など、インパクトのある写真に目を奪われたことを今でも覚えています。その時に初めて防衛装備庁でモノづくりやその性能評価のための試験を中心としたスケールの大きな研究を行えることや、他ではできない研究が数多くあることを知りました。その後、研究設備が見学できるツアーがあることを知り、参加させていただいたのですが、大水槽という規格外の研究設備が目の前に現れた時には、もう感動を覚えました。自分の未知未踏の世界が広がっているここで研究がしたいと思い、志望しました。

大学院での研究テーマについて教えてください
栗原

近赤外光を用いたヒトの脳機能イメージングを研究していました。ヒトの頭部に近赤外光を照射すると、光は散乱を繰り返して拡散します。頭表へ拡散反射した一部の光を光ファイバ・プローブで受光し、光量変化を計測することで、脳活動に付随した血液量変化を捉えることができます。例えば、言語だったら脳機能のこの部分、運動だったらこの部分というような感じです。最終的には精神病等の診断技術への応用を考えていました。これまでは専門医が患者に対して問診をするのですが、定性的な診断結果がどうしても出てきてしまいます。この技術を用いれば、定量的な判断が可能になり、専門医や患者の負担も軽減されると考えています。大学院では、特にヒト頭部内での光の拡散を正確にシミュレーションするための有限要素法やモンテカルロ法による光伝播解析、脳活動の様子を画像化するための逆問題解法を行っていました。

今携わっている業務について教えてください
栗原

UUV(Unmanned Underwater Vehicle:無人水中航走体)のモジュール化と信頼性向上を目的とした、大型UUVの研究試作に取り組んでいます。将来的に人手不足が危惧されている中で、UUVに限らず無人機というのは水上、陸上、航空に関しても重要な技術として期待されています。その中で、我々はこのUUVを大型化し、多目的かつ複雑な任務に使えるようなものに展開していきたいと、今考えています。長期間、人のいないところで活動しなければならない無人機を想定した場合、何かトラブルがあった時に自律的に対応しなければならない高度な知能と技術が必要になるんですが、宇宙分野の研究と親和性が高かったりします。そういった分野外の専門家の方々の話を聞いて情報収集などもしています。先駆者がいない状況は大変ではありますが、非常に面白い仕事だと感じています。現在は設計段階のため、契約している会社での設計や製造のハンドリング、審査等のための書類仕事が業務の中心です。また、比較的規模の小さい事業については、自分の手を動かして研究を行える時間を作るようにしています。

艦艇装備研究所:大水槽

国家公務員の仕事のやりがい・魅力
栗原

自分が携わった事業で、実際にモノが出来上がるのが一番のモチベーションであり、やりがいを感じます。初めて水槽試験に携わって試験していたモデルの船が今年の秋冬に進水することになっています。船という規模からステークホルダーももちろん多いのですが、多少なりとも自分が携わったモノが形になって進水していくというのは感慨深い気持ちになると思います。また、我々にとって唯一のユーザーは自衛官、特に海上自衛官の方々になるのですが、携わった技術が国防に繋がり、社会に貢献していけるというのは、ここでしか出来ない魅力です。現在取り組んでいるUUV事業を含め、数年単位の長いスパンで行われる事業では目の前の業務にとらわれてしまいがちですが、できるだけ長い視点を持って、研究試作品の完成をイメージし、その後部隊に配備されて、どういう風に使われていくのか、UUVの運用イメージを持ちながら業務に取り組むように心がけています。

研究成果が防災や減災に還元される
社会への貢献度の高さ

国家公務員を志望したきっかけや理由を教えてください
堀口

今の仕事を知ったきっかけは、前々職の上司からの「堀口さんのやってきたこととマッチしているし、もし興味があったら挑戦してみては?」という電話でした。それまでは、行政からの依頼に対して調査研究をするような、いわゆる受託研究に携わっていたのですが、行政からの依頼と研究者の理想の間でどうしてもズレみたいものを感じていたんです。どうしたらもっとお互いの気持ちを理解できて、より良いものに変えられる仕事が出来るかなって考えていました。でもここでの仕事なら、行政と研究者の間に入って橋渡しできるんじゃないかって。また、これまで取り組んできた地震や火山に関する研究内容とも親和性が高いですし、学生の頃から大切にしてきた「防災の面で今生きている人たちの為になるような研究」も実現できるので、この仕事をやりたいと思いました。応募時は前職の任期がまだあり、焦って職探しをしていたわけではなかったのですが、こういった専門性が活かせる公募はいつもあるわけではないので、すぐに応募しました。

大学院での研究テーマについて教えてください
堀口

大学院では地震の発生メカニズムに関して研究をしていました。私が研究していた当時、地震の発生には流体が深く関与していると示唆されていたのですが、その流体の指標となるヘリウム同位体比を観測することで、地震に関与しているであろう流体の移動、分布、上昇域、上昇経路について調査・研究していました。また、地震波トモグラフィという地球の内部構造を調べる手法があるのですが、この地震波トモグラフィの研究をしていた他の研究者の研究結果と私の調査したマッピング結果とを比較することで相関性を調べるといった融合研究も積極的に行っていました。今研究している火山とは研究対象が違っていると感じられるかもしれませんが、地震も噴火も地球深部由来の流体が大きく関与しているので、実は親和性が高いんです。

