(資料3)

各方面の意見の整理(概要)                         

 本研究会では、平成12年2月8日から3月8日までの間、総務庁のホームページ等を通じて「人事評価研究会報告作成のための論点整理」に対する各方面の御意見等を募集したところ、91件(郵送29件、ファックス49件、電子メール13件)の御意見等をいただきました。御意見等をお寄せいただきました方々の御協力に厚く御礼申し上げます。
 お寄せいただいた御意見等は、人事評価研究会の場で各参集者に配布し、本報告書の取りまとめに係る検討のために活用させていただきました。
 本資料は、その際にお寄せいただいた御意見等及びそれについての本研究会の対応等を整理したものであり、取りまとめの都合上、お寄せいただいた御意見等は適宜集約したものとさせていただいております。なお、お寄せいただいた御意見等の具体的な内容につきましては、総務庁人事局で御覧になることができます(ただし、御意見等をいただいた団体名又は個人名が特定できる形で御覧になることはできません。)。

1 新たな人事評価システムの検討の基本姿勢について

人事評価の必要性という基本的な理念をまず議論すべきとする意見
現行制度の表面的見直しにとどまらない新たなシステムを検討すべきとする意見
効果に疑問のある小手先の手法である人事評価より、もっと大きな問題に取り組むべきとする意見
信賞必罰のシステムによる非人間化が生じないよう、人事評価の導入ではなく、職員の共同性の向上と主体的参画意識の醸成のための方策を講じるべきとする意見
定員削減によって職場のゆとりがなくなってきている一方で、人事評価によって職場を活性化しようとするのは本末転倒とする意見
具体的なシステムは、個々の組織の状況や業務方法に基づき検討すべきとする意見
国家公務員の人事評価を検討の対象とすべきだが、国家公務員にも様々な職種があることから、これを画一的に検討することは避けるべきとする意見
新たな人事評価システムでは、各省庁等共通のシステムと個別省庁別のシステムを整備すべきとする意見
新たな人事評価システムについては、人事評価における総合的判断の重要性、目的と手段の均衡に留意しつつ検討すべきとする意見
検討に当たっては、国家公務員に求められる能力・業績、公務の特性、「全体の奉仕者」性や成績主義等の公務員制度の原則等の相互関係を整理すべきとする意見
人事評価の検討の前提として、国家公務員の資質向上やキャリア公務員の倫理問題の議論をすべきとする意見
国家公務員を取り巻く環境の変化に現行の勤務評定が対応できていない点を具体的に検討すべきとする意見
民間の人事考課制度でも問題があるという点に留意して議論すべきとする意見

(対応等)
 本研究会における検討の進め方の参考とするとともに、本報告書「I 基本認識」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


2 人事評価研究会の運営について


中央省庁等改革の時期にとらわれず、慎重かつ十分な議論を行うべきとする意見
単なる評価技術に関する議論となることを避け、実際に公務に携わっている人間がいるという視点で議論すべきとする意見
人事評価研究会では、公務員の意見を集めながら検討すべきとする意見
人事評価研究会の参集者の大部分が民間の人事管理の専門家であり、国家公務員の実態を知っている者がほとんどいないのは問題とする意見
意見の公募について、期間の長期化や周知のための努力をすべきとする意見
意見を求めるための資料を平易なものとし、補足資料も充実させるべきとする意見

(対応等)
 本研究会では、新たな人事評価システムについて、民間企業等のヒアリングを含め、15回にわたる検討を行ってまいりましたが、今後は、制度所管官庁及び各省庁等において、さらに詳細な検討が行われるものと期待しております。
 また、お寄せいただいた御意見等は、研究会の場で配布させていただきましたが、特に、各省庁等及び職員団体からの御意見については、その旨を明示した上で配布させていただきました。
 なお、意見の公募の際には、総務庁のホームページや広報誌を活用するとともに、事務局において「人事評価研究会報告作成のための論点整理」の概要をまとめた簡単な資料を作成・配布いたしました。


