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新しい国民との直接対話のあり方に関する検討(第2回)
議事概要


日 時:平成19年1月30日(火)16:30−17:59

場 所:内閣府第3特別会議室

出席者:世耕内閣総理大臣補佐官、川上和久氏、嶌信彦氏、萩原なつ子氏、穂坂邦夫氏、山本隆司氏、長谷川内閣広報官、竹林審議官、清水参事官、幸田参事官、奈良参事官


○ 冒頭、世耕内閣総理大臣補佐官より挨拶があった後、資料に沿って奈良参事官から説明が行われた。

○ 自由討議における発言の概要

(川上氏)
・ テーマの選定については、国民が関心を持つ政策と、国民が必ずしも関心を持たない政策があって、例えば道路交通法の改正、酒気帯び運転の罰則強化のような場合については、メディアも取り上げることで国民の関心が非常に高く、意見も集まるため、テーマとして設定しやすい。
 他方、国民がすぐには関心を持たないが非常に重要な問題について、国民の関心を喚起してアジェンダをセッティングしなければならないものもある。必ずしも国民がすぐ関心を持つものではない問題については、淡々と進めてしまうと、手続的には瑕疵がなかった場合でも、国民、世論から批判される可能性があるので、「国民にとって重要な政策である」という関心喚起も含めて工夫する必要があると思う。

(嶌氏)
・ これまでのタウンミーティングの本音は広報に重点があったのにもかかわらず、国民と対話して意見を聞くというプレゼンテーションをしており、広報という実態とプレゼンテーションにずれがあった。また、その割には経費支出もずさんであり、こうした点に問題があったと思う。広報は、広報として実施すべきだろう。
 今回の場合は、広報なのか広聴なのかという位置づけをきちんとすることが極めて大事。つまり、広聴(国民の意見を聞く)を中心に置くとはっきりさせた方が良い。この場合、国民の意見を政策形成の過程で本当に反映できるかどうかの道筋も同時にプレゼンテーションしておかないと、国民は、何も変わっていないように受け止めると思う。
・ テーマの選定については、毎月のように世論調査が実施されているので、国民の関心の高いものを中心に訴えていくことが順当だと思う。ただそれはそれでいいと思うが、例えば財政再建というのは、非常に難しいテーマではあるが、極めて重要なテーマである。国民の関心は引きにくいが、国家としては重要なテーマとの優先順位をどのように考えたらいいかということも重要なテーマ選定の問題だ。
 同じテーマであっても、都会で行う場合と地方で行う場合とで、関心の度合い、問題の在り方が違うことが多い。ある程度共通のテーマはあるものの、各地方によって違ったことを実施する柔軟性があってもいいと思う。
・ 国民からの意見は、全部政策形成に反映することは勿論できないと思うが、審議会などとの差異については、公表する必要があるかどうかは別として、運営の際には考えておいた方がいいと思う。
・ いろいろな案や意見だけではなく、提案をもっと求めた方がいいと思う。今、企業は何が一番重要かというと、消費者が、一体何を考えているか、何を欲しがっているか、消費者の感性やニーズがどこにあるかであり、それを盛んに聞いている。優良企業は、苦情処理係を極めて重要視している。苦情の中にこそ消費者の求めるものがあり、苦情を解決する商品をつくれば、売れるというのが優良企業のポイントとなりつつある。
 すべてが政策に反映されるかとは別に、意見、提案などをまとめて、例えば地域のまちおこしの実例や、中小企業の実例を100くらい出して、白書などで紹介しているケースがある。このようなものは案外参考になるケースもあると思う。中央で考えていてもわからないが、地方に出してみると役に立つ意見もあるだろうから、そのような政策形成への生かし方もある。

(川上氏)
・ 調査委員会報告で述べられている裁判員制度の問題にしても、国民の関心が必ずしも高くないために、啓蒙的な視点でやろうと無理をして突っ走ってしまっているところはやらせになりやすかった。広報のため、ある型をつくってそこにはめ込もうとすればするほど、結果的には無理が生じてくるから、その点に気を付ける必要がある。

