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【平成21年度「国連持続可能な開発のための教育の10年」円卓会議(第1回)議事要旨】

  1. 日 時:平成21年6月29日(月)10:00〜12:00
  2. 場 所:外務省中央庁舎 893会議室(8階)
  3. 参加者:
    阿部治、石川世太、及川幸彦、岡島成行、小澤紀美子、佐藤真久、柴尾智子、
    関正雄、田渕五十生、田中治彦、手島利夫、名執芳博、森透(13名、敬称略)
    内閣官房、内閣府、総務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、
    国土交通省、環境省(9府省)
  4. 議 題:
    • (1)ESD世界会議について
    • (2)「国連ESDの10年」後半に向けた取組の方向性について
    • (3)意見交換
  5. 議 事:
    • (1)開会
      • 今年度第1回を開催する。議長は引き続き小澤氏に依頼したい。

    • (2)ESD世界会議について
      • (資料3)150カ国から約900名が参加した。ユネスコ事務局長の開会挨拶で、2014年のDESD最終年の締めくくり会合を開催するとの日本の提案を歓迎する旨の発言があった。ハイレベルセグメントでは、玉井文部科学省審議官がアジア太平洋地域の代表として日本の貢献やアジアにおける取組を報告し、DESD締めくくり会合の我が国開催の意図を表明した。全体セッションと20以上のワークショップが行われた。成果はボン宣言としてまとめられた。ボン宣言は、当初、簡潔・明瞭にという話だったが、各国の意見を踏まえ結局は総花的な内容となった。国連大学・名執氏がボン宣言のドラフティングメンバーとして参加し、DESD締めくくり会合開催について最終パラグラフに盛り込まれた。
        (資料4)本年10月のユネスコ総会で、DESD締めくくり会合の日本開催の決議案を提出する予定である。DESD締めくくり会合の開催は5年先だが、皆様の意見を聞きながら、関係省庁連絡会議や日本ユネスコ国内委員会で検討しながら進めたい。今回の資料はたたき台である。開催形態は政府間会合となることが想定されるが、世界会議のように関係機関やNGOと連携することにより、大きな会議にしていきたい。
      • (資料2)昨年のG8北海道洞爺湖サミット首脳宣言で、ESDの推進の重要性が確認されている中で、今回のUNDESDの中間年にあたる世界会議がG8メンバーである独主催で開催され、2014年の締めくくり会合を日本がホストすることとなったのは、サミット首脳宣言のフォローアップと位置付けられよう。また、途上国ではESDよりまずはEFAが重要との意見が依然強い中で、モザンビークの前教育大臣をメインスピーカーの一人として迎え、途上国の関与を得ようとしたことは評価される。なお、UNDESDの中間報告は、来年の第65回国連総会において、ユネスコ事務局長から提出された報告を踏まえて国連事務総長が総会に提出することになっている。
      • 日本の取組を紹介するブース展示を行った。企画と運営は環境省が取りまとめ、外務省、文部科学省、ACCU、ESD-J、国立国会図書館と連携し、国連大学やNGO関係者の協力を得て、政府の取組だけでなく民間団体の活動の紹介も行った。ジャパンレポートを始め政府・NGOによるポスター展示や資料配布を行い、環境省からは39のヒント及び環境人材育成コンソーシアムに関するパンフレットを配布した。ジャパンレポートは、ブース展示以外に各ワークショップでも広く配布した。国レベルでの取組をまとめたレポートを作成したのは日本以外ではドイツのみで、ジャパンレポートに対して高い関心・評価が示された。環境省からの参加者は、ESDに関する制度的アプローチに関するワークショップにリソースパーソンとして参加し、日本の取組の紹介を行った。関係省庁連絡会議、円卓会議、実施計画等のESDを推進する枠組みを構築している国は少なく、日本の取組は海外に発信できうるものと感じたと報告を受けている。