今携わっている業務について教えてください
堀口

実際に山に登って、噴気孔から出てくるガスをセンサーで観測して解析することで、火山活動の監視・予測に役立てるための研究を行っています。もちろん火山の観測って危険が伴うので複数人で一緒に山に登って観測をすることが基本となります。チームとしては3人でやっていて、それぞれ違う方法で観測しているのですが、目的は同じなので、お互いに相談し合いながら取り組むことができます。それぞれの研究がもっと良いものに出来るんじゃないかとか、自分の取ったデータと他の方のデータとを比べてみて精度を確認したりとか、大学の研究室に近い雰囲気で議論ができる環境です。もちろん、新しいことにチャレンジしているので、日々トライ&エラーもありますが、これまでの研究で培ってきた研究の取り組み方や火山化学・地球化学・火山物理といった知識をベースに取り組んでいます。このテーマに携わってまだ2年目なので、火山の噴火予測への道のりはまだまだですが、まずは火山活動の活発化の傾向を察知して入山を規制する為の指標などに活用出来るようになったらいいなと思い日々励んでいます。

国家公務員の仕事のやりがい・魅力
堀口

自分の研究成果が、人の命に関わるといった意味では責任も大きいですが、他の研究機関の研究職に比べて社会に直接的に還元されて、防災や減災に役立てることができるというのは、社会への貢献度も非常に高く、私にとって大きなやりがいのある仕事だと感じています。また、実際に働いてみるまでは、国家公務員の研究職は、もう少し行政寄りの仕事がメインになるのかなと思っていたのですが、研究をバリバリとさせていただいているんですね。その一方で、「行政と研究者の間に入って橋渡しをしたい」という当初の希望についても、今後本庁で行政の仕事に本格的に携わらせていただけると聞いているので、とても楽しみにしています。研究を十分にやらせていただいている上で、そういった行政の仕事にも携わらさせていただけるというのは、私の想いに非常にマッチしていて大きな魅力の一つだと感じています。

様々なステークホルダーと協力して
社会の一翼を担う

国家公務員を志望したきっかけや理由を教えてください
助川

学部生の時は生物学を専攻していて、基礎研究に従事していました。でも基礎研究って人の役に立つまでには10年、20年という期間で研究し続けていく必要があるんです。その中で、一つのことを追求し続ける研究者となるよりも、色々なものに携わりながら、より社会に近いところで仕事をしたいという想いが日に日に強くなっていきました。とはいえ研究開発や技術に関してはすごく興味を持っていたので、複数の研究を支援できるような仕事を探していました。もちろん民間でいうコンサルタント職であれば、色々な分野に携わり、技術を学んで、自ら提案していけるような仕事もできるかなとは思いました。しかし、より深くステークホルダーとして関わっていけるという点、予算や事業担当としての裁量の大きさから、国家公務員の方が強く技術開発や研究開発に携わっていけるんじゃないかと考え、今の仕事を選択しました。

大学院での研究テーマについて教えてください
助川

大学院では農用地の転用規制というテーマで研究に従事していました。当時、農地の規模拡大が進まないのは何故だろうっていう問題意識が自分の中にあって、その理由の一つに農地の転用規制があるんじゃないかと考えたんです。農地の流動化が妨げられている理由を自分なりの視点で調査していましたね。実は入省後に留学する機会をいただきまして、「Improving Effectiveness of Government-funded R&D Programs」というテーマで研究をしていました。留学のきっかけは入省後に携わっていた民間実用化研究促進事業というプロジェクトになるのですが、これは民間企業の技術開発を支援しながら、得られた利益の一部を国庫に納付してもらうといった事業になります。でもこれが中々思い通りにいかず、技術開発におけるマネジメントに大きな課題を感じていました。もっと本格的に勉強したいと考えた私は留学を決め、留学先では「どういう風にR&Dをマネジメントしていけば、農林水産省の研究開発事業で良い成果が得られるか、またその成果が市場に繋がっていくか」という観点からリサーチペーパーをまとめさせていただきました。

今携わっている業務について教えてください
助川

業務の中心はスマート農業実証プロジェクトになります。もともとのきっかけは2013年に立ち上がった「スマート農業の実現に向けた研究会」だったのですが、令和元年から本格的に実証が始まりました。これまでに研究開発プロジェクト等を通して様々な技術が開発されてきました。例えばロボットトラクタとか、自動水管理システム、リモコン式の草刈り機などです。この開発してきた技術を実際に現場へ導入して生産者の方に使用してもらった場合、技術面の効果がどうなのか、そして経営面の効果がどうなのかを実証してもらうための事業を始めています。現在は148地区で実証中なのですが、1年目が終わった段階の成果や進捗はどうなっていって、では2年目はどういう計画で進めていくのかといった状況を確認しながら、適宜助言して、より良い方向へ繋げていく、という業務に従事しています。