(萩原氏)
・ 1980年代にデンマークで始まったコンセンサス会議という方式がある。たとえば、原子力の問題等、科学技術に関する合意形成に使われる方式だが、公募で選ばれた市民が、その分野の専門家の意見を聞いて知識を得、討論した上で市民の合意として提言をまとめて、結果を公表するという会議である。いろいろなテーマで開催しているが、そのテーマを決めるのは公募で選ばれた市民。 テーマ選定については、市民には意見やいろいろな考え方があるのでその優先順位を付けていく場として、透明性を確保する観点からコンセンサス会議などの考え方も参考になるのではないか。
・ 国民が政策形成過程のプロセスに参加することが、国民の満足感につながっている。合意形成においては、結果として自分の意見と異なった結果となったとしても、そのプロセスに関わっていたということが満足感につながっていくということもある。政策決定にそのままフィードバックされるかどうかとは別に、そこにきちんと関わっていたということが重要。
・ テーマについては、国民に関心を持ってもらった上で政策を決定していく過程で意見を聞いて政策に反映していくものと、すでにある政策等を国民にもっと知ってほしいから行うものとを分けて考えていくことが必要。

(長谷川内閣広報官)
・ 規制のあり方を決めるのは、法律に基づくこととなるので、国会審議を経るべきであって、コンセンサス会議方式には、適するテーマと適さないテーマがあるのではないか。

(萩原氏)
・ 方法論として参考にしたらどうか、という意見である。

(川上氏)
・ コンセンサス会議のような議論が出てくるのは、今まで法律をつくっていくプロセスにおいては、官僚は国民の意見をよく見てはいるが、議論が活性化していないと見落とすものがあるかもしれず、議論を活性化させなければならないという話題が出てきているのではないか。国民の意見もきちんと活性化させる触媒として、新しい国民との直接対話も機能させたいという理念がまずあるべきかと思う。

(嶌氏)
・ タウンミーティングは、今までは基本的に広報に重点を置いていて広聴になっていなかった。現在、国民の合意形成の在り方はきわめて重要なテーマになってきた。審議会や政党の部会で実質内容を決めておきながら「国民の意見も聞きましたよ」という合意形成の仕方では、政治が動かなくなっているというところがポイントだと思う。国民の意見を聞いたという広報をすれば大丈夫だと思っていたやり方が、国民に見透かされてしまっている。国民の意見を多様に吸い上げる、今までと違ったパイプの吸い上げ方を決めるという原則は非常に大事である。国民の直接的な意見をある程度生かすような政治システムをつくらなければいけない時代に入ってきている。そうした視点からもタウンミーティングの位置づけをもう少し明確にしておいた方がいい。

(穂坂氏)
・ 政治の場で、団体から意見を聞くといっても、限界があるのが現実。徹底的に透明性を高く情報公開した方がいい。90%開示するぐらいなら100 %すべて開示することが、1つぐらい象徴としてあったっていい。例えば、最終段階で席に余裕がある場合に限った参加の呼びかけについては、ある時点以降は特定の関連団体に呼びかけるという場合には、そのことを明確に公開した方がいい。
・ フィードバックについても、自治体特に都道府県レベルでは、もう決まっていることをテーマとして開催するだけである。政策決定プロセスの後半で実施しても、決まっていることに対してなぜ意見を聞くのかと市民から言われてしまう。できるだけプロセスの前の方で実施した方がいい。今度のやり方は、この点を明確にした方がいい。
・ 簡素で親近感のある会場選びについては、平らなところでやるなら、ホテルでは開催しない方がいい。体育館で開催する場合は、音響が少し悪いから、少しお金がかけて補完すればいい。市民会館は、段になる場合が多いから気を付けた方がいい。
・ テーマについては、2種類あると思う。一つ目は、政府側で聞きたいテーマ。こういうテーマは絶対にある。二つ目は、住民が取り上げてほしいというテーマ。国民の声を聞いてみたいテーマと住民から出てきたテーマを明確に分けて、透明性を確保すればいい。テーマを設定した際、方向性をある程度出したい場合と、方向性を出さない場合もそのことをきちんと事前に明らかにした方がいい。
・ 参加者の問題については、大体300 人ぐらいまでは設営の仕方等は同じ。500 人を超えると違うと思う。
・ 必要性がわかっていることに経費支出することは構わない。経費支出を節約するためだけであれば、公民館で30から50人規模で開催すればいい。折角大臣が出るのに、簡単にあちこちで開催できるわけではないのだから、経費支出について透明性があればいい。
・ NPOとの共催の場合の利点と、政府が主催の場合の利点は異なっているので、比較してみるのも面白いと思う。
・ 会場費の支出については、明確化した方がいい。競争入札については、変動幅が大きい部分は、PR費用。国で行う場合にはPR費用が大きいので、どういう媒体を使って、どういうふうにPRするかということで支出額が大きく変動する。経費のうち、変動する部分と、きちんと決定できる部分とを明確に切り分けて、ある程度標準的な、ある意味で常識的なものが必要ではないかと思う。ただし、テレビで広報する場合と、ネットで広報する場合とでは費用が大きく異なってくるので、この点を明確にすることによって費用設定をするのがいいのではないか。
・ 現場で開催していた実感としては、やらせ、だまし打ちは嫌われる。逆に言えば、徹底的に透明性、公開性を高めてもいいと思う。

