国家公務員 CAREER GUIDE

各省庁・リンク
ページ一覧
はしごを伝って川におりる。細道続く山を登る。
現場にはいつも発見があります。

私の所属している会計検査院は、一般の方にはあまりなじみのない役所かも知れません。みなさんは「納めた税金は、どこでどのように使われているのだろう?」と疑問を抱いた事はありませんか?それをみなさんに代わり確認しているのが私たちです。会計検査院は、税金が適正にかつ有効に使われているかをチェックする機関。各省庁で事業の基本的な考えや制度設計を聞いた上で、実際に全国の現場へ足を運び、進捗や現状をこの目で確かめています。私は地方出身で、地方都市の発展に貢献したいという思いをずっと持っていました。地元に残って働くという選択肢もありましたが、こういう形で地方の発展に関わっていけると知ったことが、会計検査院を志したきっかけです。
いくら良い政策を作ったとしても、実際に見込んだ効果が出ていなければ全く意味がありません。ひとつひとつの政策をきちんと機能させるために、チェック機関は大きな役割を果たしています。また、会計検査院は内閣から独立している機関であるため、特定の府省に影響を受けないというのも大きな特徴ですね。検査に基づいて、正しいことを正しいと胸を張って言えるこの仕事に誇りを持って働いています。

現在私は国土交通省の河川事業やダム事業の検査を担当しています。これらの事業は、豪雨による洪水や土砂災害、地震による津波など、国民の安心・安全に直接関わるもの。それだけに、万が一工事に適切でない箇所があったり事業の整合性が取れていなかったりすると、いざという時に事業の役目を十分果たすことができません。当然、私たち調査官が担う責任も大きく、いつも緊張感を持って取り組んでいます。確認作業には一切妥協はありません。状況によっては、はしごを使って川まで下りたり、車が入れない狭い場所には山道を歩いて現場に向かったりします。実際に行ってみると、図面上ではイメージできなかったことが腑に落ちたり、工事をする段階では想定できなかった不具合などを発見できたりする。現場に立たなければわからないことがたくさんあります。私自身は経済学の出身で土木に関わるのは初めてだったため、当初は工事の内容さえわからず、歯がゆい思いをしたこともありました。今では自分なりの観点を持てるようになってきましたが、それでも一番大切なのは一国民としての視点を持つことだと思っています。幅広い知識や大局的な視点ももちろん大事なのですが、理解できないことや納得できない点を見逃さず、率直に質問を投げかけるよう心がけています。

田中 香織

TANAKA Kaori

会計検査院
第3局国土交通検査第3課
平成24年入省【Ⅰ種経済区分】
平成28年12月1日時点

実地検査では、一日のほとんどを作業着で過ごし、多い月には2週間ほど出張に出ることもある。自然との関わりが深いため、想定していなかった事態になることも多い河川事業。その際の原因究明の見極めが河川事業における検査の難しさだという。今後は、民間事業者への補助金の検査や社会保障の分野も手がけたいと語る。