国家公務員の仕事のやりがい・魅力
助川

社会変革の一翼を担うことが出来ることですね。例えば、今携わっているスマート農業実証プロジェクトでは、生産者、企業、大学、研究開発機関が参画する形で実証を進めているんですが、自ら起こすということではなくて、色々なステークホルダーと一緒になって、新しいことにチャレンジして、それを世の中に還元していけるっていうのはすごく魅力的なところだと感じています。ロボットトラクタやドローン等による超省力化、各種データに基づく生産管理による収穫量・品質の向上など、21世紀の新しい農業を形作る第一歩を踏み出したところと考えていて、そこに携わることが出来たのは本当に幸運だと感じています。また、国際交渉や環境省への出向など、本当に全く別の分野の仕事も経験することができます。こういった色々なものにチャレンジして、自分の成長が実感できるというのも国家公務員の魅力の一つだと考えています。

国宝や重要文化財を守り
日本の文化を未来へと継承していく

国家公務員を志望したきっかけや理由を教えてください
伊藤

文化庁の仕事を知ったきっかけは大学在学中なんです。というのも、大学の先輩が研究職で文化庁に転職をされまして、その時に初めて文化庁にそういう仕事もあるんだなと知りました。でも当時は、博物館という空間や仏教絵画の世界に強く惹かれてましたし、研究というか考えるという作業が好きだったので、夢であった学芸員になることを目標に研究に打ち込んでました。今の仕事を意識したのは学芸員になってからです。文化庁の調査官と絵画の修理の現場などで一緒に仕事をしていく中で、博物館だったらその博物館の所蔵品とか、その博物館がある地域が中心になってしまうんですけど、地域に縛られない文化庁の仕事の規模の大きさに改めて気づいたんです。また時間が経つに連れて、日本全国の文化財を真摯に守っていくその姿に強い憧れを持つようになっていました。

大学院での研究テーマについて教えてください
伊藤

大学院では仏画や仏像といった仏教美術作品の歴史を考える、仏教美術史を研究していました。特に、鎌倉時代に作られた、僧侶の肖像画や絵巻を研究対象にしていました。仏教美術史に興味を持ったきっかけは博物館での出会いだったのですが、当時の私にとって、仏教美術は一見して何が書いてあるのか分からない作品も多く、自分が知識を得ないと理解できないような世界がそこに広がっているんじゃないのかという魅力を感じたんです。実は国宝や重要文化財になっている作品でさえ、宗教的・歴史的背景が不透明な部分がまだまだ多いんです。何故そんなに美しく描くのかとか、その形が何を意味していて、どういう風にその絵が描かれているかを、絵画に使用された材料・技法や先行作品・文献と比較することによって、その作品にどういう意味が込められているのかを調査研究していました。

今携わっている業務について教えてください
伊藤

国宝や重要文化財に指定されている絵画に対して、管理するのはもちろんですが、修理や公開といった保存・活用事業を支援したり、「これはどうして重要文化財になっていないんだろう?」って思うような価値のある未指定の絵画に対して、新しく重要文化財に指定することも主な業務の一つです。有識者の先生方が集まる専門調査会で審議してもらう必要があるのですが、3人の絵画部門の調査官がチーム一丸となって日々調査研究と資料作成を行っています。そういった意味では、大学の研究や学芸員時代に培った知識や経験は大いに役立っていると感じています。ただ、行政的なことはほとんど勉強してこなかったので、すごく勉強する必要がありました。今もそうなのですが、行政的に作品をどう守ることができるのか、ということを日々勉強しています。その他にも、絵画について日々寄せられる様々なご相談に、一つ一つ応えたりすることが多い環境ですので、絵画はもちろん、文化財全般に関する自身の研究を怠らず、見識を深めていくことも重要な仕事の一つです。

国家公務員の仕事のやりがい・魅力
伊藤

国の行政に直接携わって働いていけること、そして社会に与える影響力の大きさがこの仕事のやりがいだと感じています。全国の国宝や重要文化財と出会うことができ、それらを保存・活用していく業務に直接携われる仕事は他にそうありません。もちろん、先人たちが伝えてきた極めて貴重な文化財の価値を守り未来に継承していくことは、決して容易ではありませんし重責を覚えることもありますが、その分達成感も大きくやりがいへと繋がっています。また、未指定の絵画を新しく指定する業務では、状態が良くないものに出会うことが少なくありません。それが所有者の方や、地元の職員の方々の協力のもと、国庫補助事業により修理をすることが決まった時は、この職業に就けて本当に良かったと強く実感する瞬間です。国宝や重要文化財を陰ながら必死で保護していく裏方仕事ではありますが、そのような役目にこそ、大きな誇りと魅力を感じています。

今回対談に参加した職員以外にも、各府省の技術系分野で活躍している先輩の姿を多数紹介しています。
技術系職種ガイドや各種データも掲載していますので是非御確認ください。

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