      • ESD-Jから3名参加した。ボン宣言の訳をHPで公開している。締めくくり会合は、関係省庁連絡会議の全省庁とNGO、産業界などが連携して迎えられる仕組み、計画・ロードマップが必要である。ESDの10年・地球市民会議として、最終会合の準備も兼ねてESD-J、国連大学、日本商工会議所、日経新聞等が連携し、今年から3年間、会合を開催予定である。ドイツ、スウェーデンから専門家を招聘する。「国連ESDの10年」の認知を広げていくために、今後、産業界との連携を図っていきたい。政府HPを活用し、英語を含めた成果を積極的に発信していくべき。世界会議では、市民教育のワークショップには約50名参加したが、アジアからの参加者が少なかった。途上国からの参加者をどのように保証していくか、日本開催の際は考慮すべき。また、高等教育のワークショップには約200名程度参加したが、日本のHESDの取組は進んでいる印象を受けた。様々な参加者がおり、各国に共通したハイレベルの視点を持ちにくかった。事前に参加者間で問題意識を共有できればよかった。結果のフォローアップも重要である。
      • ACCUから3名参加した。ブース展示では目に見えるよい形で官民協力が行われた。バナー・棚・テーブル・名刺入れを設置し、政府とNGOの参加者が交代でブースに待機し、ジャパンレポートやその他パンフレット配布した。政府・国際機関の展示スペースには、日本のほかインド・イタリア・オーストリア・フィリピン・国連大学高等研究所等が出展していた。NGO・専門家の展示スペースに比べると目立たない位置であったが、よい展示となったと思う。ESDとEFAの連携についてボン宣言で触れられたことは歓迎できるが、EFAに取り組む側がESDに対して強い関心を持つまでは至らなかった。ESDとEFAの連携に関するワークショップでは、先進国や研究者はESDに関心があるが、EFAにつながるESDがアジアや途上国にもっと普及されるべきだと実感した。EFAはある程度成果を数値で表すことができ、評価やモニタリングの実績があるが、ESDは質の活動であるのでそれをどう評価していくか、今後明確にすべき。
      • 国連大学ではブース展示及び高等教育のワークショップ、RECに関するサイドイベント、ESDに必要な能力に関する専門家会合を行った。また、ボン宣言のドラフティングに参加をした。当初案では政策決定者に読んでもらうために、地球環境に関する喫緊の課題やESDの重要性を示す内容を3〜4頁にまとめる予定だったが、各国からのコメントに対応して結果的に長い文章になった。
      • 途上国では学校に通っても途中で辞めてしまうことが多い。数だけでなく質が問われる。EFA達成に向けて途上国で実施されているライフスキルや参加型の教育はESDとつながるものであり、先の指摘は理解できる。この件に関して政府の手応えはどうか。
      • ユネスコ加盟国193カ国のうち150カ国が世界会議に参加し、ハイレベルセグメントにも50カ国の参加があったことは、ESDに関する関心が高まってきた証左と言える。しかし、すでに5年経過しており、今後5年はさらに可視化をはかる必要があるとの認識である。ESDとEFAとの連携は、ユネスコ執行委員会でも指摘されており、文部科学省ではユネスコへの信託基金の中で、ESDとEFAをうまくリンクさせるプロジェクトの実施を求めている。
      • 世界会議のプログラムはトピック別になっていたが、ボン宣言が統合されていたのは、どのようなプロセスで策定されたのか。
      • 会議前には特にドラフトはなく、開催前日に初めてドラフティング会合が開かれ、そこでの議論を踏まえ、まずスケルトン案が作成され、会議初日にこれが示された。
      • 民間企業との連携や果たすべき役割について議論はあったか。
      • 様々なステークホルダーを巻き込むべきとの議論はあったが、特に企業に特化してはいなかった。

