ブックタイトルイクメンパスポート2018

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イクメンパスポート2018

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イクメンパスポート2018

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洋上で子どもの出産を知る隊員たち
 1人目の隊員は、半年間の遠洋練習航海中の洋上で、奥さんの出産を知りました。同様に2人目の隊員は、洋上で奥さんの妊娠を知りました。航海中は、電波が届かない又は規則により電子機器の使用が制限されているため、隊員は基地内の家族支援室を経由して、家族からの連絡を受けます。
 海上自衛隊では風習に則って、航海中に隊員の奥さんが出産された場合、「○月○日何時何分、○○隊員に長男誕生。体重○○グラム、母子ともに健康、おめでとう」と艦内放送が流れます。厳しい訓練の中、全員が笑顔になる瞬間です。
家族を守ることは、国を守ること
 今回育児休業を取得した2人には、奥さんが大変な時に、一緒に居られず申し訳ない気持ちと、初めての子どもなので育児に参加して、奥さんのサポートをしたいという共通した思いがありました。復帰後、2人からは上司と仲間に対して感謝の言葉があり、「子どもの成長が見られて良かった」「育児の大変さを、身をもって知った」などが聞かれました。
 私たち自衛官は、「家族を守れるからこそ、国も守れる」と言われてきました。我々の任務も多様化しており、なかなか自宅に帰れない状況も多くなってきたので「停泊しているときは、家族を大事にしなさい」と部下には声を掛けています。
意識改革が大事
 私は3人の子供がいて、長男誕生は航海中の洋上で知りました。当時、私も今のような環境であれば、育児休業を取っていたかも知れません。時代の流れとともに、組織全体での意識改革が大事だと思います。誰もが育児休業を取りやすい職場の環境づくりと、制度に関する正しい知識を周知徹底させる必要性を感じています。
 上司としての私の役割は、「取れる、取れない」の決断ではなく、どのようにしたら取らせることができるのか、その問題を解決することだと考えます。
2人の取得者が良い事例になる
 今回、続けて2人の育児休業の取得を承認したことは、私にとっても良い経験になりました。2人の事例は、結婚を予定している隊員に、「取ってもいいんだ」という良い風が流れたと確信しています。取得した2人には、良きアドバイザーになってくれることを期待しています。
 少子化が進む状況で、国としても女性が働きやすい環境づくりや男性の育児参加の推進が求められています。今後も育児休業は、可能な限り取らせたいと思っています。また、船のトップである艦長(艦ボス)自らが、声を出し、推進している状況です。