懇談会が注目する3つの視点(3つの軸)

II 全員がプレイヤーの時代――依存から脱却し、当事者意識を持とう(「受け身」から「主体的」な個人へ。)

【問題意識】
    誰かに委ねることで、私たちの主体性は奪われていく。 かゆいところに手が届く「行政」であろうとするあまり、個人が自ら考え、主体性を持つことが阻まれることもある。
    厳しい行財政環境の中で「より強く、より完璧な」政府という発想の限界を世界中が感じている。今まさに、一人ひとりがリスクを自覚して行動する当事者意識を持つこと、「受け身」ではなくもっと「主体性」を持つことが重要である。

  1. 自分の身を守るために、自分自身が自由であるために、一人ひとりがリスクを自覚しよう。
    • 危機意識の欠如は、考える機会を大きく奪っている。不安は感じていても、どうしたらよいかを自分ごととしてリアルに考えないのが現状。嫌なことは考えたくないということで思考が止まっている。  森田
    • 「国が何をしてくれるか」ではなく、「自分に何ができるか」という姿勢がもっと強く出てくるようになれば。  第1回
    • 日本では、「自己責任、オウンリスク」という考え方が不足。教育啓蒙活動を考えてはどうか。  堀場
    • 依存からの脱却と当事者意識をどう醸成していくか?  第4回
    • 意識の変化はどこで起きるか?日常のなかの防災教育で想像力を発揮する機会を与えよう  第4回
    • たとえば、これまでの社会は、一人の人間が「(他者に求められている)ひとつのアイデンティティ」で生き抜くことを強制されてきた窮屈さがあった。しかし、コミュニティ、パブリック、自分ごと化を通じて、「さまざまな場所でありのままの私を生きる」、ホンモノにかかわる。それが様々な問題を解決する第一歩となるのではないか。  大木
  2. 行政の規制や配慮が、むしろ個人が自ら考え行動する機会を奪っていないか
    • 行政は、民主主義の担い手としての個人の主体性を尊重しよう。
    • 白いユッケ、黒いユッケの二分法ではない。グレーな部分がほとんどで、それをも禁止することで見かけ上のリスクをゼロとするのではなく、個人に任せることをどこまでできるか?  第4回
  3. 色々な人とつながり、「重なる」ことで、自分のスキルや可能性が拡がることもある。一人ひとりがそんな「ドーナツ型」の発想を持とう  第6回
    • 人の輪をドーナツのように広げて、「組んで」「重なって」働き、担当分野を超えて重なることで、自分のスキルを知り、もっと発揮する可能性が探求できる。そこからしか、協働は始まらない。
    • ミドルたちに元気を出してもらうため、各々のスキルの可視化が大事。ミドルのインターンも有益。
    • 現在のミドルの問題は、明日のシニアの社会保障問題になる。
    • 単なる転職ではなく、ワークシェアや個人の同時期の複数職場への所属、労働時間や場所など労働形態の多様化など、大胆な変化が起こる。  田中
    • 労働寿命の長期化から、こうした変化は自然発生的に起こる。組織運営や教育、住居や移動、地域社会のあり方も派生的に変わる。労働対価の算出方法や賃金体系、課税システムのあり方などもあらためて議論になる  田中
    • 中小企業も自分が見えなくなっている。企業間の「つながり」や「組むこと」を通じて、自社の強みを把握し、新しいモノづくりのヒントを掴み、大企業依存の「待ち工場」から脱却しなくてはならない。  諏訪