国家公務員 CAREER GUIDE

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子どもからの感謝の手紙に魂が揺れ動いた
「環境ではなく、その先の人を守る」

高校生の頃からぼんやりと「人のためになる仕事がしたい」と考えていましたが、国家公務員を明確に意識し始めたのは大学3年生のとき。農学部で森林科学を専攻しながら、今は当たり前のように享受している森林資源の恩恵を今後も受け続けるには、森林を適切に管理しなくてはならないと知りました。一方で、日本の森林管理は国の制度設計によって大きく左右されます。日本の森林に携わるためには国家公務員になるのがもっとも効果的だと考えたのが、志望したきっかけです。また、国家公務員は、民間企業の先進的な取組を参考にして補助金のスキームを構築したり、制度を作ることで企業などに一定の方向性を持たせたりと、他の業種に比べ「踏み出す一歩」が大きいことも魅力に感じました。かつ、その一歩は利潤追求といった局所的な最適解を求めるものではなく、公益性の高い方向へ踏み出されます。このことは、国家公務員を目指そうと思った大きな要因のひとつです。
環境省が担うミッションにはもともと惹かれていましたが、特に官庁訪問でのできごとが心に突き刺さりました。除染を担当する職員に「これを読んでみて」と1枚の紙を差し出されたのです。それは、子どもが環境省に宛てて書いた手紙のコピー。「除染のおかげで、外で遊べるようになった」という内容と、感謝の旨が幼い字で書かれており、魂を揺さぶられるような思いがしました。その職員から「僕たちは環境ではなく、その先にいる人を守っているんだ」と言われた一言が深々と胸に刺さり、環境省で働くことを決心しました。

以前、国立公園関係の各種調整に関わったことがあります。国立公園とは、優れた自然の風景地の保護と利用の増進を目的として国が区域を指定するもの。区域内では、一番規制が強い特別保護地区から順に、第一種特別地域、第二種特別地域、第三種特別地域、普通地域と分けられます。グラデーションのように規制を適用させて自然を保護するのです。国土の約5%を占める国立公園の中には、息をのむような雄大な自然環境が広がっています。素晴らしい自然を守るため、適切な規制は欠かせません。一方で、利用者を増やすため、一定の事業も必要。さらに、有名な火山などは国立公園に指定されていることが多く、熱源の近くでもあるため、地熱発電などの再生可能エネルギーを公園内で推進する動きもあります。これらの観点から、国立公園にかかる各種調整はまさに、自然環境と経済活動の両立を巡る調整。非常に難しく、大変に重要な任務です。当時はとりまとめ課だったため、実際に自然公園法の運用に関わってはいませんが、現地で国立公園行政の最前線に立っていた担当者から話を聞きながら各種調整をするのは大きなやりがいを感じました。同時に、まさに環境省らしい仕事だと感じられたものです。
四季折々の姿を見せる豊かな自然は、多くの日本文化を発展させました。現在進んでいる温暖化をそのままにすれば日本の四季はなくなり、四季を楽しむ文化そのものが衰退するかもしれません。地球環境を守るグローバルな観点からも、文化を後世に伝えていくためにも、今後は温暖化という大きな課題に取り組んでいきたいです。

折口 直也

ORIGUCHI Naoya

環境省
大臣官房総務課
平成27年入省
【総合職大卒試験(経済区分)】
平成28年12月1日時点

現在は省の司令塔とも言える「大臣官房総務課」に所属。省外からの案件を省内に適切に割り振るとともに、環境省としてやりたいことややるべきことを他省庁に伝えるための重要な役割を担っている。また、「大臣官房秘書課」「大臣官房総務課政策調整室」も併任し、新卒採用や、復興関係の施策のとりまとめなどを担当。仕事の目標は「日本の豊かな自然を引き継ぐ」こと。人生の夢は、楽しい家族を持って素敵な家庭を築くことだという。