3 人事評価システムの在り方について

【人事評価の活用の目的】
人事評価の活用の目的を明確にすべきとする意見
新たな人事評価システムについては、配置、昇任・昇格、育成、処遇に反映できるものとするとともに、職員の能率・志気の向上に資するものとすべきとする意見 
人事評価は、職員の昇任、昇格の判断基準となるべきとする意見
人事評価の目的を、適切な行政の実現と志気の高い職員の育成・確保等とする意見
人事評価は、職員間に差を付けるためのものではないことを確認すべきとする意見
人事評価に人事運用弾力化、自己啓発促進等の視点を取り入れるべきとする意見
人事評価は、適材適所の配置のために活用すべきであり、適切な評価が困難であるにもかかわらず給与に反映するのは、職員の不満を高めるだけであるとする意見
人事評価を昇進に反映すると、出世主義が横行して国民の信頼を失うとする意見
人間を大切にする終身雇用制度や年功序列制度を重視すべきであり、能力・業績の重視は、職員をかえって萎縮させ、行政運営を阻害するとする意見
革新的な業務に従事する職員のみならず、地道な取組みに着実に取り組む職員の適切な配置、昇進、育成、処遇等に活用することができるものとすべきとする意見
   
【評価項目、評価基準、評価対象等】
できるだけ具体的かつ明確な評価項目及び評価基準を設定すべきとする意見
各省庁等の職員として求められる人材像は、採用時に明らかにすべきとする意見
評価基準は、各部署ごとの大まかなものとすべきとする意見
現状では、公平・公正で客観性のある評価基準を設定することは困難とする意見
人事評価の評価基準が出身大学等とならないか不安とする意見
個性が尊重されるべき業務では、評価基準を設定することは困難とする意見
新たな人事評価システムにおける相対評価の視点の有無を明確にすべきとの意見
加点主義的評価は、職員の意欲向上と能力発揮のため、幅広く活用すべきとする意見
高齢者の能力と経験を評価する仕組みについても検討することが必要とする意見
転居を伴う異動に応じたことについても、人事評価上適切に評価すべきとする意見
人事評価は被評価者の人生の評価ではないことや職員の個性を尊重することが重要であることに留意すべきとする意見
人事管理すべてに反映できる人事評価を整備することとすると、被評価者の人生全体の評価のようなものを整備することとなるとする意見
意欲・性格等は、人事評価の対象になじまないとする意見
   
【評価者と被評価者】
人事評価では、評価者と被評価者の信頼関係が不可欠とする意見
評価の目的を達成するには、評価者と被評価者の意識の合致が不可欠とする意見
評価者に評定能力がないケースや、恣意的な評定をされるケースが不安とする意見
評価者と被評価者が別の職員団体に属す場合の適正な評価の確保が問題とする意見
多忙な評価者が、多くの評価対象の多様な能力、個々具体的な業績、適性等を、一面的になることなく、もれなく正確に把握することは困難とする意見
評価者の主観をできるだけ排除した評価システムを整備すべきとする意見
被評価者が評価に納得するのは無理であり、システムの信頼性が必要とする意見
あらゆることに対応できる人事評価システムを構築しようとすると、実際の評価に多くの時間を要することとなり、評価者の本来の職務を阻害しかねないとする意見
評価業務の負担が現行以上となるのであれば、要員等の体制整備が必要とする意見
   
【留意点】
職員や職場を取り巻く諸条件が異なるので、人事評価において職員個人の能力・実績を単純に比較することはできないとする意見
管理職に人事評価を導入すると、事なかれ主義に陥るのではないかとする意見
職員が、評価者である管理職の機嫌や顔色のみをうかがい、管理職に何も言えなくなったり、人事評価を気にして没個性化するという問題が生じるとする意見
人事評価を恐れて問題を隠したり、悩みを抱え込むという問題が生じるとする意見
新たな人事評価の導入は、ゆとりが求められる時代の流れに逆行するとする意見
人事評価より、職員がゆとりと情熱を持って勤務できる環境整備が必要とする意見
人事評価の公平性・客観性・納得性の確保は困難だが、それらに欠けると、職員の不必要な競争、協力関係の破壊、上司への不満、士気の低下等が生じるとする意見

