長引くデフレからの脱却と、強い日本経済を取り戻すために、2012年12月『日本経済再生本部』が発足した。内閣総理大臣を本部長とし、すべての国務大臣によって構成された組織で、いわば日本の経済政策の司令塔。第二次安倍内閣が掲げる経済財政政策『三本の矢』の第一・第二の施策である「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」に次ぐ第三の矢、「成長戦略」を実現するため、各省庁が連携し様々な施策が進行中。一人ひとりの想いがこの国の未来をつくっている。

  • 2006年、経済産業省に入省。これまで日本経済・金融市場分析、中南米を中心としたEPA政策の立案や交渉を経験。英国留学を経て、外務省OECD日本政府代表部(在パリ)へ出向するなど、世界をフィールドに活躍した実績を持つ。帰国後、2015年7月から日本経済再生総合事務局で成長戦略実現に向けた各施策を統括する取りまとめ役を担っている。
  • 2008年、農林水産省に入省。食品流通や商店街の活性化等を担当する部局を経て、農業者が食品加工・流通販売に業務を展開する六次産業化法案の制定、花や野菜・果物などの園芸作物の生産振興・需給調整や流通に係る業務を経験。日本経済再生総合事務局では、ベンチャー支援やサービス産業の活性化、ロボット活用を担当するなど、新たな分野で視野を広げている。
  • 2012年、厚生労働省に入省。職業安定局で失業対策など、生活者の労働環境に関わる業務に従事。育児休業時の給付金引き上げや、教育訓練給付などの雇用保険法改正にも携わる。日本経済再生事務局でも引き続き雇用・人材分野を担当し、新たに働き過ぎ防止や働き方改革、人材育成強化の取組に関わっている。

内閣官房 新国立競技場の整備計画
再検討推進室 参事官
2006年、経済産業省に入省。これまで日本経済・金融市場分析、中南米を中心としたEPA政策の立案や交渉を経験。英国留学を経て、外務省OECD日本政府代表部(在パリ)へ出向するなど、世界をフィールドに活躍した実績を持つ。帰国後、2015年7月から日本経済再生総合事務局で成長戦略実現に向けた各施策を統括する取りまとめ役を担っている。

外務省 総合外交政策局
人権人道課長
2008年、農林水産省に入省。食品流通や商店街の活性化等を担当する部局を経て、農業者が食品加工・流通販売に業務を展開する六次産業化法案の制定、花や野菜・果物などの園芸作物の生産振興・需給調整や流通に係る業務を経験。日本経済再生総合事務局では、ベンチャー支援やサービス産業の活性化、ロボット活用を担当するなど、新たな分野で視野を広げている。

内閣官房 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局 主査 2012年、厚生労働省に入省。職業安定局で失業対策など、生活者の労働環境に関わる業務に従事。育児休業時の給付金引き上げや、教育訓練給付などの雇用保険法改正にも携わる。日本経済再生事務局でも引き続き雇用・人材分野を担当し、新たに働き過ぎ防止や働き方改革、人材育成強化の取組に関わっている。

