ブックタイトルイクメンパスポート２０１7

概要

イクメンパスポート２０１7

子どものすこやかな成長のために／ 父親の育児参加は、子どもの人間形成にどのような影響を及ぼすのでしょうか？／ 父親の育児参加が子どもの成長に与える影響について、客観的なデータとして出ているもののひとつが、3歳児の育ちを比較した調査です【下図『3歳児の発達と父親の関わり方の関係』参照】。この調査で、積極的に子どもと身体遊びをしようとする父親の子どもと、そうでない父親の子どもでは、3歳段階での情緒性や自発性の育ちに差が出ることが明らかになっています。父親との身体遊びをしてきた子どもの方が、感情の表現やコントロール、表情の豊かさ、自己主張などの育ちが良かったのです。さらに、休日に子どもと遊ぶことを楽しみにしている父親の子どもの方が、認知性や言語能力、大人との関係形成や他者への関心などの社会性の育ちも良いとの結果も出ています。　このうち、社会性について詳しく説明すると、例えば、成長するにつれて体が自由に動くようになり、子どもがソファの上からポンと飛んでみたくなるとします。神経質な母親であれば「危ないわよ！」「もし何かあったらどうするの！」と、行動を制止することでしょう。これを繰り返すと、子どもは次第にソファで遊ばなくなります。なぜなら、母親の愛情を失うと自分は生きていけないということを子どもは知っているからです。　そこで、父親がまったく違う対応をするとどうでしょう。例えば「ほら大丈夫、飛び降りてごらん」「できたじゃないか。すごいぞ」「もう一回やってみよう」と、言ったとします。すると、子どもは母親がいるときはやらないけれど、父親がい