(対応等)
 本報告書「III 新たな人事評価システムに求められるもの」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


4 人事評価システムの検討において配慮すべき公務の特性等について

【公務の特性等一般関係】
公務部門においては、そもそも人事管理の考え方が不明確とする意見
能力・業績を重視した人事評価で失うものは多く、公務の活性化や公務員の士気高揚のためには、むしろ公務員倫理の徹底、職場環境や研修の改善が重要とする意見
能力・業績を重視した人事評価システムは、公務には馴染まないとする意見
公務員に求められる全体の奉仕者としての自覚は、評価結果を昇任、処遇等に反映することでは高まらず、むしろ公務員の誇りを傷つけることとなるとする意見
非営利性・長期継続性、集団的な職務遂行、中長期的な効果発現、成果の指標の多様性や数値化の困難さ、手続の重視等の公務部門の特性を踏まえた人事評価システムとすべきとする意見
民間の人事考課の仕組みを、そのまま導入しても上手くいかないとする意見
人事評価では、国民への貢献度を測ることが最も重要であるとする意見
行政活動に対する職員の関わり方は多様であるため、民間と同様の手法で、顧客満足度調査等を個々の職員の評価に結びつけることはなじまないとする意見
民間で実施されているような顧客満足度調査と人事評価を結びつける仕組みを公務部門に導入すると、一部国民への迎合が生じるとする意見
国家公務員に求められる行政サービスの提供を議論すべきとする意見
行政施策の効果と個々の職員の業績を結びつけることには無理があるとする意見
国家公務員の業績には明確な判断材料がなく、被評価者自身が高く評価した業績でも評価者に評価されなければ加点されない状況で志気高揚が可能か疑問とする意見
公務部門では、人事異動が比較的短期間で行われるため、評価者が被評価者の実績、能力、適正等を十分に把握することは困難とする意見
詰込み教育につながるので、教員の評価を子どもの学力で測るのは問題とする意見
教育現場への新たな評価システムの導入は、教員や学校の序列化につながり、教育現場や地域を混乱させるとする意見
教職員の業務は全人的なものであり、職場では成果の計測が不可能とする意見
管理職の評判が悪くても保護者や子どもに信頼があるような教職員もおり、管理職のみによる人事評価は客観性を欠くこととなるとする意見
   
【国家公務員をめぐる近年の動向、国家公務員制度改革関係】
各省庁等では時代の変化に即応できる柔軟な発想を持つ人材が必要とする意見
国家公務員に求められる業績や資質の本質は、従来から変わっていないとする意見
変化する行政ニーズに対応するため、問題意識と倫理観を持ち、絶え間ない研修を積むことが求められる国家公務員の実情に配慮すべきとする意見
国家公務員の現行の人事管理をどれだけ変えていくのか、そのために必要な評価制度は何か等の基本的考え方を明確なものとすべきとする意見
新たな人事評価システムの前提となる公務員制度改革の議論が不十分とする意見
公務員制度改革は、特権的・閉鎖的な現行制度を、開放的で民主的なものに改革していくことであるべきというイメージを研究会参集者間で共有すべきとする意見
採用試験のみで評価を行うのではなく、採用後も能力の評価を行い、能力のある者には機会を与えるべきとする意見
採用試験区分を廃し、採用後の評価のみで人事を行うこととすべきとする意見
人事評価の仕組みは、採用試験区分に関わらず同様のものとすべきとする意見
人事評価制度の運用等が女性に不利となっていないか検証等すべきとする意見
女性国家公務員の登用促進に対応できる人事評価システムを整備すべきとする意見
省内等の官職公募制を導入し、人事評価をその際の選考の資料とすべきとする意見