  • 日本経済再生総合事務局が始動したのは、2012年の安倍内閣発足直後でしたよね。日本経済の再生に政府一丸となって取り組むために設置されました。
    日本経済はデフレがずっと続いていて、生活者の消費マインドも下がっていました。そこで経済をもう一度活性化させて、日本中を元気にしていくための組織として設置され、各省庁から職員が結集したんです。
    目指しているのは、国民一人ひとりが最大限の力を発揮できる社会。そのために、障壁になる制度は撤廃して、必要な制度を作っていこうと進められています。
    各省単独で進めると、どうしても自分たちの分野をベースに物事を考えていくことになります。でも、そうした壁を取り払って、日本全体を視野に入れながら「今のままでいいのか」「変えるべきところはないのか」と議論を重ねていくことが、これからの未来のためには大切なんだと思います。
    私も厚生労働省にいた時は、「現在困っている人」に厚生労働省の持っているツールで何ができるかという考え方をしていました。でも、ここに来て、日本経済の成長がなければ雇用そのものが生まれないという発想に触れ、考え方が大きく広がりました。10年先、20年先の社会の変化を踏まえた未来を考えることが、私たちのミッションですよね。
  • 「雇用」は成長戦略で重点的に取り組んできた分野の一つですよね。ほかにも、これまでの成果としてよく取り上げられるのは「農業」「医療」「エネルギー」分野の改革でしょうか。
    農業は、農地の荒廃や高齢化による後継者不足などの課題が山積です。農業を成長産業とするためにも、これから抜本的な改革が必要になりますね。
    医療では、再生医療製品の実用化までの承認期間が短くなりました。これまで年単位だったのが数カ月単位に。これは世界でも一番早いスピードです。海外からも注目され、いろんな企業が参入していますよ。エネルギー分野でも電力・ガスシステム改革が進んでいます。
    立場によって考え方はいろいろあるので、全員が納得する仕組みをつくることはすごく難しいですよね。
    制度が変わって喜んでくれる人もいる一方で、なんで変える必要があるのか、という話も必ず出ます。常に10年20年という長期的な視点で、その必要性を考え抜いて、伝えていく必要がありますよね。
  • いま「成長戦略」の実現に向けて、各省庁から人が集まって、それぞれチームで具体的な施策を議論しているところです。私はそれら全体の取りまとめや調整をしているんですが、二人はそれぞれ担当分野を持っていますよね。
    私は厚生労働省時代からずっと、雇用・人材分野を担当しています。現在は主に、働き過ぎ防止の取組推進、働き方改革、未来を支える人材力強化について施策検討しているところですね。
    雇用は自分たちにとっても当てはまるトピックだから、とても身近に感じますね。
    そうなんですよ。たとえば働き方改革で、育児休業を取ろうとか、メリハリのある働き方をしようというキャンペーンをおこなっているんですが、民間企業で働く友人と話をしていても、社内に変化があったという話を聞くことも増えて、すごくうれしいです。あとは、育児や介護など家庭でがんばっている人たちも正社員として働けるように、“職務や勤務地など一部の条件を限定した正社員”という働き方を普及させる動きもあります。
    日本は労働人口が減っていることが大きな課題になっていますから、重要な施策ですね。三浦さんはどうですか?
    私は農林水産省からの出向なんですが、今は経済産業省とのやり取りがほとんどです。最近特に動いているのは、ベンチャー支援ですね。海外には、世界が一気に変わるような商品やサービスを立ち上げるベンチャーが続々と生まれているんです。大企業中心の日本社会の中からも、世界で活躍できるようなベンチャー企業が育つように支援していこうと成長戦略で打ち出しています。
  • 今年のGWに安倍総理もシリコンバレーを訪問して、「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」を立ち上げましたよね。
    そうなんです。国内の起業家や、大企業の中で新事業に挑戦する人をシリコンバレーに派遣して、現地の投資家や起業家と交流を図りながら、世界に通用するイノベーション創出を促すプログラムです。他にも、大企業とベンチャー企業が一緒に組んで新事業を立ち上げられるようなマッチングイベントも推進しています。ただ、経済産業省が運営している『ベンチャー創造協議会』の会員になっていただくと様々な案内が届くんですが、こうした仕組みがあるということをもっと起業家の方々に知っていただく努力は必要だと感じています。
    せっかく制度をつくっても、知ってもらわなければ意味がないですもんね。
    実は、海外に向けての広報活動も力を入れているんですよ。世界の先進国には、今の日本と社会構造が似ていたり、同じ政策課題を抱えているところも多いんです。アピールがうまくいけば、日本が新しいことをやっていると海外投資家の目にも止まりやすくなりますしね。
    宮崎さんのところには、外国人の方からの電話もありますよね。たまに電話をとるとびっくりします(笑)

  • 先ほども少し話が出ましたが、施策としてはいいものがどんどん出来ている一方で、浸透しているかというとまだまだだな、という印象はすごくあります。
    それは私も感じます。実際に制度を使ってもらって、その成功事例をうまく広報していく必要がありますよね。それぞれの施策は、各省が動かしているので、現場の情報収集にも力を入れていかなくてはいけませんね。
    みなさん忙しい中、かなり協力していただいていますよ。こちらからの状況把握やフォローアップも積極的におこなうようにしています。
    制度を作って終わりではなく、どれくらい効果を得られたのかまでしっかりと見届けていきたいですね。
  • それから、一省だけではなく各省が連携してやっていかなくては、世界に取り残されてしまうということを、ここに配属されてすごく感じますよね。たとえば、経済産業省の産業政策に基づいて、その産業を動かすための人材育成を厚生労働省が取り組む、というように。
    わかります!厚生労働省の担当する雇用分野でも、今の日本社会は新卒採用がメインなので、学校でのキャリア教育も必要という観点から、文部科学省との連携を進めているところです。
    各省にいた時には気が付かなかったことがたくさんあって、本当にいい経験をさせてもらっているなと感じています。
  • 本当に、自分の視野が広がるのはすごく感じますね。入省前から、問題の指摘だけでなく解決のために動ける場で働きたいと思っていました。一歩ずつではありますが、つながっているなという実感はあります。みなさんのやりがいってどんなところですか?
    日本はどうあるべきかという、大きな視点で問題を見つめられることが国家公務員のやりがいですね。本当に正しい答えなんて誰にもわからない中で、いろんな人の話を聞きながらこれからどうするべきかを考えて、政策につなげていく。その難しさが、やりがいそのものだと思います。
    同じ想いで働いている人がたくさんいるので、施策を一つにまとめていく作業はやりがいがありますよね。たとえば農林水産省だと「食」に興味がある人とか、日本の食料生産に危機意識を感じている人とか。
  • 根底が同じだから、仕事をしていても大きなブレがなく、想いを共有できる。どんなに忙しくなっても、やっててよかったなって思うことがいっぱいあります。
    それはありますね。あとは自分のやりたいことをやらせてもらえるところ。自分が望めば、責任ある仕事や成長の機会を惜しみなく与えてもらえる。その環境があるというのも、入省してからの新しい気づきだったし、今のやりがいにつながっています。
    そう思います!