    • (3)「国連ESDの10年」後半に向けた取組の方向性について
      • (資料5)ESDの評価には、政策・制度面でのESDの展開、個人的素質・能力の向上、ESDの視点・概要という視点が重要である。ヨーロッパでは、公教育の取組を中心に、制度・政策の進捗のための評価フォーマットの開発、国別実施報告書の作成と事例収集プロジェクトを行っている。アジアでは、EFAやMDGs等を見据え、異質性・多様性を前提とし、指標群と指標タイプの提示にとどまり、共通指標項目が開発されていない。今後、日本では、ヨーロッパの国別実施報告書の分析や優良事例の選考基準の検討すること、また、公教育に関する目標・調査や進捗を生み出す手段として活用しうる評価を検討することが必要であると考える。
      • (資料6)国内実施計画は、2010年に、UNDESD前半の5年間の取組の結果を踏まえ、見直しを行うことと規定されており、今後5年間の日本の取組の方向性を検討したい。国内実施計画の項目ごとに評価することを想定している。政府の取組の評価案は別紙のとおりで、各主体に期待される取組は本会議メンバー等の協力を得て進めたい。また、諸外国等の取組を参考にしつつ、日本で活用できる指標を選定したい。見直しは今年度中をめどとして行うことを考えている。

    • (4)意見交換
      • 学習指導要領の改訂等があったが、学校でのESDはどう進めるべきか。
      • ESD推進に果たすべき学校の責任は大きい。PISA型学力との関係も見ていくべき。小中高大が連携して未来に生きる力を育てていく。教育現場に新しい概念を取り入れるのは難しい。既存の教科や総合的な学習の時間を活かし、ESDの視点をもう一度見直すべきである。
      • PISA型学力のような問題解決できる子どもを育てたい。そのためにはESDを幼稚園から大学まで発達段階に応じて長期間続けなければ効果がなく、学び自体が持続可能であることが望ましい。2002年からPISAなど国際的動向も意識してESDを推進し、独自の学校版PISAテストを開発して数校で実施・比較した。ESDの学びを通してPISAテストに対応できる部分もあったが、学校以外の社会・生活の場で自分なりに応用して日常生活で問題解決する力を身に付けることは一朝一夕では難しい。したがって、体系的にESDに取り組むことが大切である。気仙沼市では、市をあげてユネスコ・スクールの活動を推進している。ユネスコ・スクールに認定により、ESDが周知される、組織体制として校務所掌に位置付けられる、校内研修・研究として位置付けられるなどの効果が上がってきたが、他地域では実際に検討・実施している学校は少ないのではないか、ESD普及の指標として調査できるとよい。学校現場や地域レベルでより一層ESDが推進されるように文部科学省や関係省から学校・行政関係者へメッセージを発してほしい。DESDの最終年には、学校・自治体・地域も参加して各実践を検証し発信できるとよい。ジャパンレポートは学校や地方自治体等に広く配布し、活用されるようにすべきではないか。
      • 地域を掘り下げて世界とつながる、をテーマに総合的なカリキュラムを作成した。教室で開発教育のゲームを1時間やれば終わりではなく、将来や地域社会とのつながりを意識させる内容としている。また、ESDとEFAの関係では、アジアの参加型開発手法と日本型カリキュラムを連携させるプロジェクトを進めている。今後はファシリテーターやコーディネーターの育成プログラム開発も進めていきたい。
      • 見直し案について、3つ提案する。1つ目はESDを戦略として活用すべき。2002年に提案を行った経緯を見れば日本の提案は世界にも受け入れられる。政策の中に明確に位置付けられるべき。2つ目は10年の取組を再評価し、現行の国内実施計画にはあるべき論が列挙されているが、今後は全てを行うというよりも優先順位を付け、例えば、全国10カ所でESDセンター運営することやODA予算の中に枠を設けることなど目に見える形で予算に裏付けられた具体策を進めていくべき。3つ目は、環境教育とESDの位置付けを整理すべき。
      • ESDを日本の国家戦略として位置付け、ESD以外の国際的な計画・規格・基準にも盛り込んでいくべき。新しく策定する企業の社会的責任に関する基準ISO26000の検討では、ESDという言葉は知らなくても、すべてのセクターに行動を促すという意味でESD概念を参照することを提案したところ、ある程度の同意を得られている。
      • ESDの実践を促進するため、教員免許更新制の機会を利用して、講習内容にESDという言葉を例示として入れることを提案する。費用はかからずインパクトは大きい。
      • これまで学生活動は、それぞれの分野に対して別々なアプローチをとっており、それが正しいと思っていたが、現在の学生は企業や他の活動を行う団体との連携を積極的に進めており、世界が抱える環境やその他人権・貧困等の問題を包括したものとしてとらえている。そういった分野横断的なプラットホーム作りの機運も高まっている。このような動きはESDとほぼ同義である。
      • ESDのガイドブックを作成した。掲載した小中学校の13事例はユネスコ・スクールや環境教育指定校ではないものも多い。地場産業を学ぶ事例では、地域だけでなく海外ともつながっていることに気づくことができる。またDESDが開始に先駆けて15年以上学びを続けている学校もある。校長等が異動しても継続するよう学校全体、地域全体での取組が大切と考えている。自身の取組をESDと認識し、持続可能な取組になるようにすべき。そのためには戦略的ビジョンが必要。先ほど紹介のあった進捗生み出す評価、結果だけでないプロセスの評価が重要だと考えている。
      • 途上国にとっては、ESDのE(教育)だけではなく、D(開発)が重要であり、開発に向けた取組にも力を注ぐべきである。ESDではなく、LSDとして学び(Learning)を推進していくべきなのでは。里山など日本的なものを海外でどのように展開できるか。ODAにどう組み込み、アジアやアフリカの視点をどのように組み込むかが課題である。
      • 文部科学省が指導資料的な冊子を作成し、ESDを学校教育へ広めるべきである。それには学校教育における評価が必要不可欠である。国内実施計画の進捗把握には評価指標とともに行われるべき。ESD-Jは地域における事例集としてESDテキストブック2を発行した。後半5年間の取組や2014年最終年のオールジャパンによる受入体制についてのイメージを各省庁・関係機関・円卓会議で共有していくべき。
      • 先日、内閣府の「安全・安心で持続可能な未来にむけた社会的責任に関する円卓会議」に出席をした。持続可能な消費に関する教育問題が主要テーマの一つになっており、当円卓会議との共通点を感じた。相互連携について検討してもらいたい。
      • 日本にとってのESDは何であるかを議論した上で、国家戦略を作り上げていくことは、今後検討していく必要があると考える。プライオリティをつけて具体的な取組の評価を行うことも重要である。内閣府の円卓会議との連携については、今後その方向性について関係省庁で検討していきたい。海外向けの情報発信は、関係省庁の英語版ホームページ及び内閣官房のホームページへリンクを貼る形でジャパンレポート英語版にアクセスできるようにしているところ。今後は内閣官房のホームページ内に英語ページの玄関となるサイトを作成し、各省の英語のコンテンツにアクセス出来るようにしていきたい。また、ジャパンレポートの国内普及は、どういう内容・形で広めていくのがよいか意見を聞きながら進めたい。UNDESDの締めくくり会合は、次回以降、皆様からの意見を伺いながら進めたい。評価について、特に各主体の取組は、円卓会議参加者の皆様の協力を得たく、個別に相談することもあり得るが了解いただきたい。評価に関する議論を行う準備のため、次回は秋口を開催予定としたい。

    • (5)閉会
    • (以上)