(対応等)
 本報告書「II 人事評価システムの見直しの基本的視点」及び「III 新たな人事評価システムに求められるもの」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


5 現行の人事評価システムについて

被評価者の信頼や組織としてのコンセンサスが不十分であるとする意見
現在も訓令等で評価基準が定められており、組織内コンセンサスはあるとする意見
現行の人事評価では、評定要素や評定基準が不明確であるとする意見
現行上も適切な評価や人事運用がなされているとする意見
現在も、勤務評定の結果かどうかは不明だが、職員間に昇進等の差があるとする意見
教育現場では、現行上も適切な配置、昇進等が行われていること、優秀な教師の処遇を高くすることは不適当であること、教職員の育成は校長・教頭の力量を高めることで達成すべきであること等から、新たな評価制度は不要とする意見

(対応等)
 本報告書III−1「(2) 現行の人事評価システムの問題点」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


6 新たな人事評価システムの具体的な内容について

【人事評価システムの基本要件の実現のための仕組み関係】
評価結果への納得性等を確保するため、自己評価、評価方法・評価項目・評価基準の公表、評価面接及び評価結果の本人開示が必要とする意見
自己評価、評価方法等の公表、評価面接、評価結果の本人開示等検討の際には、評価が恣意的になることの防止手法や時間等のコストの検討が必要とする意見
評価面接が人事評価に影響すると、評価者と被評価者の意思疎通は困難とする意見
透明化が、職員の意欲や資質向上、不安感等の払拭につながるかは疑問とする意見
不祥事案を踏まえると、評価基準の公表と評価結果の本人開示が必要とする意見
評価項目を公表すれば、職員が評価項目に沿った仕事をするようになるので望ましいとする意見
結果の本人開示では、公正な評価、職員や組織への影響、業務特性等に配慮すべきで、部内コンセンサス、十分な準備期間、開示項目の限定等が必要とする意見 
人材育成の観点から、評価結果の本人開示等は積極的にすべきとする意見
評価結果を本人開示しても、比較ができないため透明とは言えないが、一方、全員の評価結果を開示することは人権問題となり、職員間の協力関係を壊すとする意見
評価結果の本人開示より、節目節目毎のフィードバックと指導が重要とする意見
管理職等に対してシミュレーション等による評価者訓練を実施して、各部局間における人事評価の統一的な運用と評価能力や技能の向上を図ることが必要とする意見
評価者訓練を行っても、評価システムの統一的運用の確保は困難とする意見
評価者訓練によっても評価の納得性の向上を図ることは容易ではないとする意見
評価に対する苦情や不満による職場や人間関係の混乱が問題とする意見
処遇に係る不服申立とは別に、各省庁等に評価に係る苦情や不満に対応する仕組みを整備することが必要とする意見
人事部門等に対する上司を経由しない苦情・提案制度は必要とする意見
苦情処理制度の利用による人事評価の低下や管理職からのいじめが不安とする意見
   
【評価対象者区分関係】
評価対象区分は、職員の構成や業務内容に応じて適度に細分化すべきとする意見
職種・職責等に合った手法が選択できるようにすべきとする意見
採用後1〜2年目の職員は、育成や適性把握の観点から評価すべきであり、業績評価を処遇に反映することは不適当であることを一般的に確認すべきとする意見
女性公務員の妊娠、出産期にどのように人事評価を行うかを検討すべきとする意見
   