(山本氏)
・ 科学技術の分野などでは、国会が法律をつくる、行政機関が更に具体化して決定する、細かい部分で専門家が審議会などで関与するというような、言わば今までのプロセスだけでは決着がつかない問題である点が大きいため、その前の段階のコンセンサス会議で、ある程度の合意の幅をつくるとともに利害関係者同士のお互いの最低限の信頼関係をつくるというところにねらいがある。
 今回の場合は、少し性格が違うと思うが、今までのような国会で決めて行政機関がそれの具体化の決定というルートだけでは、現在の諸問題は非常に利害対立が大きくて、まとめ切れないものが多くあり、タウンミーティングも使えるということなのかもしれない。問題にもよると思うが。
・ 争点やアジェンダ形成に近いプロセスにおいては、NPOや一般の市民がテーマを積極的に出して、タウンミーティングを運営する感じになる。
 比較的政策形成の後半に近い方のプロセスにおいては、どちらかというと政府あるいは各省庁等が具体的にこういうことを聞いてみたいというものを出してきて、ある程度省庁が準備をしてタウンミーティングを開催するということになるのではないかと思う。
 これは非常に単純な分け方であり、さらにいろいろなバリエーションがあり得ると思うが、その性格を明らかにしておく必要はある。
・ フィードバックについては、全部の意見をそのまま採用するわけにはいかないが、いろいろな活用の仕方があると思う。パブリック・コメントの場合、採用されたかどうかになってしまうが、タウンミーティングはもっとオープンな場でいいと思う。採用されなくても、むしろその後の議論の素材、呼び水になる機能もあることを強調するといい。

(川上氏)
・ 経費の問題について、ある程度説明責任を果たす方向で新しいシステムをつくっていくことは、非常にいいこと。予算立ての内容、経費支出の必要性や適正性が、開催される都度、例えばホームページを通じてチェックできるよう、精算事務手続の関係から経費支出状況のリアルタイムでの掲載は困難かもしれないが、新しい試みとして実施してみることが、調査委員会での最終報告の結果も踏まえた透明性の確保の具体策になると思う。その際、無駄な支出はよくないが、意味のある使い方をしていることが常にチェックされるようホームページ上で工夫することが必要ではないか。

(穂坂氏)
・ 情報公開については、全部公開して、きちんと説明責任が取れるやり方が、1つぐらいあっても面白いのではないかと思う。

(嶌氏)
・ 今、合意形成をどう行うかということが、政治の世界のみならず、会社や労働組合においても、非常に難しくなっており、その方法論もまだよくわかっていない時代になっていると思う。もともとはタウンミーティングの経費支出に問題があることから端を発したが、他方で広聴といいながら広報として利用していたのではないかということが問題になった。実は議論をしてみると、国民の政策的な要求に対する合意形成をどう図ったらいいか、これに対する100%の回答はないわけであるが、そのモデルの一つというか、そういうものに近づけるものになるぐらいの意識を持ちながらやった方がいいのではないか。
・ 経費の問題については、会計検査院の方でも議論するということになったようであるが、当検討グループの質問事項を文書にして、委託先に質問することもある程度考えておいてもいいのではないかと思う。

