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国土強靱化:私のひとこと special.22

防災・減災を考える「ジモト」をつくる!
レジリエンス×地域

(国土強靱化地域自主ワークショップ(大阪会場))

平成30年2月11日、大阪会場において、「防災・減災を考える「ジモト」をつくる!」をテーマとして、第7回目となる地域自主ワークショップを行いました。
 国土強靱化地域自主ワークショップは、平成29年8月26日に東京で行われた第1回国土強靱化ワークショップに参加された各地域の「地域リーダー」が行うものです。
 「地域リーダー」とは、地域での防災・減災活動を自主的に行い、平時から様々な組織等とコミュニケーションをとり、中心となって活動していただいている方です。
 その方々が防災、減災等のテーマについて自ら企画立案した形で、国土強靱化地域自主ワークショップを行っていただきました。


地域自主ワークショップ【大阪会場】参加者の集合写真

地域自主ワークショップの自主的な企画づくりのプロセス

今回のワークショップは、「防災・減災を考える「ジモト」をつくる!」について、レジリエンスに繋がる取り組みを行っている事例を紹介し、ジモト(Neighborhood)での繋がりの重要性を認識してもらうとともに、参加者が地区レベルの防災・減災に向けた活動の展開や広域でのつながりづくりについてアイデアを出してもらおうとする企画です。地域リーダーが、他の地域での国土強靱化ワークショップにも参加しながら、プログラムを企画しまし、防災に、様々な人が参加して行くための解決策を考え、取り組んでいくことを目指したものです。

地域自主ワークショップ【大阪会場】の開催趣旨

今回のワークショップは、学校・自治体・企業など、地域団体と連携している事例を学び、多様な地域活動として、様々な人が参加できる防災・減災の取組について考えようとするものです。
 そして、今回のワークショップをきっかけとして、近畿における、防災・減災に向けたつながりを考え、つくっていこうとするものです。さらに、今回のワークショップでのアイデアをもととした取組を実現することが期待されるものです。

話題提供 ~ 先進的な防災コミュニティとは?実例を学ぼう!

話題提供として、大阪市立大学都市防災教育研究センター講師の生田英輔氏から、「先進的な防災コミュニティとは?実例を学ぼう!」と題して、防災・減災における「ジモト」をキーワードとした取組についてヒントや気づきとなるお話をいただきました。

まず、「地域」や「コミュニティ」など、良く使われる言葉があるなかで、「地域で頑張ってください、コミュニティのつながりを強くしてください、防災頑張ってください」と言っても、「地元」という意識がないと人々も頑張らないのではないか。「ジモト」という帰属意識が大切。そのような地域のつながりやわがこと意識により、具体的に災害に備えようという気持ちになるのではないかとのお話がありました。

つづいて、地域のつながりやわがこと意識による防災に関する計画づくりとして、地区防災計画についての説明がありました。このような計画では、いかに周りの人を育てていくか、巻き込んでいくかが実は大事なのではないのかとのご指摘でした。
 日本の防災は、ハード整備が充実していたわけだが、東日本大震災や熊本地震などの災害が起こる中で、コミュニティあるいは地区における防災活動が大事だとの流れになってきており、その意味でも地元での活動につなげていくことが大切とのお話でした。
 続いてアメリカにおける「地域のつながり」による防災・減災の取組について紹介されました。アメリカでの、Community Emergency Response Team、通常CERTという「コミュニティ」単位の防災組織についてです。これは、日本のいわゆる防災リーダーを参考にして、連邦緊急事態管理庁FEMAが組織づくりのプログラムをつくったものだそうです。
 このプログラムをもとに、各地域の消防署が市民の方に無料で授業を受けることができる仕組みを展開しています。こうした組織づくりがアメリカ全土で展開されており、各消防署はマニュアルに基づき、各地域の特性に合わせて進めており、また、こうした組織には地元の高校生なども参加しているそうです。
 なかでも、サンフランシスコ市では、近隣、言い換えるなら地元に強いこだわりを持ち、CERT をN(Neighborhood近隣 )ERTとしているそうです。
 そして、東北の被災地で、「地元」を意識したお話がありました。東日本大震災の語り部と一緒に学生と被災地を歩いたそうです。震災記念公園になってしまう草原で、語り部さんが卒業した小学校跡で、その校歌を歌ってくれたお話がありました。
 校歌により、鮮やかにこの方の小学校時代の生活、そこを津波が飲み込んでご両親亡くされたなどの思いを感じ取ることができた。何にもなくなった草原が、語り部さんにとって「地元」であることが、はっきりと理解できたとのことです。
 地元は、形のあるものだけではなく、いろんな思いが詰まったものであり、「ジモト」は防災・減災の取組のためのキーワードでもあるとのお話で結ばれました。

個人ワーク・参加者対話 ~話題提供を聞いて取り組みたいことは? 個人で考えて、意見交換

話題提供を聞いて、「防災×ジモト」から思い浮かぶ様々なアイデアについて、参加者一人一人が「マンダラート」という書式を使って、書き出しました。

そして、それぞれ書いたものを、ペアになって、お互いが書いたアイデアを紹介していきました。任意で2人ずつのペアとなり、書き出したアイデアを話しあっていきます。相手は何度も交換して行いました。
 自分のアイデアを説明するとともに、相手の話を聞き、話し合い、発想を広げていきました。例えば、「防災×ジモト」から、「防災ゲートボール」、「みこし道を避難ルートで!」、「炊き出し持ち帰り食事会」など、また「防災グッズフリーマーケット交換会」も提案されました。
 初めて対面する人同士でしたが、熱心なお話し合いが繰り広げられました。

グループワーク ~テーマを絞り、みんなでアイデアをブラッシュアップしよう!