【業績評価関係】
業績を的確に把握するためには、絶対評価が必要とする意見
成果だけでなく、被評価者の努力を評価できるシステムも必要とする意見
業績評価に適さない業務や業績の数値化が困難な部門に配慮すべきとする意見
業績評価を導入する場合、公務に求められる業績等を明らかにすべきとする意見
何を行えば部門業績への貢献として評価されるのかが不透明であるとする意見
評価項目や基準の設定、評価の実施等に要する事務量の面の検討も必要とする意見
目標管理的手法により、目標の達成度等を自己評価させることが有効とする意見
目標管理的手法の導入により、様々な評定要素等を渾然一体として評価している現状を是正できるとする意見
目標管理は、職員の育成、組織力の底上げに力点を置いて利用すべきとする意見
成果管理ができれば、国民が本当に知りたい公務の効率性が把握できるとする意見
目標管理によって、職階制を実質的に導入できるとする意見
公務では、目標達成のための行動が直ちに成果として現れるわけではなく、評価を行うことが困難とする意見
組織的な事務運営を行っており、目標の設定やその達成度の評価が困難とする意見
突発的業務が想定され、明確な目標の設定やその達成度の評価が困難とする意見
教育公務員では、職務の性格上、目標の設定や達成度の測定が困難とする意見
職員数の多い評価者、又は交代制勤務の職員がいる職場等の場合は、被評価者と評価者との間で目標等の話合いを一定期間内に実施することが困難とする意見
目標の実現を目指して個々の職員が自律的に仕事する状況にない等、全職員を対象とした公平な評価手法として運用することは困難とする意見
自主的目標の達成度を測る目標管理的手法では、主に上司の命令に基づく業務を行う職員や、特定の業務のみを行う職員の混乱と志気低下が危惧されるとする意見
目標管理を有効活用するためには、業務の細かなグレード分けが必要とする意見
国民への直接的なサービス提供をしていない部門の扱いを考慮すべきとする意見
本人以外が目標を設定するような目標管理では意味がないとする意見
設定する目標は、具体的な作業目標とする等、明確なものとすべきとする意見
数字の伸び率等の目標は、公務員の職務に適合しないとする意見
適切な目標の設定が問題であり、その際は、評価者の評価能力等も必要とする意見
目標の設定は民間企業でも困難であり、公務部門では一層困難とする意見
組織的な目標は設定可能であるが、個人の目標は設定困難とする意見
時々の状況に合わせて業務を行っているので、事前の目標設定は困難とする意見
被評価者が目標の達成のみに熱中し、その他の点に配意しなくなるとする意見
各評価者の業務目標について、人事部門が難易度に応じて格付けるべきとする意見
評価者と被評価者の間で、目標と達成基準について意思統一が必要とする意見
   
【能力評価関係】
評価項目のウェイトを官職に応じて変え、きめ細かい評価を行うべきとする意見
絶対的・加点的な評価とすべきとする意見
個別の職務遂行の際に現れた発揮能力を評価対象とすべきとする意見
発揮能力のみならず潜在能力も把握し、両者をリンクさせるべきとする意見
教職員が、多様な子どもたちの教育のために発揮すべき能力の基準の設定は困難とする意見
現職の適性のみならず、上位職への適性についても評価すべきとする意見
各種資格取得の有無で能力を評価すると本業がおろそかになるとする意見
客観的で納得性のある簡素な能力基準書を職種・役職別に定めるべきとする意見
能力基準書の納得性の確保は困難であり、詳細な基準書は実効性も疑問とする意見
評価項目や基準の設定、評価の実施等に要する事務量の面の検討も必要とする意見
能力評価の結果によって資格を付与する制度は、採用試験等別人事管理を助長する可能性があり、多様な職種等の職員が公平に取得できる制度とすることも困難で、必要性も薄いとする意見
   
【アセスメント関係】
公平性、納得性の向上につながり、幹部適性等の予測や自己啓発促進のための手法としても効果的なので、部内の評価システムと連携させて活用すべきとする意見
万能であるとは言い難く、常に効果を得られるか否かは不明とする意見
短期間で個人の評価ができるのか疑問であり、評価基準も不透明とする意見
人事評価の実施自体に問題がある中、部外者による評価はさらに問題とする意見
職務内容の特殊性から、外部アセスメントによる適正な評価は困難とする意見
能力、適性、性格等は、職場で把握できるので外部アセスメントは不要とする意見
秘匿性の高い業務を行う職場で外部アセスメントを導入するのは疑問とする意見
外部アセスメントは、人材育成に限定して活用することとすべきとする意見
上位官職に就く際に研修が行われており、外部アセスメントは不要とする意見
   
