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国土強靱化:私のひとこと special.13

強くしなやかに支え合えるつながりを地域につくろう!
レジリエンス×いのち

(国土強靱化ワークショップ(第4回))

平成29年12月2日、東京(神田)会場において、札幌会場に引き続いて、今年度4回目の開催となる平成29年度国土強靱化ワークショップを行いました。
 東京(神田)会場でのワークショップは、「強くしなやかに支え合えるつながりを地域につくろう!」レジリエンス×いのちをテーマとし、日頃から防災・減災に関する取組を行っていたり、関心をお持ちの多様な方々に参加いただきました。


国土強靱化ワークショップ【東京(神田)会場】参加者の集合写真

話題提供: 災害時、現場で何が起きているのか?

話題提供として、防衛医科大学校准教授の秋冨慎司氏から、「災害時、現場で何が起きているのか?」と題して、福知山線脱線事故や東日本大震災の岩手県など災害の現場の最前線で、命を救いたいという強い思いのもとに活動されてきた経験、そして取組まれていることをお話いただきました。圧倒される災害の現場の状況や、先生の強い思いを伺い、命を守っていくために何ができるのかという参加者の気づき・思いにつながるお話しをいただきました。

まず、災害現場で何が起こっているのかについて、命に関わる大切な情報が伝わりにくいという、ご自身の体験に基づく切迫した状況のお話がありました。東日本大震災では、本当に悲惨な被害を受けた所は情報すらあげれなかったこと、また、岩手・宮城内陸地震の際にも情報がつながらない事態が発生したとのことなど、通常のテレビなどのメディアでは知り得ないお話に、参加者も引き込まれていきました。
 次には、このような災害の現場は、需要と供給のバランスが崩れた状況にあり、考えるべき大切なことは、優先順位であると話されました。今すぐ助けなければいけない人を見つけて、待てる人には待ってもらうなどの判断とのことです。
 さらに、想定外のときにどう戦うかというクライシスマネジメントが重要とのお話でした。福知山線脱線事故では、都会のど真ん中で事故車両の1両目が3時間ぐらい発見されなかったという、想定訓練の計画もできないことが実際起きたこと、現場が混乱して頑張れば頑張るほどすれ違いがあったお話がありました。また、赴任2ヶ月で経験した岩手宮城内陸地震のときには、多機関、多職種の連携が十分できなかったことなどの経験を話されました。
 これらを改善していくためには、経験を教訓にすること、特にヒューマンエラーとしての理解ではなく、システムエラーとして捉えていくことが必要だと指摘されました。
 その対応として、次々に重要な事項が指摘されました。
 フィードバックとエバリエーション(評価)、そしてP(パーパス(目的)とプレバレーション(準備)、A(アセスメント(共通の評価法)、3C(コマンド、コントロール、コミュニケーション)、4S(セルフ(自分自身)、シーン(その場にいるひとや家族)、サバイバー(傷病者や患者さん)、ソサエティー(地域社会))。
 さらに、これを実現するために、ご自身が東日本大震災に取り組まれたことや、今お考えのシームレスな情報網の構築のための取組、そして災害では時間軸で目的がどんどん変わっていくということを念頭に置いた責任部署や関係部署を事前に決めておくことが大切であることなどが話されました。
 命を救うことへの熱い思いを込めながら、専門的なお話をわかりやすく話され、自分事として考えていくための貴重なヒントとなるものでした。
 そして最後に、国に何かをしてもらうだけではなく、自分たちが何をできるかを考え自覚する国民強靱化が大切であると話されました。今回の参加者が、国民の強靱化という同じ目的で集まって、お互いで考えて、もし何かあったときに助け合える、考えられるような環境を提供できたらいいな、お手伝いできたらいいなという思いを話されました。

対話: 自分・家族を守るために大切なことは?

対話として、参加者は、話題提供を聞いて印象に残ったことについて、自分・家族を守るために大切なこと、そして「何ができるのだろう」との思いをテーブル毎に話し合いました。
 「声なき声を探す」、「障害者の方も参加してみんなが役割を持つ」、「個人個人が自分で自分の身を守ることが大事」、「自分たちの足元をちゃんと見て、何かできることをやらなくちゃいけないんではないか」など自分事としての真剣な気づきのお話が広がりました。

『私の行動宣言』作成: 『自分や大事な人を守るための、私たちの 5つの行動宣言』を考えよう

『私の行動宣言』作成として、5つの班毎に、「自分や大切な人を守るために大事と思ったこと」について話し合い、[自分や大切な人を守るための私たちの五つの行動宣言]としてまとめていきました。
 秋冨先生のお話を思い返しながら、熱心に、そしてグラフィックレコーディングによる参加者の思いを込めた宣言が、グループ毎に作成されました。
 継続に着目する班。自分の命を守ることから始まり、人とのつながりに広げていく視点に立って検討する班。マーケティングの考え方に基づいて訴求する内容としていく班。班毎に思いと工夫が込められていきました。また、それぞれ思いが伝わるように、色や文字の形などの表現にも、熱心に取り組んで行きました。ひとつの班では、この行動宣言を実行していく決意を示すものとして、全員が署名しました。

『私の行動宣言』展覧会: 自分ができることを発表しよう!

「私の行動宣言」展覧会として、5つの班毎に作成した[自分や大切な人を守るための私たちの五つの行動宣言]を発表しました。備蓄や連絡手段の確保、近隣とのコミュニケーションなど共通するものを含みながらも、それぞれの班毎に、参加者一人一人の気づきと、行動につなげていく決意が込められた行動宣言が発表されました。

  • ・実行に加えて、継続する思いを込めた行動宣言
  • ・本ワークショップでの学びをもとに考え、伝える実行の決意を盛り込んだ行動宣言
  • ・自分が生き延びそして自分・家族が生き延びることを第一として、向こう三軒両隣にもコミュニーションを広げようとする行動宣言
  • ・自分から楽しく行動し継続させる視点からの行動宣言
  • ・災害への具体的な備えを明確に示す行動宣言
 それぞれ班毎の発表のあとには、秋冨先生からの感想や、ご自身の普段からの取組の紹介のお話があり、参加者の皆さんも聞き入っていました。

チェックアウト: 命を守るつながりをつくるために,大切と思ったことは?

発表の後、命を守るつながりをつくるために大切と思ったことについて、「来る前、ここに参加して変わったことってなんだろう」を振り返って、一言として、皆さんが輪になって発表し合いました。「自分事になった」「防災活動」、「行動」,「伝える」など気づきと行動に向けた発言が続きました。

ワークショップの最後には、秋冨先生から,参加者との対話により「力をいただいた」とお話をいただきました。厳しい災害の現場で行動されてきた秋冨先生の思いが、参加者それぞれに伝わり、防災・減災に向けた気づきと行動へのきっかけとなる貴重な機会となりました。


#つながり #コミュニティ

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