グループワークとして、一人一人のアイデアをテーマ毎にまとめて、議論し、ブラッシュアップしていきました。 まず、アイデアシートの作成です。ペアブレストで面白いと思ったアイデアを、一人一人、3つぐらいを、アイデアシートとして紙に書き出しました。 続いて、一人一人が他の人のアイデアシートをみて、「面白い」や「広がりがありそうだ」と思ったものに、星印をつけていきました。

こうして、星印の数が多いものをテーマとして選び出していきました。「ベビーカーで避難ルートを歩くイベント」、「運動会に防災ゲームを取り入れる」、「みこし道を避難ルートで!」、「炊き出し持ち帰り食事会」、「イザ!サバイバルキャンプ」、「非常食食堂」のテーマに絞られました。

アイデア スケッチ ~取り組みたいことをみんなで議論!アイデアをまとめよう!

そして、テーマ毎にグループをつくり、議論してまとめていきました。

  • ・「避難ルートをみこしで歩こう」をテーマとするグループでは、ゴールはどこか、参加者は誰か、どんな地元を巻き込むか、参加したくなる仕掛け、などの観点から話し合いが進みました。
  • ・「非常食食堂」をテーマとするグループでは、だれを巻き込むのか、どこでするのか、いつするのか、継続するためのしくみなどについて話し合われました。
  • ・「防災運動会」をテーマとするグループでは、運動会の種目を防災にちなんだものにして、競技のプログラムを考えました。
  • ・「炊き出し持ち寄り食事会パーティー」をテーマとするグループでは、参加する主体、重くならない楽しい要素などの観点から話し合いが進みました。
  • ・「体験型ベビーカーウォーカー」をテーマとするグループでは、参加者、巻き込む人、想定する場面、歩く距離などの観点から話し合いが進みました。
アイデアを話し合いながら、ポスターにまとめていきました。各テーブルに加わったビジュアルファシリテーターが参加者の議論を絵にしながら、そして参加者も加わり、仕上げていきました。

発表・意見交換 ~各グループから企画内容を発表し、みんなで意見交換しよう!

各グループでまとめたアイデアが発表・共有されました。 「避難ルートをおみこしで歩こう!」というテーマの班では、みこしルートを避難ルートにして、みこしが通っていくと、最後に神社や学校などの避難所にたどり着く。みこしを担いだら、みんなが避難ルートを覚えられるというアイデアを検討しました。

非常食食堂は、文字通り、アルファ米や缶詰などの非常食でできたメニューがある食堂で、食事だけではなく、食べた後も地元の子どもや大人が遊んだりもできる場所だそうです。みんなが集まることができる広い場所ということで、小学校に設けるということです。小学校は災害時に避難所になるので、日頃からいざという時にむけて慣れておくこともできるというアイデアです。

「イザ!サバ10」のグループは、ひとり10個の防災グッズを持って、それだけで一晩サバイバルする「あなたは無事に朝を迎えられるか!」という防災キャンプ訓練イベントを検討しました。参加したくなる、楽しんでもらうために、固いネーミングではなく、「イザ!サバ10」というネーミングにして行うというアイデアです。

「運動会に防災ゲームを取り入れる」では、運動会の種目を防災にまつわる競技にするというアイデアです。土嚢つみ、バケツリレー、人命救助、防災クイズ、消火器まと当てなど、競技のプログラムを考えました。このプログラムは有料で企業の運動会にも提供するというアイデアです。

持ち寄り非常食パーティでは、みんなで非常食を持ち寄って、食材や料理道具の中で、まず何ができるかを考えて、作るものを考えたり、足りない者はどこに取りに行けばあるか、みんなで意見を出し合って、みんなで集めることによって、いろんな地域の人を巻き込む、というアイデアです。

「体験型ベビーカーウォーカー」では、電車が止まって、ベビーカーでいろいろなところを歩きながら避難するというイベントを企画しました。子育て世代だけでなく、多様な世代の人が自分事として参加することが大事というアイデアです。

最後に、地域リーダーから、ぜひ、これからもこのような緩いつながりをつくっていこうという呼びかけがありワークショップが終了しました。楽しみながらジモトを巻き込む取組を考え、行動していくための一歩となる貴重な機会となりました。

#つながり #コミュニティ

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