(萩原氏)
・ 競争入札については、例えば600万円ぐらいの予算で環境学習パートナーシップに関するプログラムについて実施するとした際に、応募してくるNPO側は、その経費の中で、様々なアイデアを提案してくる。この場合、多数のNPOの提案から選ぶことになるため、選考委員会が大変重要になってくる。競争入札にした場合には、選考理由をきちんと説明できることが重要であって、情報公開、透明性確保が必要となってくる。
・ NPOとの協働については、なじむものとなじまないものが当然あるので、政策決定プロセスの前半の方だと、NPOとの共催もいいかもしれないが、後半の方になってくると、政府主催がいいのもある。このNPOとの協働については、地方自治体が入ることが前提になってくると思う。内閣府や他省庁と直接個別のNPOが共催というのはなかなか現実には難しいと思う。たとえば、NPOの支援センターの役割を果たしている日本NPOセンターが間に入って、地方の支援センターと連携し、さらに地域の個別のNPOと協働していく方法も考えられると思う。
・ 経費に関しては、NPOは決して行政の下請ではないので、経費節減のために協働するという発想はしてはならない。結果として「安上がり」になるのは、NPOの活動に共感し、自発的に関わるボランティアが多いからである。人件費を考えたときに、必要経費としてどこまで見るのか。NPOと協働した場合においては、フルタイムの有償スタッフも勿論いるが、そこにボランタリーに関わってくる人もいるため、結果として経費が節減できるだけのことである。経費節約のために、NPOと協働ということにはならない。
・ 地域のNPOと協働することによって、より地域の意見が聞けるというアイデアに対して評価をして、なおかつ、必要な経費はきちんと支出して、さらに情報公開を行っていくことが必要であると思う。地方自治体との関係も非常に重要になってくると思う。
・ 問題になるのが、NPOの知的財産としてのアイデアに対してきちんと払うという文化がないという点。アイデアだけ取っていくではないかというNPOからの声もある。少しずつではあるがNPOの持っている専門性、アイデアに対してきちんと評価するという認識がみられるようになってきてはいる。

(穂坂氏)
・ 人件費については、高いときで1日1人1万5,000円、安いときで8,000円ぐらいの場合がある。これは、大学の窓口へ行ってアルバイトを頼んだ場合のようである。業者委託すると1日1人何万円となるので、そのような工夫、庶民感覚にあったやり方を、取り入れた方がいいと思う。

(川上氏)
・ 大学にボランティアセンターがあって、教育の一環として、例えば選挙のときに選管のボランティアへ行くというようなことを大学の組織の中でコーディネートしている。国民との直接対話集会というのがあれば、公共政策に係る学生たちがボランティアセンターに来て、学生自身の勉強も兼ねて行ってもらう。それで全部カバーできるわけではないが、そのような方法やネットワークも探らないで、業者委託の経費が必要ということになると、そのような可能性を閉ざしたのではないかと後から批判されることにもなる。全部無料でできるというわけではないが、大学という組織自体も変わってきているので、大学などの教育機関や、その他のネットワークも大事にしながらやっていくということを、むしろ今回の新しい国民との直接対話では打ち出してもいいのではないかと思う。

(嶌氏)
・ NPOができたころは、ボランティア的な精神というものがNPOだという意識でやってきた。
・ 私の運営する会がシンポジウムを開催する際、この間もプレスセンターを借りて300人位を相手に国際シンポジウムを60万円ぐらいでやった。ゲストもボランティア、パンフレットも関係者が安く作ってくれた。いろいろな募集、例えば新聞の告知欄、これは無料であるから開催案内を各新聞に掲載させてもらった上で、関係の団体にも案内周知への協力を依頼する。その上で、開催当日までにまだ数十人集めたいと思えば会員があちこちへ呼びかけることや動員をかけるということもあり得る。何かをやろうという精神があるとみなが燃えてきて、いいものをつくろうという感じになるから、そういう精神を持ったところに呼びかけるなど、精神的な基準も幾つか設けた方がいいのではないか。

(穂坂氏)
・ そうした場合、NPOは、NPOの意向どおり実施したいと主張するのではないか。

(嶌氏)
・ そのようになる可能性も若干あるかもしれない。しかし、シンポで問題提起して皆さんに考えてほしいということが基本であり、さらに方向性をもちたい時は話し合いをすれば良いのであって、NPOとの共催にしてもよい。

(萩原氏)
・ NPOとの協働の形にはいろいろあり、共催という方法もそのひとつである。

(嶌氏)
・ また、国際交流基金やJICAなどと共催で何回か開催しているが、JICAはJICAの制約、交流基金は交流基金の制約もあるので、そこで話し合い、どこで妥協できるかという話をするわけである。

(山本氏)
・ テーマの選定や、NPOと共催する場合の共催相手の選定の際、第三者機関を入れるかどうかも論点の一つではないかと思う。
・ 単純な競争入札ではうまくいかないと考えられる場合、PFIの検討の一環で議論されているものだが、ヨーロッパの交渉的競争方式というものも参考になるかもしれない。