ブックタイトルイクメンパスポート2018

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イクメンパスポート2018

イクボスインタビュー②
2人の部下の育児休業は上司にとっても貴重な経験に
防衛省 海上自衛隊練習艦隊 第1練習隊 練習艦せとゆき機関長 1等海尉 西村 隆三
9年度に、男性自衛官2人が育児休業を取得
 海上自衛隊で艦船に勤務する2人の男性自衛官が、同時期に育児休業を取得したことは、稀なケースだと思います。
 練習艦せとゆきは、洋上での実習を目的に使われる船です。基本的には、実習のために出港して、終われば帰港する活動で、短くて2〜3日、長くて半年以上の航海訓練が行われます。
 私が勤務する機関科は、主にメインエンジンであるガスタービンの運転と保守整備担当の「ガスタービン員」、電力を使って動かす機械の操作及び整備担当の「電機員」、火災や浸水などに対応する「応急工作員」の3つのパートに分かれており、艦全体約150人の内、約30人が所属しています。その中の2人が育児休業を取得しました。
戸惑いながらも、「何とかなる」
 1人目の取得者はガスタービン員で、船が修理中のとき、直接本人から相談を受けました。期間は3か月、時期は船の修理が完了して動き出すタイミングでした。多忙になる時期と重なっていたため、その場は「分かった。改めて返事をする」と伝えました。2人目は、応急工作員の班長で6か月の申請でした。同時期に2人続けての欠員は正直、戸惑いましたが、パートが違うこともあり「何とかなる」という印象を持ちました。
 船は出港してから戻るまで、24時間3交代制で、1人3時間の当直勤務があります。組織内で当直の再調整や人員の代替えなどが行われ、2人の直接の上司から「機関長、大丈夫です」と回答をもらったことで、育児休業を取らせることができました。2人の欠員によって、隊員一人ひとりの負担が増えることも考えられましたが、1人や2人の欠員が出たからといって、艦が動かせないなんて、あってはならないことです。私は日頃から、減員操法(人が減っても運転を継続させる)の追求を指導しています。2人の育児休業に対しては、「困難な時こそ、全員でサポートして臨んでほしい」と指示