【多面評価関係】
同一課内の別の上司等による評価は、直属の上司と異なった観点からの多面的、複眼的な評価となるので有意義とする意見
部下による上司の評価は必ず必要とする意見
部下や同僚による評価は、恣意的評価や人気投票になることを防ぐべきとする意見
人事評価は任命権者から委任を受けた者が責任を持って行うべきとする意見
多面評価の効果等を考慮し、準課長級職員等以上を対象とすべきとする意見
評価者で評価が異なることとなると、適正な評価なのかどうか混乱するとする意見
   
【性格評価関係】
国家公務員の場合、私生活における非行であっても、国家公務員に対する信用を失墜させることがあり得るので、現行のような性格評価が必要とする意見
職員の性向や人物像を把握するため、適性・性格等の把握が必要とする意見
国家公務員に求められる倫理観に関する評価は、時代の要請もあり必要とする意見
現行のような性格評価は、ある意味行き過ぎの感があり、個人の人格の評価につながりかねず問題とする意見
   
【人事評価の電子情報化・データベース化関係】
過去の人事評価データの使用目的と取扱いには十分な注意が必要とする意見
過去の失敗に過度にとらわれて将来のキャリアパスを狭めないよう、過去の人事評価データは補足的なものとして使用する等慎重な取扱いが必要とする意見
ハッカーの侵入などの危険は認識しておくべきとする意見

(対応等)
 本報告書「IV 新たな人事評価システムの設計」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


7 新たな人事評価システムの導入について

人事評価研究会では国家公務員に共通した枠組みの提言を行い、具体的な制度設計等は制度所管官庁と各省庁等が職員団体と意思疎通を図りつつ行うべきとする意見
新たな人事評価システムの導入の時期、範囲等は、人事上の混乱やシステムの形骸化を避けるため、各省庁等の実情を踏まえて弾力化できることとすべきとする意見
新たな人事評価システムの導入後、効果が上がらなければ、実施責任者が責任をもって元に戻すこと等とすべきとする意見

(対応等)
 本報告書「V 新たな人事評価システムの導入に向けて」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。


8 人事評価関連制度について

能力・業績重視の人事管理では、人事上のルールを職員に明確にすべきとする意見
能力・業績の重視により、低い評価となった職員の志気が低下し、組織の業務執行力が低下する懸念や、昇任が遅れることとなった職員の動機の維持に不安があるとする意見 
能力・業績の重視を任用・給与制度に持ち込むと、職員の協力・協動で成り立つ公務の現場における相互信頼関係を損ない、不満や混乱をもたらすとする意見 
任用・給与上の格差をつけることによって公務員を駆り立てればよいとするのは、公務員の勤務実態を踏まえない議論であるとする意見
人事評価の結果の給与等への反映は、公務の特殊性を踏まえると困難とする意見
人事評価の活用に当たっての限界の問題についても検討すべきとする意見
評価結果が悪かった者には、研修等を行うこととすべきであり、結果が長期間悪かった場合等を除き、評価結果に基づいて処遇の引下げ等を行う仕組みを設けることは、かえって志気の低下を招くとする意見
処遇引下げは、人事評価の結果によるのではなく、懲戒処分で対応すべきとする意見
評価結果が悪かった者でも、「敗者復活」の機会を付与すべきとする意見
評価結果に基づく解雇、大幅な減給、昇任機会の喪失等が不安とする意見
評価結果を処遇に反映させると、省庁間で処遇の不均衡が生じるとする意見
給与は本来生活費であり、できれば平等にすることが必要とする意見
給与制度の見直しは、人事院に検討をゆだねるべきとする意見
人事評価システムの検討の際、給与への反映を視野に入れる必要はないとする意見
同様の仕事の経験を有する職員については、人事上同等の扱いを受けることとすべきとする意見

(対応等)
本報告書「VI 補論」の取りまとめのための検討素材として、御意見を活用させていただきました。
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